錦織圭、元3位の正確なストロークの前に敗退(2011シンシナティ1回戦)

シンシナティ(マスターズ1000)1回戦、元世界3位のナルバンディアンと対戦した錦織圭でしたが、強力なリターンと精度の高いストロークの前に主導権を握れず敗退となりました。

2011 Cincinnati Masters 1000
1st Round
David Nalbandian def. Kei Nishikori, 6-4,6-4

スマッシュ編集部のブログによると、「ストロークも強い選手なので、簡単に崩せないというのは分かっていましたが……それ以前に、今日は僕がダメすぎでした」とのことですが、私にはそこまで悪かったようには思えませんでした。

ランキングを66位に落とし、最近も2連敗中と元気のないナルバンディアンでしたが、ミスを出しつつもショットのクオリティはやはり高かったと思います。特に、バックハンドの高い打点からのリターンはまさに「お手本」。ステップインしてクリーンヒットし、錦織に十分な態勢を取らせませんでした。

ラリーではスーパーショットこそ終盤に2,3本あったのみでしたが、じわじわと追い込んでいくような深いショットを連発し、気の抜いた球を送ってくれませんでした。

1stセット終盤、2ndセット序盤に錦織にミスが出たことが直接の敗因となったわけですが、錦織も「崩れた」というほどではなかったように思います。凡ミス半分、差し込まれてのミス半分といった感じでした。

とにかく印象的だったのはナルバンディアンのリターン。スマッシュミスやダブルフォルト連発など、調子はまだまだだと思いますが元世界No.3の実力を見せつけた格好になりました。

ミスが多かったなりに、錦織がそれほど悪くなかったと感じた理由は、サービスゲームの挽回の仕方です。1stサーブは少しずつ安定感と威力を増してきていますし、ピンチのときのサーブの集中力、確率が上がってきているように思います。

サービスゲームの挽回の仕方はよかったと思います。

ただ、いくら頑張ってていても何回もピンチを迎えては確率的にいつか落としてしまうので、なるべくピンチを迎えないようにするスコアメイクが課題だと思います。ポンポンと簡単なミスを重ねて0-30になったり、あるいはその次のポイントで1stサーブが入らなかったりすると苦しくなります。

あとは、セカンドサーブの強化でしょうか。スピンサーブは確率高く入りますが、浅いと高い打点から打ちこまれてしまいます。スピンサーブでバックに配球するなら、深さか角度のどちらかがもっと必要でしょう。ときにはスライス系でフォアに送るのも有効で、錦織はしばしばそれをやるのですが、今日は見られませんでしたね。

中堅どころの選手に対する勝率は高値安定なので、ネームバリューのある選手、上位選手にこれからどれだけ勝っていけるかがランキングをあげるカギとなるでしょう。

ポイント推移

Set1
G1圭○○○○ 1-0 サーブとストロークエースでいいスタート
G2鳴○○××○××× 1-1 BP握るもエース来た
G3圭○××○○×○×○×○×○○ 2-1 フォアのクロスが効いている
G4鳴○×××× 2-2 ストロークミス出た
G5圭○○×××○○×○○ 3-2 バックリターンで攻められるがサーブでしのぐ
G6鳴×××○○× 3-3 ナルのサーブとストロークが良い
G7圭××○×○× 3-4 ストロークミス
G8鳴○×○○○ 4-4 ナルにDFとストロークミス
G9圭○××○○××× 4-5 バックにミスが出た
G10鳴○○×××× 4-6 0-30のチャンスにロブ抜かれた

Set2
G1圭×○××× 0-1 雑な感じのミスが出てしまった
G2鳴××○×○× 0-2 ナルのサーブ良い
G3圭×××○○○○○ 1-2 ずるずる行きそうなところ強気で挽回
G4鳴×○××× 1-3 ナルのストローク鋭くなった
G5圭○×××○○○○ 2-3 ピンチを強気でしのいだ
G6鳴○××○○××× 2-4 BPでドロップ甘かったのが悔やまれる
G7圭○○×○×○ 3-4 最後ストロークエースでくらいつく
G8鳴×××○× 3-5 ナルに余裕が感じられる
G9圭○○×××○○×○○ 4-5 MPしのいだ
G10鳴××○×× 4-6 最後も主導権握れず

15 件のコメント

  • 誰も圭のことを知らず、おもいっきりぶつかって行けば良かった2年前と違って、今は、試合をやる前から警戒される存在になったんだと思います。
    ナルも、出だしは非常に緊張していたように見えました。
    そんな圭を誇りに思うし、とても嬉しいけど、同時に、この状況をどうやって乗り越えて行けば良いのだろう…とちょっと不安にもなります。

    50位以内に安定してランクインする、ましてやそれ以上を目指す。
    この先に続く道は、長く険しいものになる…。現実味を帯びて初めて見えてきた高い壁。
    どんどん上位陣相手の試合を経験して、ひとつひとつ、弱点を克服して行って欲しいです!!

