逆転さんは錦織か?   ケイメヒコ

わたしたちは「錦織選手は逆転勝ちすることが多い」と思っていないでしょうか?
果たしてそうなのか?を調べてみました。(Seppi戦の逆転負けで気になりました。)
ATPの公式には色々なデータがあります。
 http://www.atpworldtour.com/Reliability-Zone/Reliability-Zone-Landing.aspx
(注 最初の記事では表のインデックスの意味が分からなかったので、色々書きましたが、のめさんのご指摘によって算出期間が分かりすっきりしました。ので、騒いだ部分を主に修正しました。10日0:25)

わたしは先ず勝率がどうなっているか気になるので見てみました。
錦織選手の生涯成績は123勝83敗で.597とちょっと6割を割っていて、引退選手も含めて全選手中108位です。現役選手中では19位です。
この勝率で見て見ると、Wimbledonで去年も今年も初期敗退のNadalは全選手中も、現役選手中でもトップです。
ちょっとリストしてみますね。*印が現役選手
1 Rafael Nadal .834 626勝125敗 *
2 Bjorn Borg  .826 609勝128敗
3 Jimmy Connors .818 1246勝277敗
4 Ivan Lendl  .818 1071勝239敗
5 Roger Federer .815 905勝206敗 *
6 John McEnroe .815 875勝198敗
7 Rod Laver .801 536勝133敗
8 Novak Djokovic .797 508勝129敗 *
9 Pete Sampras .774 762勝222敗
10 Boris Becker .769 713勝214敗
11 Guillermo Vilas .765 926勝285敗
12 Andy Murray .763 413勝128敗 *
13 Andre Agassi .760 870勝274敗
14 Arthur Ashe .752 683勝225敗
この辺にしておきますが、昨年引退のAndy Roddickが18位、次に現れる現役選手がLleyton Hewittの24位、そして27位にJuan Martin Del Potroと続きます。(トップ4は本当に強いことが納得できますね。)
ここでわたしが言いたいのは、Nadalの例にもあるように、ある一戦についてだけ取り出して選手の評価を云々できないということです。念頭にあるのは最近のSeppi戦です。いつも言っていますが、どんな試合も負けることがあり得ます。だから、一戦一戦地道に勝ちを積み重ねることが大切なことだと思うのです。

今年の勝率についてもちょっと見て見ましょう。
トップはNadalの驚異的な.935、次がDjokovicの.867、そしてMurrayの.826、Federerの.817と続き、8割以上がここまでです。錦織選手は12位の.698です。今年は勝率が上がっているいことが分かります。

第一セットを落とした後、勝ち切った試合について見て見ると(逆転勝利)、
生涯ではトップでも5割届かないで、Rod Laverの.495です。
現役選手では.425の6位Nadalです。8位はHewittの.406、9位Federerの.403、11位Murrayの.399です。錦織選手は61位の.292、現役では12位、31勝75敗です。

今年の成績では、Nadalが7勝2敗で.778のはずですがリストにありません。1位はMurrayの.667、2位Djokovicの.600です。錦織選手は今年1勝9敗です。インデックスは生涯と同じ.292で25位です。

でも、これらを見て言いたいのは。錦織選手の逆転勝ちが決して思ったほど多くないことです。しかし、逆転さんの印象はある時期に印象的な逆転が幾つかあったからかと思います。(幾つか−>幾つも の方が良いね)
逆に第一セットを勝利した後、勝ち切った試合について見て見ると、
生涯でトップはBorgで.955、2位Djokovicの.952、3位Nadalの.950、Federerは6位の.933、Murrayは8位の.928です。錦織選手は92勝8敗の.920ですが、リストには記載がありません。
そして今年の成績では23勝2敗でやはり.920ですが、インデックスは.949の4位です。インデックスは過去52週ですから、今年の第一セット勝利後の試合勝利を勝率で並べると
1 Nadal .973 36勝1敗
2 Del Potro .952 20勝1敗
3 Simon .950 19勝1敗
4 Djokovic .944 34勝2敗
5 Robredo .941 16勝1敗
6 Murray .929 26勝2敗
7 Rosol .929 13勝1敗
8 Federer .923 24勝2敗
8 Tsonga .923 24勝2敗
10 Nishikori .920 23勝2敗 

