テニスの物理(2) その難しさ

4月27日に「テニスの物理」という記事を書きました。

私は理系の人間なので、物理と数学の知識を生かして、「物理現象としてのテニス」という側面からいろいろと研究できるのではないか、と考えたのです。

その後、思考実験や計算などを通じて、いくつか面白い結果が得られたことは得られたのですが、同時に限界を感じました。

まず、テニスにおける物理現象というものは意外と複雑であるということ。

単純にボールの軌道を求めるだけでしたら、打点の座標と飛んでいくボールのベクトルを考慮すれば基本的には可能です。

実際にはそれに加え、無視できない要素として空気抵抗とスピンによる軌道の変化がありますが、いずれにせよ支配する物理法則はそれほど難しいものではありません。

しかしながら、いざラケットとボールのインパクトの問題を扱おうとしたとき、条件は一気に複雑になります。

  • ラケットは重い方がいいのか?軽い方がいいのか?
  • ストリングは細い方が良いのか?太い方がいいのか?
  • トップライトがいいのか?トップへビーがいいのか?
  • ラケットのどこにボールを当てればいいのか?
  • スピンをかけるとどういうメリットがあるのか?
  • コートサーフェスが変わるとどうバウンドが変わるのか?
最終的にはこういった疑問に明確に答えられるような理論なりデータを揃えたいと考えていたのですが、勉強すればするほど意外と難しいということが分かってきました。
同時に「計算すればなんとかなるでしょ」と思っていた自分が、自分の能力を過信していたことがわかりました。正直、わからないことだらけです。
これは人様に教えれるレベルのものではないな、と分かってすこしがっかりしています。
また式ができたとして、それに代入する値がわからないというのも致命的です。
例えばボールが飛んでいるときの空気抵抗がどのくらいか、手持ちデータがありません。
これでは単純な軌道計算もできません。
そこでネットで検索したり本を買ったりしていますが、素晴らしい本を見つけました。
今年の4月に出た「テニスの法則」という本なのですが、私の知りたかったことの半分くらい載っています。
まさにこの「テニスの物理」シリーズそのものと言えるテーマがたくさん。いずれ詳しく紹介したいと思います。
この本によって多くの知識を得ることができたのですが、一部説明が不十分なところがあったり、途中のほしいデータがなかったりしているので、苦悩はまだ続きそうではありますが。

3 件のコメント

  • kdmytkさん、情報ありがとうございます。
    2冊目は「テニスの法則」の続編でしょうかね。
    「テニスの法則」の原題はTennis Science for Tennis Playersで同じ著者でした。
    邦訳してくれればいいんですが、すぐには無理そうなので取り寄せましょうかね。

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  • >4月に出た「テニスの法則」という本
    コメントで原題を知ったので調べたら原著は20年前の本なんですね...
    Publisher: University of Pennsylvania Press (March 1, 1987)
    http://www.amazon.com/dp/081221238X/

    >2冊目は「テニスの法則」の続編でしょうかね。
    こっちは全米ストリンガー協会のヤツですね
    Publisher: USRSA (April 1, 2004)
    Amazon.com: The Physics and Technology of Tennis: Howard Brody, Rod Cross, Crawford Lindsey: Books http://www.amazon.com/dp/0972275908/

    こちらも参照
    The Physics and Technology of Tennis Learning Center http://www.usrsa.com/store/learningcenter/learningcenter.html

      引用  返信

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。