【鼻血対象試合】テーマは「サバイバル」!2018全米オープン準々決勝 vs. チリッチ プレビュー【長文完成】

試合情報

2018 US Open (Grand Slam)
Quarterfinal
Kei Nishikori[21] vs. Marin Cilic[7]

※鼻血対象試合

現地時間 2018年9月5日(水) 12:00 第1試合開始からの第2試合
日本時間 2018年9月6日(木) 1:00 第1試合開始からの第2試合
@ Arthur Ashe Stadium

※ 日本とNYの時差は13時間 (サマータイム考慮)
※ 第1試合は大坂なおみ vs. ツレンコ

応援フード

自分で作りあげた、この舞台
待ってましたで、向かってね~

micchi

今大会、いろいろ風が来てるなあと思っているのですが、今朝、すごいことが起きました!!

今日のこの対戦の日に「チリチ」は奇跡!
速水もこみちも錦織ファンで鼻血ブログ読者なのでしょうか?(絶対読者じゃない)

作り方(うろ覚え)
オリーブオイル引いて、野菜切って軽く炒めて、トマトペーストとかトマトソースとか入れて、チリパウダーかけて、コリアンダー入れて、鶏肉切って入れて、10分煮込んで、またオリーブオイルかけて(もこみちですからw)、塩コショウとかしたっけな?、で出来上がりです!簡単。分量はわかりません。

「MOCO チリチキン」で検索すると、オーブン焼きとかサラダとか出てきますので、応援フードを兼ねて今晩のおかずにいかがですか?

試合の展望

テーマは「サバイバル」

今年のNYは異常な暑さ。熱中症にかかる選手が続出し、フェデラーも4回戦で暑さにやられ、敗れました。
ジョコビッチも体調を悪くする場面がありました。
ナダルは競る試合が続き、ティームにはファイナル・タイブレの勝利でした。チリッチは3回戦でデミノーに2セットダウンの大ピンチを迎えました。
どの選手も楽に勝ち上がってはおらず、タフさが求められています。単にテニスの調子だけではなくコンディションやメンタルの維持、ショットや戦略の選択から暑さ対策まであらゆる面で準備が必要で、トータルで耐え抜いたものが勝ち残るというまさにサバイバルな状況となっています。

錦織は3回戦までナイトセッションあるいは夕方に試合が組まれ、試合時間も短く比較的スムーズに勝ち上がってきましたが、4回戦ではストレート勝利ながらも最後は熱中症のような症状となり、危ない場面がありました。3回戦でも暑さからか足に痙攣が来ていました。

これまではうまく対処し、しっかりと「タフに」戦ってきていますが(チャンとの今大会の合言葉は “Stay tough” だそうです)、今日の試合は4回戦に引き続き暑い時間帯。また4回戦までより厳しいチリッチとの対戦となれば、さらに暑さ対策を施した上でもう一段上のテニスが必要になります。

特に暑さ対策は万全にしてほしいのですが、今大会の錦織のウェアの色である紫と緑は太陽光線を反射せず吸収してしまいますので、暑いはずです(禮部長より同様のtweetあり)。
ユニクロウェアがいくら高機能でも色の違いによる光の吸収はどうしようもないですし、湿度が高い環境では汗が乾くときの気化熱による冷却効果が期待できません。
帽子をかぶったり、襟を立てたりと錦織なりに対策を行っていますが、さらに大会側が氷タオルを使用してコートチェンジの際に体を冷やすなどの万全な対策を取ってほしいです。

4回戦の錦織の試合は11時からの第1試合で、日陰がなく厳しいコンディションでしたが、第2試合の大坂の試合のときにはコート上は日陰になっていました。
今日は大坂→錦織の順で試合なのすが、女子は3セットマッチで男子より早く終わりますし、ルイアームストロングからアーサーアッシュにスタジアムが変わると日陰がどうなるか分かりませんのでどうなるか分かりません。(禮部長、どうなるんでしたっけ)

アーサーアッシュスタジアムは、フェデラーのコメントによると「空気がまったく動いていない感じ」で非常に息苦しく、湿度が高いとのことです。チリッチも厳しいですがその前に暑さの方が厳しいような気がします。うまく対処してほしいです。

過去の対戦分析

チリッチとの対戦はすでに15回目。10回以上対戦しているのはフェレール、ジョコビッチくらいでしょうか。言うまでもなく2014全米決勝の対戦相手ですが、その他にも印象深い対戦が多く、成績も8勝6敗と拮抗しており、おそらく本人としてもライバルとして大きく意識している選手の一人です。