錦織選手は第一セットを取ったときの勝率が生涯でも、単年度でも9割を越しています。逆転勝利は3割に届きませんし、今年に限れば1割でしかありません。勝率から見ると逆転さんとは言えない成績だと思います。ここで言いたいのは、ファンとしては逆転を期待するのは当然ですが、逆転の可能性は3回に1回あるかないかであることです。あまり期待しすぎるのは酷ではないでしょうか?
逆転さんかどうかについて、判断の分かれるところですが、逆転勝利の割合が3割ほどでは逆転さんと言えないと見るか、いや逆転の最高勝率が5割だがら3割もあれば充分に逆転さんと言えると見るかです。皆さんどちらを選びますか?

どの選手も第一セットを取ったときに勝利につながる率が高く、逆転勝利は歴代の記録でも5割にならない、つまり困難ですので、当たり前のこととは言え、第一セットが本当に重要であることが言えると思います。

——————-追記1 7.14

のめさんが貴重なデータをまとめ上げてくれましたので、ここに残しておきます。

・ツアー本選とデ杯限定
・棄権負けと棄権勝ちは含まない(ファンの心情として)
という条件で過去の1st落とした試合の勝敗を見てみると、

当時の錦織選手より上位の選手との対戦の場合14勝46敗(23%)、
当時の錦織選手より下位の選手との対戦の場合17勝22敗(44%)でした。

各年度別
2007 0勝5敗 (0%)
2008 5勝9敗 (36%)
2009 0勝5敗 (0%)
2010 2勝6敗 (25%)
2011 12勝20敗 (38%)
2012 11勝14敗 (44%)
2013 1勝6敗 (14%)

——————-追記2 7.16

山さんが貴重なデータをまとめ上げてくれましたので、ここに残しておきます。

・調査範囲 ツアー本選とCH大会とデ杯
・対戦相手がランキング1-30の逆転勝利数と全逆転勝利数
という条件で逆転勝利をカウントして見ました。

逆転勝利数対1-30 全体
2008    1  7   対Blake 記念すべき初優勝の決勝
2010    1  6
2011    4  12
2012    1  10
2013    0  1

この表から次の事が読み取れます。
1,30位以内の選手は簡単に逆転させてくれない。
2,最近は30位以内の選手と当たる事が多いので逆転できない。
3.最近自力がアップして逆転できる相手には1stセット与えなくなった。

74 件のコメント

  • おはこんばんわ
    山さん、ありがとうございます。
    コメントの山の中に埋もれてしまうにはあまりにももったいないです。
    のめさんのは書かれたものをそのまま追記しましたので、一存で追記に残しましたが、それにちょっと体裁を合わせたりなどなどいじったので確認しようと思いました。追記しておきました。
    のめさん、事後承諾になりますが、それで良いですよね。

    前にわたしが準備して、ボーッと眺めてしまったのは、わたしは今年の状態が逆転よりも喜ばしい状態だと思って、それをどうデータで表現できるか?でした。山さんの視点での調査は単純明快にそれを表していると思います。
    そのためにわたしが用意した表を提示しただけではあまり明確ではないので、相関係数で相関度をはじき出さないと言えないかな?って、表計算ソフトを持ってないので、計算用のチャートを新たに作らないとなりませんので、でも、そこまでしないでも良いかなとか決断が付かなかった。

    今日帰ったら、表の準備をします。

      引用  返信

  • ケイメヒコさんて、以前もこんな事ありましたよね?
    他人のブログで何度も同じ事って、単なるトラブルメーカーですよ。

    団長もエライ人にランキング試算の権限与えちゃったもんだ。今後も苦労するわ。

      引用  返信

  • >Völklさんへ

    他の皆さんも仰られており、ケイメヒコさんも仰られているところですが、このブログは、『錦織圭選手をより良く(鼻血が出るまで)応援するためのブログ』であり、団長はじめ、記事をアップされる方、定期的にコメントされる方、閲覧だけの方など、参加されるたくさんの人たちが、相互理解の元、長い時間を掛けて作り上げている場です。

    火種をうまく消せず、思わぬ火事になることは時としてあるかと思いますが、そもそも火種が無ければ火事にはなりませんよね?