    なんとなく負けちゃう、勝てそうなのに上手く相手にやられちゃう、一番圭の苦手なパターンを早く勝ちきれるようになってください!!(‘-^*)ok
    心から、そしていつも応援していますよー!!(≧∀≦)
    長文、失礼しましたm(_ _)m

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  • 僕もこのナル戦における錦織のプレイにそれほど悲観はしませんでした。最後まで惜しいオーバーアウトやサイドアウト、ネットミスがまんべんなく見られましたが、あれが半分でも入っていればスコアは逆だったかも知れません。そういう意味で「今日はあれが全部アウトかよ〜」とイラだっていたのも理解出来ます。本人が「自分が悪過ぎた」と悔やむのは、「いつものように入っていれば勝てたのに」という自信の裏返し。ああいうミスを試合中にうまく修正して行けるようになる事が「試合感が戻る」という状態なんでしょうね。全てランキング二桁の選手達を相手に復帰後3試合やれたんですから、まずは上々の滑り出しだと思います。これで来週発表の自身のランキングもまた40位台に戻して来るでしょう。今週土曜からのWinston-Salem250予選でさらに試合に慣れて欲しい! 全ては再来週からの全米に向けて!

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  • う~ん、どうでしょう。昨日のナルは狙い目だったと思います。せめてフルセットまで言って欲しかった。

    ライストで観戦したのですが、カクカク状態が落ち着いたのが2セット目からでしたので、多少辛口かもしれません。
    ストローク戦で組み立ててエースをとる場面が少なく、進化した(?)ファーストサーブとナルのミスに助けられてポイントが取れていたという印象です。どのショットも半歩近すぎるか遠いか、ベストの体制で打てていない感じがしたので、特にフットワークに注目して見てましたが、細かいステップによる調整が少ないような気がしました。

    予選で二試合こなしたとはいえ、デ杯後の休養が影響しているのかもしれませんね。次に期待です!

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  • だんちょとひろQさんとスマッシュの記事を読んでなるほど、と思いました。昨日は、うーってかんじでしたが、こうして経験知をふやし、悔しい気持ちをばねに強くなっていくだろうと期待しています。試合後の二人の表情好きだな、負けても相手の目をしっかり見てという論議もあったけど私としてはこういう自然な表情が好きです、二人とも下むいてるけど戦いの熾烈さと今の心中がにじみ出ていて好きだな自然体で。
    次も予選から全米にピークがくるように上手く調整してほしいと思います。

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  • 乗り遅れましたが、久しぶりに団長さんの記事嬉しいです。

    コメント差し上げませんでしたが、ひろQさんの記事も大変楽しかったです! こちらは、ケイメヒコさんなど複数の方の記事が読めるのも魅力だと思います。どうぞ、負担にならない程度に続けて下さいませ m(_ _)m

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  • いろんな視点があっておもしろいです。
    今回の錦織の目的は試合数をこなすことだったと思いますので、
    3試合できたことがよかったとおもいます。全米に標準を合わせているんですから、準備は着々。

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  • おっしゃるとおり、ナルバンディアンのバックハンドは凄かったですねー!
    高い打点から、スマッシュボールのような速くて深くて滑るフラットボールが入ってきて、ときどき錦織選手のラケットがはじかれてました。
    そうとう重いんでしょうね。。。
    私も、試合を見ていて、1stセットの終わりから、2ndセットの初めにかけて、錦織選手がフォアの感覚を亡くして、フォアがメルトダウンしてしまっているのを感じました。あの辺りが、怪我による練習不足から来る魔の時間だったのではないでしょうか。。。そこで試合の行方が決まってしまった気がします。
    その後、持ち直したのはさすがで、きっと次の試合に生きていくと思うのですが、さすがナルバンディアン、調子が悪いなりにも要所をしめて、流れを渡さず、押し切ってしまいましたね。
    これが5セットだったら、また結果も変わってきたかも知れないと僕は思いました。
    来週も試合で調整できるので、きっと全米オープンでは大暴れしてくれるのではないでしょうか?!
    期待しちゃいます!!