対戦成績を分析してみましょう。

  • トータルでは8勝6敗と拮抗。
  • 2014決勝を含め、全米で既に4回目の対戦(1勝2敗)。
  • ラウンド別成績:F 0-2、SF 1-0、QF 5-0、それ以下 2-3。他にFinalsで0-1
  • サーフェス別成績:屋外ハード 5-3、屋内ハード 1-2、クレー 2-0、芝 0-1(故障による棄権)
  • グレード別成績:GS 1-3、Finals 0-1。Masters1000 1-1、ATP500 4-1。ATP250 2-0
  • 錦織が勝つときはフルセットが多い(8勝中6勝)。チリッチが勝つときはストレートが多い(6勝中4勝)

勝ち越してはいるものの、チリッチに怖いイメージがあるのは決勝で0勝2敗であることとその内容(スーパーチリッチ)、グレードの高い大会での敗戦が多いこと、勝つときでも接戦が多いことが要因でしょう。
実際、チリッチは強いです。大きな体、パワフルなサーブとストローク、精度の高いプレースメント、真面目に粘り強くプレーする姿勢、などなど。
しかし器用なタイプではなく、意外性のあるプレーはあまりありません。どの試合を見ても「チリッチの試合だな」という感じです。
これは強み(安定性、やることが決まっている)でもあり弱み(単調、武器が通用しないときオプションが少ない)でもあります。

錦織と試合するとき、チリッチのパワーが勝れば一方的にチリッチが勝ちます。
逆に錦織がチリッチのプレーを読み、返球率を高めると錦織が勝ちます。
そういう傾向が過去にはありました。

一方的な展開さえ避けることができれば錦織にチャンスがあると思います。

過去の対戦で印象深いのは2010年全米2回戦です。
この年は錦織が肘の故障から復帰した年で、テニスもなかなか戻らず苦しんでいました。
この試合も今年と同じく酷暑の試合で、気温35度の中5時間半にわたって試合が行われましたが、チリッチの猛攻を錦織が驚異的な粘りでしのぎました。スタミナ面でも上回っての勝利でした。この年のベストの試合だったと思っています。

これは「長い試合なら錦織」と思う根拠の1つですが、チリッチが今大会3回戦でデミノーに2セットダウンから逆転勝ちしたことで評価が少し変わりました
。デミノーのプレーは素晴らしく、ことごとく強打を深く返球されたチリッチがじり貧となる、彼の負けパターンの試合かと思われましたが、そこからジワジワ盛り返して逆転。これは、「今大会のチリッチは違うぞ」と思わせるに十分な勝利でした。「接戦なら錦織」とは必ずしも言えなくなってきました。

そこで「サバイバル」です。今日のナダル/ティーム戦、ファイナル・タイブレ5-5でナダルはスマッシュを入れ、ティームは次のポイントでスマッシュをミスして勝負が決しました。ティームは素晴らしい戦いをしました。あの状況でのミスを批判することはできません。しかしギリギリの勝負はこういう小さな差で決してしまうことを見せられました。様々な分析をしてきましたが、有利・不利で試合をするのではない。ということを肝に銘じたいと思います。最後の1ポイントまで戦い続ける方が勝ちます。

チリッチの傾向と対策

有利・不利で試合をするわけではありませんが、分析も大事ですw(手のひら返し)
ということで私の思うチリッチのプレーの傾向とその対策を紹介します。

1stサーブは錦織のフォア側に打ってくることが多い。過去のデータからも明らかなのですが、それでも打ってくる。
前回対戦時も、バレているのにとにかくフォア側に打ってきました。7割くらいは打ってきたと思います。
好きなコースの上に、錦織のフォア狙いという意図があります。
しかし7割も打ってきたらさすがに対処でき、得点率はバック側より少し低くなってしまうという皮肉な結果に。
今回もある程度フォア狙いを予測したい。

2ndサーブは跳ねます。錦織は跳ねるサーブにしばしば苦労します。場合によっては1stサーブが入ってきてくれた方が嬉しいことすらあります。
錦織は、2ndサーブに対するリターンミスが多いように思います。2ndサーブであってもアタックすれば少々のミスは出ます。
ポイントを取る代償としては致し方ない部分がありますが、ブレイクポイントでのミスは極力、避けたい。
また下がってリターンすることもありますが、調子が悪い時はこれをミスする。これを絶対にやってはいけないことは、錦織の2ndサーブのとき相手がミスしてくれると、ものすごくラッキーに感じることからも分かります。コールシュライバー戦では2ndサーブのリターンで最後、突き放しましたからね。2ndサーブのリターンはとても重要なポイントです。