    誠実に、4年以上に亘り記事を担当されている方に対して、過ちを見つめ、改善しようとしている方に対して、名指しで、トラブルメーカー呼ばわりする行為は、適切でしょうか。

    また、あなたがつけたコメントは、削除されない限り残り続けます。あなたはコメントを残すことで多少気が晴れることもあるかもしれませんが、批判されたままのケイメヒコさんや、団長や、コメントを読む他の方々の気持ちはお考えになりましたでしょうか。

    ご自身や、ご家族やご友人などの関係者が、見知らぬ人から一方的な批判を受けた場合、かつ具体的な改善策などのご提示が無い場合は、どうお感じになりますでしょう。

    かくいう私も、当記事の論旨から外れ、断片的な情報からでしか物事を論じておりませんが、余計な火種はすべからく消したいという想いから、より気持ち良く皆で錦織選手を応援したい気持ちから、コメントさせて頂きます。

    せっかく当ブログに参加されるのであれば、人の過ちを赦し、一緒に錦織選手を応援しませんか?

      引用  返信

  • Völklさん
    あなたの言うトラブルとはどういうことを言いますか?
    説明していただきたい。

      引用  返信

  • いまようやく全部のコメントを読みましたが,いろいろと議論になっていたのですね.
    管理人でありながらチェックが行き届かずにすいません.
    本来なら私が場を収めるべきなのですが,お知らせしたとおり今その状況にありません.(でももうすぐ山を越えます)
    そういう状況ですので,言いたいことは皆様あるとは思いますが,これ以降は記事の内容と関係ないコメントはお控えくださいますようにお願いします.

      引用  返信

  • このサイトを知り膨大なデータ、愛情あふれる応援コメントの数々に心打たれました。
    もっと早く知りたかった。でも何事もNever too late です。

    団長の分析はもちろんのこと、コリコリさんそしてケイメヒコさんが提供してくださっているデータは
    有料化しても十分なレベルだと個人的に思っています。
    これだけの時間と労力をかけて貴重な資料をシェアしてくださっている事実に本当に頭がさがりますし、感謝しています。
    その上、「私はバカなので」などと言葉を選びつつ大人の対応で折れてくれたケイメヒコさんの書かれる
    コメント、私には挑戦的ではなく、文章力がある理数系の人のようなものに感じられますが。

    このようなタイムコンスーミングな「仕事」をしてくださっている方々に、感謝の気持ちを持ちつつ
    記事を読んだり、参加したりしていただきたいなぁ、と切に願います。
    ケイメヒコさん、どうぞもう本題に戻られてください。
    新しくコマ立て直して、必要な情報だけ移動していただけると見やすくなるのではないでしょうか^_^

    追伸 のろのろしていたらアップした時点で、団長のコメントが先にありました。折角書いたのでアップさせてください(iPadなので人差し指一本で打ってます…)

      引用  返信

  •   http://www.atpworldtour.com/Reliability-Zone/Reliability-Zone-Landing.aspx 

    から拾って、逆転勝数/全勝利数を計算しました。つまり、逆転勝の勝利に対する寄与率です。この結果を並べただけではあまり面白くもありません。それは前にも書きましたが、
    1,Seppi .262   2、Nishikori .252  3,Wawrinka .249

    勝率と並べたら意味が出てくるかなと思いリストしました。以下は勝率の高い順に並べた表です。これはデータベース上で一週間前にできてました。今日はそこから転記するだけです。でもそれに3時間もかかる手の遅さです。
    ザッと見て、「勝率が高いと逆転勝ちの寄与率が低い傾向にある」と言えます。トップ4は逆転に寄っていないことがハッキリ読み取れますね。どれだけその傾向があるかを示す係数、相関係数が算出できれば嬉しいのです。わたしはデータベースでやってますので、それ用に自分で作らなければなりません。
    表計算ソフトのExcelを知らないのですが、内蔵関数に有るのでは無いかと思います。どなたかお手数かけますが、この2本の数字の相関係数を出してくださる方はいませんか? 0.7位あれば大喜びです。