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  • 記事、ありがとうございます。

    ライスト情報を読み、結局夜中に起きれたのでスマホ画面のちっちゃい中継で観戦しました。
    (鍋島さんごめんなさい。。。)

    私が感じたのは、錦織のサーブもストロークもよくなかった。

    ナルもサーブよくなかったよね。

    記事にあるようにリターンがよかったのかな。
    だから錦織が神経質になってサーブも入らなくなったのかな?
    セカンドも球が短くなっていたし。

    私もナルが調子良いようには全然思えなかった。
    錦織が2セット目メンタルが崩れたように思いました。

    大きい画面でしっかり見てみないとよくわかりませんし、
    錦織の調子ばかり注意してナルの状態をしっかり見ていたかといえばそうでないし。

    それでも、スコア的にも6-4、6-4。
    勝てない状態の相手ではなかっただけに悔やまれます。

    マレーとの対戦も見たかった!!

    次回、期待♪

    がんばれ、にしこり!!

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  • 公式きてましたね。

    〉肩に異常がくるかなと思ってましたがそれもなかった

    試合中、右腕を振っていたので心配でしたが肩は大丈夫そう。(腹筋は

    ボールのコントロールの感覚を失ってしまったらしいですが、これは実戦を積み、感覚・自信を取り戻していくしかないですね。
    USオープンに向け、頑張れ圭くん

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  • 皆さんのコメントや公式ブログの発言を読んでちょっと安心しました。

    途中感覚がなくなっても、0-40、15-40から巻き返していたのはさすがだと思いました。

    ただ、ナルバディアンがとても本調子とは思えなかっただけに
    もったいなかったなーという気持ちはあります。
    マスターズ1回戦にしてはおいしいところだったはず・・・

    次回に期待します!!

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  • うーん、私としてはチャンスを逸して残念な思いのほうが強いです。
    ナルは時折鋭いショットを見せるものの本調子には程遠く、圭君の調子が普通であれば勝つ可能性はかなりあったと思います。
    なかなか、うまくいきませんね・・・。
    これからさらにランキングを上げていくには、波をもっと小さくしていく必要がありますね。
    辛口のコメントになってしまいましたが、期待の裏返しですので、お許しを。

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  • 今回は、結果が出せず残念でしたが
    やはり、予選と本戦ではレベルが違うんだなと
    思いました。どちらも調子がいまいちというイメージ
    でしたが、圭君のイージーミスも気になりました。
    本来であれば決めてるはずなのに~;;というポイントが
    ちらほら。。
    来週は、しっかり調整をして勝ち進んで
    あせらず、慌てずステップアップを期待しますw

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  •  さて、そろそろ来週のWinston-Salem(以下W.S.)に頭を切り
    替えていこうと思っています。

     W.S.は全米の前週のツアーであるため、ドロー数が48と多いの
    にも拘らず、8/20(土)~8/27(土)の8日間で全てを終わらせなけ
    ればなりません。しかもW.S.の予選は3つ勝ち抜かなければなら
    ないため、仮に圭が優勝するためには8日間で9試合を戦わなけ
    ればならないことになります。(具体的には8/20に2試合)

     圭本人は予選参戦を明言していますが、本戦WCをもらえれば
    16本シードも付きそうですし、それにこしたことはないと思い
    ます。まだ、僅かながらラストWC獲得の可能性は残されていると
    思いますので、そういう意味でも最終発表に注目していくつもり
    です。

     なお、今週がエントリー週だったクアラルンプール(9/26~)へのDAが
    決まりました。8/15付のRKで圭は現在12番手です。
     W.S.や全米の戦績如何によってはシード獲得を狙えるポジション
    だといえると思います。

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  • nana4_chickさん、どうもありがとうございます!

    団長には「まだまだ万全ではないのでローテーションの谷間は埋めてくれ」と言われてます。

    コリコリさんも言及されてるように、もうWinston-Salemに向けての記事は準備中ですのでお楽しみに!

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  • Wiston-Salemって48ドローで圭君ならDAできたはずなのにAlternateに名前がないのはentryに期日にまにあわなかったせいですか。この大会で予選からにこだわるのはなぜでしょう。WCってほしいって言ったら黙っているよりもらえる可能性高いってことはないですか。

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。