ストロークはフラットで速く、フォアもバックも強力ですが、フォアの方がウィナーが取れます。
長身ビッグサーバーの必須能力として、サーブをドカンと入れた後の浮いたリターンを確実に決める力が挙げられますが、チリッチはラオニッチ、デルポトロ、イズナーらと同様にこの3球目攻撃を得意としています。
基本的にフォアハンドで攻撃してきますが、逆クロスだけでなく回り込んでのストレートも厳しいです。錦織は1球でも多くこれを返したい。

「一球でも多く返す」

これがパワー系選手への最善の対処法です。

チリッチは高い打点からの強打と得意とするので、錦織はスライスを混ぜたい。特にサイドスピンのかかったストレートのスライスを使ってほしい。
チリッチは基本通りクロスに持ち上げてくると思います。これがジョコビッチであれば、「意外なストレート」があります。決めるでもなし、繋ぐでもなしの絶妙な速度とプレースメントのいやらしいストレートが。チリッチにはそういうのはありません。教科書通りに、丁寧にクロスに打ってくるでしょう。
そこを狙ってフォアのストレートへ打ちたい。内側に入ってはだめです。いや、内側に入ってしまうことが多い錦織ですが、狙いつつもそういうのを気にして狙いすぎてもだめです。このパターンに持ち込んだ時点で、形勢を五分以上に戻すことができているはずなので、焦ることはありません。

私が錦織の今大会の戦い方を見て良いと思うのは、攻め球をうまく返されたときにムキになって打たないことです。
悪い時は連続で厳しいところを狙ってミスしますが、今大会は落ち着いています。
2017全仏マレー戦に代表されるように、それが出来ている間はゲームを支配できますが、出来なくなると流れを悪くして苦しくなってしまいます。トップ選手に対する負けパターンの1つなので、今日の試合はここに注意してほしい。大丈夫、今まで通りやればいいだけです。

一本調子のラリーには滅法強いチリッチに対しては、スライスとともにドロップやネットプレーで揺さぶりをかけることは有効です。
しかしドロップは調子良くなさそうですよね。意表を突くこと、ギリギリまで隠すことを重視しすぎているような気がします。ドロップにも繰り出す適切なタイミングというものがあります。相手が下がっているとき、バウンドが低い時など。オープンコートがしっかりできていれば、少々読まれても大丈夫です。また、ウィナー狙いというよりは前におびき出してロブやパスを打つ前提で打った方がリラックスできそうです。ドロップの復活、お願いします!

長文になりましたがそれだけ楽しみということです。
勝って鼻血を出しましょう。

対戦相手情報

プロフィール

Marin Cilic (CRO) マリン・チリッチ(クロアチア)

  • ランキング7位(最高3位)
  • 29歳、198cm、89kg
  • 今年の勝敗(ATP250本戦以上):37勝12敗 (錦織は27勝13敗+チャレンジャー5勝1敗)
  • 直近GS4大会の成績:18WB 2R、18全仏 QF、18全豪 F、17全米 3R

過去の対戦成績

8勝6敗
○ 2018 Monte Carlo (Clay) QF Kei Nishikori 64 67(1) 63
● 2016 ATP Finals (Indoor) RR Marin Cilic 36 62 63
● 2016 Basel (Indoor) F Marin Cilic 61 76(5)
● 2016 Wimbledon (Grass) R16 Marinc Cilic 61 51 ret.
○ 2015 Tokyo (Hard) QF Kei Nishikori 36 75 63
○ 2015 Washington (Hard) SF Kei Nishikokri 36 61 64
● 2014 US Open (Hard) F Marin Cilic 63 63 63
○ 2014 Barcelona (Clay) QF Kei Nishikori 61 63
○ 2014 Brisbane (Hard) QF Kei Nishikori 64 57 62
○ 2013 Memphis (Indoor) QF Kei Nishikori 64 62
● 2012 US Open (Hard) R32 Marin Cilic 63 64 67(3) 63
○ 2011 Chennai (Hard) R32 Kei Nshikori 46 76 62
○ 2010 US Open (Hard) R64 Kei Nishikori 57 76(6) 36 76(3) 61
● 2008 Indian Wells (Hard) R128 Marin Cilic 62 64

放送予定

TV

  • WOWOWライブ 9月6日(木) 0:00〜 (ナイトセッションの放送 7:55〜)

ネット

  • WOWOWオンデマンド

186 件のコメント

  • あ、圭、薬飲んでますね。
    なんの薬なのか?ヴァイタミンCのようなサプリメントの可能性もありますが…
    熱中症予防のような。

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  • 1stサーブ 1つ返した!
    1stサーブ 、今度は錦織選手!がんば!!