         勝率 逆転勝の寄与率
    Nadal   .834 .113
    Federer  .816 .110
    Djokovic  .797 .136
    Murray  .763 .162
    Hewitt  .717 .197
    Del Potro  .706 .147
    Tsonga  .690 .190
    Ferrer  .672 .174
    Berdych  .644 .153
    Haas  .642 .191
    Raonic  .635 .129
    Cilic  .635 .175
    Gasquet  .627 .173
    Monfils  .623 .171
    Robredo  .611 .220
    Almagro  .610 .154
    Wawrinka  .600 .249
    Nishikori  .597 .252
    Simon  .596 .227
    Isner  .595 .227
    Verdasco  .588 .204
    Youzhny  .579 .203
    Monaco  .570 .143
    Anderson  .558 .206
    Tipsarevic  .5572 .178
    Querrey  .556 .175
    Gulbis  .519 .183
    Lopez  .510 .224
    Seppi  .488 .262

      引用  返信

  • 団長、お忙しいのにお手数かけました。

    朝、約束したのでこの枠上で表を書いていました。

    わたしは弁えて欲しいことを何度もお願いしているだけなのですが、
    まとめには4項目あげました。どれも何も特別なことではありません。
    それさえ守っていただければ、脇道にそれずテーマに沿った話が進むと思うのですが。
    それをお読みいただけないのか、いつも無視された言葉しか返って来ないのが残念でなりません。
    もしかして弁えてって字を使ったので、わきまえていただけなかったのかな。

    罵声を浴びせられれば、それは平気ではありません。が、それに対する耐力はあると思います。
    その言葉を発した方にも根に持つことはありません。
    というか、わたしはどんどん事柄の方に集中しますから、
    で、本当に「何を言っているのか?」内容が分からないのでVölklさんに説明を求めました。
    しばらくしたら、どなたがしたかなんて覚えてもいません。

    4項目はどんな場面にも通用すると思います。皆さん、本来の話に参加してください。疑問や提案をお寄せください。
    よろしくお願いします。

      引用  返信

  • ケイメヒコさん

    エクセルで相関を調べました。相関係数は-0.65(勝率と逆転勝ちの寄与率が逆相関)になりました。
    0.7はないですが、まあまあ大きい数字だと思うのですが、この分野での相関係数の目安がわからないので、何とも言えないですね。参考までに。

      引用  返信

  • かつじさん

    早速出していただいてありがとうございます。
    わたしも目安をハッキリ持っていません。
    だってわたしは今までこれに限らず相関係数を必要に感じたことがありませんので。
    が、一般的に0.7もあれば間違いないと言えるのではないでしょうか?
    そこまでは無かったけれど、
    充分に勝率が高いほど寄与率は低くなると言って差し支えないのではないでしょうか。
    数字だけ見たとき、良かったって思ったのですが、お仕事の分野でお使いのような方から
    「この分野での相関係数の目安がわからないので、何とも言えないですね。」
    と言われると勢いがなくなりますが、言っても良くはないでしょうか?

      引用  返信

  • 勝率と逆転勝利の寄与率が逆相関であるということは,強い選手ほど1stセットを取る率が高いので逆転勝利に賭ける機会自体が少なく,結果として逆転勝利の寄与は小さくなるということで,直感的にも理解しやすいですし,先ほどセットを取る確率が選手に固有であると仮定して数式をいじってみましたから数式からも導かれます(省略します).

    ということで,逆の相関が現れることは実は驚くべきことではありません.
    また,相関係数の取扱には注意した方がよいと思います.

    1つは,相関関係にあると言っても因果関係が証明されたことにはならないことです.この場合は上記考察により因果関係もある程度は担保されたと考えてよいと思いますが.

    2つ目は,恐らく線形フィッティング(y=ax+bという直線近似)をされたと思いますが,果たしてそれで良いのかということです.

    2次関数かもしれませんし,反比例の関係かもしれません.カーブの形が違っていれば,出した相関係数は意味をなしません.

    今回の例では約0.7ということで「そこそこの相関はある」と言うことに問題はありませんが,出てきたy=ax+bの式のaとbの数字に大きな意味があるとは思えません.

    むしろ,フィッティングした直線あるいはカーブから大きく外れたところに位置する個別の選手がいるかどうかを見つけることが楽しいと思います.

    例えば勝率xが高いのに,逆転勝利の寄与率yも高い選手がいたら,それは「逆転男」でしょう.

    もう1つの楽しみは,似たような勝率の2人の選手の比較です.

    上の表で言えば,HewittとDel Potroの勝率は似かよっていますが,逆転勝利の寄与率はHewittの方が有意に高いと思います.

    Hewittの粘り強いプレースタイルを考えたら頷ける結果で,興味深いです.

    HaasとRaonicについても同様のことが言えると思います.RaonicはHaasと比べると逆転の粘りに欠ける(あくまで相対比較ですよ)と言えるのではないでしょうか.

    いずれにせよ,データ大好き人間としては非常におもしろい話題でした.

    本来,私のブログではこういう考察をどんどんやっていきたいという思いがあったのですが,忙しくてなかなか実現できませんでしたので,みなさまのおかげで大変楽しませていただいて嬉しいです.

      引用  返信

  • そして我らが錦織は・・・・やはり周囲の勝率が近い選手たちと比べると,Wawrinkaと並んで逆転勝利の寄与率が高めです.やっぱり,逆転男だと思います.

      引用  返信

  • なるほど!面白いです!さすがです!・・・だからこのブログ、大好きです!
    私も数学が出来たらな〜!
    やってみたいのは逆転され男さんかな。年齢との相関とか、コート別とか、お国柄とか、コーチ別とか、いろいろ出来ますよね。(言うのは簡単 (*´∀`*)テヘ♪)
    皆さんのご苦労を、ありがたく頂戴して楽しませていただきました!なにかで私も役に立ちたいなあ。

      引用  返信

  • 団長お忙しい中ありがとうございます。

    一時期はやった「逆転さんは錦織か?」をタイトルにしましたが、
    今までは逆転さんであることは実感としてあるわけです。それを確認しただけでは何も面白味がないと思い、記事に書いた動機は今までのことより、今後どう見ていかれるか?でした。
    前に書いたと思いますが、Seppi戦の逆転負けが気になって、逆転について調べたら、何か見えてこないかでした。

    仰るように、直感的にも理解しやすいことを、何かデータ的に言えないかと、ない頭で思いついたのが相関係数でした。昔習って使わないでいるので、大雑把なことでしかないわけです。わたしは簡単な直線近似で良いと思いました。そうそう、何故、確認された数式を省略されたのでしょう。わたしに理解できないかもしれませんが、省略しますではなく末尾に示しましたとして欲しかった。

    あの2本の数字で、仰るカーブから離れた人は、多分、WawrinkaとNishikoriだと思います。これが相関係数を下げているのではないか?その程度がどれほどかが心配でした。グラフにプロットすれば一目瞭然ですが、グラフ用紙もないし、グラフソフトもないので直感だけでは言えないかなって思ったのです。

    上位者は逆転の寄与率が低いことが言えたら、簡単に言っちゃうと、「上位を目指すには逆転に期待するよりも、順当な第一セットを取って有利に試合を運ぶことを目指した方が良い」のではないかと言いたかったわけです。このことは当たり前と言えばそうなのですが、このことを記事にもちょっと臭わせていたと思います。

    そのためには、山さんの調査はある意味数字だけで端的にこのことへの根拠となるような感じです。山さんは一つ一つ当たられていたから、読み取れることへのさらなる実感があると思います。整理された中に、逆転に成功しなかった対戦相手1-30の数字はあるのでしょうか?

    病院の予約の時間が迫ったので、出かけます。来週あたり、団長に詳しく聞き、お願いしようと思ってます。

      引用  返信

  • 省略したのは単に数式が嫌いな人が多いからですw

    ある選手が
    ストレート勝ちする確率 a
    逆転勝ちする確率 b

    とすると,勝率xは x=a+b

    逆転勝利の寄与率yは y=b/(a+b)=b/x

    よってyはxに反比例しますが,bが定数でない(選手によって異なる)ため実は厳密には反比例するとはいえません.