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  • ミラクルレシーブの圭🎾💪
    ナイスキープ💕

    だんちょ、実況は?

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  • このファーストサーブの確率でよくゲーム取れるといつも感心する。

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  • どうでしょう?まだ緊張感がある?
    まずは1stサーブ 、頼む🙏

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  • 画面の左側から日陰が来ているようですね。

    錦織君、まだ調子出ないなあ。ブレークされるべくしてされたゲーム。
    ファースト来ない、ミスが出る、チリッチウィナー。

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  • んー、チリッチ良いな。
    でも、いつかチャンス来るはず💪😎

    お、今日はビニール袋氷の準備良し👍

      引用  返信

  • ほらほら1stサーブ 入れれば余裕出てくる!
    チリッチ選手、ミスも出てるよ!

      引用  返信

  • 日陰も出てきた!
    サクサクキープ!
    次、リターン読んで行こう!
    今までとはグッと違いを感じるチリッチの超攻撃ぱパターンを読もう!

    GO!けーーーーい👊

      引用  返信

  • よし、よし。じっくりね。しがみついて、ブレイクしよう💪

    ここで、初エース❗️
    じっくりね!

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  • なんかまだまだいける感じはあるのになあ。
    動きが硬いのは緊張感?
    攻めてく姿勢見せてくれえええ!!!!
    2ndサーブリターンできる、できる、できる!!!!!
    1stサーブ 頼む🙏🙏🙏

      引用  返信

  • ナイスキープ!
    会場の「がんばれ~」の声が心強い。
    半分日陰になってきましたね。
    チャンスは必ずくる~~♪
    がんばれ~!

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  • 第1セット、取られました。

    仕方ない。割り切って次に行くしかない!

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  • うう、あっさり第1セット取られた。でもまだまだ、これから挽回できるぞ❗頑張れ❗

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  • わあああ!
    こりゃあ仕方ない(^◇^;)
    入り方がまずかったかな……。
    なんかやってくる!という雰囲気が出てないからチリッチ選手の力も抜けてる。
    どうした!錦織選手!
    サーブの後の動きが遅いぞ!!!喝!
    切り替えろ!!!!

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  • 打開策をどうするか。ともかくリターンで球に触る、深く返す!

      引用  返信

  • 日陰、増えたぞー!
    チャンスは必ず来る💪🍙

    そう、そう。どんな球でも泥くさく粘れ‼️

    がっかりした顔しないで‼️

      引用  返信

  • もう、頑張れー❗としか。
    とにかくサーブ入れて❗キープ❗

      引用  返信

  • チリッチ調子いい
    一本でも多く返す👊

    調子上がってきた!がんばれ!!

      引用  返信

  • ナイスDTL✨✨✨

    からのナイスサーブ🎾💪

    からのナイスドロップ👍

      引用  返信

  • よーーーーーし!!
    1つのナイスショットで元気になるもんだよ!
    はい!!
    リターーン!見極めて!!!

      引用  返信

  • 5セットマッチだから勝負はこれから!
    ファースト入れよう!

      引用  返信

  • ちょっと調子出てきた?
    と思ったら、チリッチのサーブが・・・
    うぐぐぐぐ・・・
    がんばれ~! ねばれ~ねばねば!

      引用  返信

  • 1ポイントずつ、1ゲームずつ返していけば、必ずチャンスは来る❗気張れ❗

      引用  返信

  • サーブ、どうにか触れないかなあ(^◇^;)
    でも、我慢してキープしてればチャンスもくるように思う。
    そしたらまた、元気も出てくる。
    それまで我慢我慢。
    1stサーブ 🙏🙏🙏

      引用  返信

  • チリッチ、顔が辛そうよ。
    必ず、かならず、チャンスは来るよ💪😤
    コート、日陰になったぞ‼️

    ファースト入れて🙏

      引用  返信

  • チリッチ選手スキがない。
    けど必ずチャンスは来る。今は我慢。ガンバレ―!!!!!

      引用  返信

  • ぐはは。そうだ、そうだ!頑張れ‼️

    少しずつ、少しずつ📣

      引用  返信

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。