    そこである選手のセットを取る確率をpとしますと,落とす確率は(1−p)で,

    ストレート勝ちする確率 a=p^2
    逆転勝ちする確率 b=(1-p)*p^2

    勝率 x=a+b=(2-p)*p^2
    逆転勝利の寄与率 y=b/x=(1-p)/(2-p)

    となります.

    pが上昇するとyは減少し,P=1すなわち100%勝利する場合,0になります.

    つまりセットを取る確率pが上昇する(要するに強い選手)ほど,逆転勝利の寄与率yが下がるということになります.

    この式の問題点は

    (1)3セットのみ考慮していること,実際には5セットマッチもありますがどういう影響があるかは検証していません(おそらく同様の結果でしょうが)

    (2)pを選手固有の値で一定としていること.実際には同じ選手でも,状況によって変動するでしょう.しかし測定のしようがありませんし,逆にpを一定とした場合に導かれる式から「外れた」選手は,このpが状況によって変化しやすい選手であると言えるでしょう.

    以上のように,言ってる内容はおそらく高校数学レベルではありますが,はっきり言ってこういうのが嫌いな人はとことん嫌いな話だと思いますので省略いたしました.

      引用  返信

  • あ,ちなみに厳密には「確率」ではなくて「割合」とすべきであるとの指摘を以前,とある読者様からいただきまして,それはその通りだと思います.

    ただ,私はテニスの勝敗も最終的には確率的であるというテニス観を持っていましてそれに沿った表現としています.

    例えばネットに出てパッシングのコースを読む場合,いかに癖,フォーム,心理を読もうとも,最終的にそれが当たるかどうかは確率的事象であると考えます.

    もっと言えばショットが入るかどうかも確率的事象だと思います.
    メンタルのビビリが完全にゼロで,完璧に打ったはずのボールでもまれにミスショットになることがあります.
    これはプロでも一定の確率で起こります(ものすごく低いですが).
    これを確率的事象と言わずしてなんと言いましょう.

    その確率的事象の積み重ねである試合の勝敗も,また確率的事象であるはずです.

    という考えから「確率」という言葉をあえて使用していることをご理解くださいませ.

      引用  返信

  • 完全文系人間なので、感覚的な発言になってしまうことをお許しください。
    尚且つ、錦織が逆転さんかどうか?という事とは関係ない内容かも知れませんが、書き込ませてください。

    錦織はスロースターターであるが故の逆転さん(既に過去のことかも?)と、私は思っています。
    以前は、ファーストゲームから入りが悪く、緊張のせいか、アップの方法が違ったのか、メンタルコントロールがうまくいっていなかったのか、とにかく身体が動き出すのが遅かった気がします。
    1セット落としたあたりから徐々にエンジンがかかりだし、本来の能力を発揮して結果的には逆転して勝つ、ということだったのではないかと推測します。

    それ故、3セットマッチでは間に合わなくて捲れない試合がちらほらあっても、グランドスラムの5セットマッチでは勝ちきれる、という感じだったのかなと思っています。

    最近はおそらく自身のランキングに対するプライドと責任と自信が「こんなところで1セットを落としている場合ではない。」というマインドに変わってきたのではないかと思います。単純に地力が上がったとも言えますが。

    ただし、逆転して勝てる、ということ自体はは素晴らしいとは思いますが、今後は怪我のリスクを考えて、余計なゲーム数を重ねずできるだけストレートで勝ち進むような戦略を立てていただきたいものです。

    いやもちろん、今でもそう努力しているとは思っていますが、以前錦織がインタビューの中でまだそのセットが終わっていないのに「気持ちはもう次のセットに向かってました。」と話すのを聞いて、ちょっと??と思ったので。

    錦織のストローク中心で更に走り回って拾いまくるスタイルは、試合が長くなればなるほどボディダメージが蓄積し怪我をしやすくします。今後の彼の活躍を願うものとして、逆転さんは卒業してもらいたい気がします。

    ところで、スロースターターの逆転勝ちというと、アガシを思い出すのですが、私の思い違いでしょうか?
    サンプラスとの試合でアガシが勝ったのはいつも逆転勝ちだった気がしてます。怪しい記憶ですが・・。

      引用  返信

  • 団長、お忙しい中書いてくださって、良く分かりました。

    わたしは実際に目の前にあるデータをどう読むかでしたから、数式を建てて、整理・考えるということに至りませんでした。ある意味一番最初にすべきことでしたね。下手な考えはいたずらに遠回りするだけでした。

      引用  返信

  • yuriさん

    いいじゃないですか。お話、とても良いです。面白いです。
    わたしだって感じたそういうのが元になっています。
    そういうのを一面的ではありますが、数字から意味を読みだそうとしているだけです。

      引用  返信

  • はじめまして。いつも楽しく拝見しています。
    逆転についての議論がとても興味深かったので、初書き込みです。

    「逆転男」の定義が難しいなと思いました。強くなればなるほど、ストレート勝ちの割合が多くなるので、「逆転勝率」が「勝率」に寄与する割合では、計れなくなりそうです。

    そこで、私なりに「逆転勝率」ではなく、「逆転傾向」を考えてみました。「逆転傾向」とは劣勢から、巻き返す能力をイメージしました。具体的には3セットマッチにおいて、フルセットマッチにもつれこんだ場合に注目してみます。フルセットになる、ということは第2セット終了時点で1−1になっているということです。団長様が常々おっしゃっている通り、どんな相手に対しても、セットを取ったり、取られたりしながら、回数を重ねることで、傾向が見えてきます。錦織選手に「逆転傾向」があるなら、第一セットを落としたことで、ギアが上がり、第二セットでは相手との力関係のバランスが錦織選手側に傾くと考えられます。そこで、2008年からの3セットマッチでリタイアにより勝敗が決したケースを除き、フルセット戦ったときの第1セットと第2セットの勝敗に注目しました。(最終的に勝ったかどうかについては度外視しているのが私独自の点だと思います。)もし、試合を通じて、相手との力関係のバランスが変わらないのなら、1セット落としてしまう、という事象が第1セットに起こる確率と第2セットに起こる確率は等しいはずです。また、錦織選手に「逆転傾向」があるなら、第1セットを落として、第2セットを取るケースの方がその逆より多くなる筈です。
    そこで、2008年から、3セットマッチでフルセット戦ったときの第1セットと第2セットの勝敗を数えました。(5セットマッチについては、考察が複雑になるので割愛)

    2008年 フルセットマッチ 19試合
    うち、第1落として第2を取る展開だったもの13試合 (第2セット巻き返し率68%)
    2010年
    フルセットマッチ 12試合
    内、第1落として第2を取る展開だったもの8試合 (第2セット巻き返し率67%)
    2011年
    フルセットマッチ 17試合
    内、第1落として第2を取る展開だったもの13試合 (第2セット巻き返し率76%)
    2012年
    フルセットマッチ 17試合
    内、第1落として第2を取る展開だったもの9試合 (第2セット巻き返し率53%)
    2013年
    フルセットマッチ 2試合のみ(フェデラー戦とユーズニー戦のみ)
    内、第1落として第2を取る展開だったもの1試合 (第2セット巻き返し率50%)

    以上の結果から、デビュー以来、「逆転傾向」を持っており(7割)、2011年に「逆転体質」がピークに達し(8割)、2012年以降は「逆転体質」では無くなり(5割)、相手選手との力関係のバランスが1試合の間を通じて変わらなくなった、と読み取れるのではないかと思います。

    自分では熟慮した解析結果ですが、直感的にわかりづらかったらすみません。また、他選手についても同様の解析をしてみたかったのですが、力が及びませんでした。

      引用  返信

  • かなぶんさん

    とってもわかりやすく面白い視点からの解析ですね。コツコツ調べられた意味が良く出ていると思います。ありがとうございます。

    他の選手の分は、作業の時間を考えると手を付けられなくなるのは仕方がないことでしょう。

      引用  返信

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)