【祝!初のMS決勝進出&シングルランカー】2014マドリッド準々決勝レビュー&準決勝プレビュー

前の記事で書けませんでしたので、準々決勝のレビューと準決勝のプレビューを書きます。

準々決勝レビュー

ロペスとは2勝2敗の対戦成績でした。2敗のうち最初の1敗はまだ錦織が経験不足の時代、次の1敗はロペスが錦織のテニスをよく研究し、ラリーの早い段階でのフォア回り込み逆クロス勝負がよく決まっての、ロペスにしては「してやったり」の勝利でした。

しかし通常の調子同士の対戦であれば錦織の方が実力が上と断言できます。それを裏付けるように勝った2試合は完勝でした。

あの左利きからのビッグサーブは脅威ではありますが、裏を返せばリターンゲームが弱い。キャリアを通じてのリターンゲーム獲得率は、ATP Match Factsのリストに乗っている239人中、235位です。ちなみに最下位はあのカルロビッチで、この2人がサービスキープ中心のプレイスタイルをしていることがわかります(ちなみにサービスゲーム獲得率はロペス28位、カルロビッチ1位。カルロビッチは最高のサービスゲームに最低のリターンゲームと極めて極端なプレースタイルをしていることが伺えます)。

これはロペスに対するダメ出しでもなんでもなくプレイスタイルの問題です。あのサーブがあってリターンゲームも強かったら、あっという間にトップ5でしょうw それができないから20位台の選手とも言えるし、あの凄いサーブがあるから20位台に入ることができてるとも言えるのです。

で、ロペスの作戦はいつもの通り、サービスでグイグイ押してキープ絶対。リターンゲームはスライスを上手く使いつつ粘ってミスを誘う。そしてチャンスを得たら一発のショットに掛ける。前の対戦のときも書きましたが、ロペスと私はプレースタイルが比較的似ており(レベルは全然違いますが)、気持ちがよく分かるのですwwww これしかないんです。

これしかないと言っても、これは対戦相手から見たら結構、いやらしいプレースタイルです。対戦相手は自分のサービスゲームで大きなプレッシャーと戦わなければならないでしょう。錦織もそのことをよく分かっており、リターンゲームでは必死に食らいつきながらも、気持ちはサービスゲームで堅実にプレーすることを心がけていたと思います。

ポイントはロペスのセカンドサーブでした。

1stサーブこそ高い得点率でしたが、セカンドになると錦織が主導権をほぼ握っており、お互いに自分のサービスゲームで受けるプレッシャーとどう戦っていくかが重要となりました。

そうなると錦織の方が一枚上手で、特にセカンドセット4-4からのブレイクは微妙なメンタルゲームに勝利した(ちょっと置きに行ったロペスに対し、思い切ることができた錦織)のはさすがでした。

勝ち負けという意味では錦織の勝負強さがいかんなく発揮された試合でしたが、テニスの調子自体はこれまでの試合と比較して、やや落としていたように思います。それは連戦の疲労と、股関節(試合中は腰を治療していましたので、腰かもしれませんが)の故障が影響していたことによるものに間違いありません。

優勝したバルセロナでも股関節は100%の状態でなかったようで、ずっとだましだまし来ていたのでしょう。勝利後インタビューでも、GAORA解説の辻野さんに、ズバリ怪我の具合を聞かれていましたが、「分かりません、明日になってみないと」と正直な感想を述べていました。実際、そうなのでしょう。

ファンとしては試合前のリタイアや途中棄権もある程度予想しつつ、準決勝は見た方が良いかもしれませんが、今のところは欠場するという情報は全く入っていませんし、Facebookでも「Get ready for tomorrow」とオリ・・・いや本人が言っており、出場する意思は十分と見ます。意外と何事もなかったかのように元気な姿を見せてくれるかもしれませんよ。

仮にリタイアするようなことになれば、マイアミ準決勝の前例もありますし、ある程度の風当たりの強さは予想しておいたほうが良いでしょう。ハリーもこれまでの連勝を無視して喝を入れてくれることでしょうがw ファンはそんなの気にしちゃいけません。

これまでの素晴らしいwinning streakは消えませんし、賞賛されるべきものです。それに体の痛みは、勝ったことの代償でもあります。勝ち続けているからこそ、体が痛くなるんです。サクっと1回戦や2回戦で負けて元気であったところでしょうがないというか、これまでの連勝を考慮に入れずに故障だけを批判することはナンセンスでしょう。

その一方で、マスターズ1000の準決勝まで来て選手が試合しない、あるいはリタイアする、それは観客に取っても世界のテニスファンにとっても大きな失望であるのは間違いありませんので、選手やスタッフは、それらの批判や失望を甘んじて受け止めなければならない部分はあると思います。ファンあってのプロ選手ですし、全員が錦織だけのファンというわけではありません。難しい問題ですが、結局は様々なファクターの間のバランスを取って、最善と思われる判断を下していくしかないでしょう。ファンにできることは、錦織とチームがどういう決断をしようとも、それを受け入れることだと思います。

全仏がクレーシーズンで最も重要な大会であることは疑いようがありませんが、マスターズも極めて重要な大会であり、しかもその準決勝ですから本人もできれば頑張りたいと思っていると思います。きっと、もうすぐ始まる試合に向けて全力で体調を整え、戦う準備をしていることでしょう。頑張れ錦織、頑張らなくていいよ錦織、どっちの意見もあるかと思いますが、私としてはこう言いたい。「頑張れ錦織!」

準決勝プレビュー

フェレールとは3勝3敗の五分の対戦成績でもあり、「今の錦織なら勝てる相手」という論調もありますが、それではフェレールを過小評価していると思います。
フェレールのクレーコートの経験と粘り強いプレイスタイルは、今の覚醒した錦織相手でも十分通用するものです。
というか5位の選手ですからww

錦織も10位(になる)選手だし、もちろん勝って欲しいですが勢いを考慮しても「五分五分の勝負」くらいでしょう。(裏を返せば十分勝つ可能性があるということですがね)

上記は錦織の腰&股関節が万全の場合です。痛みがあって動きが制限されるようでは苦戦を強いられるでしょう。

戦術としては力勝負をしてほしいと思います。基本ショットのスピードと深さで勝負してほしい。少々左右に振られても、本当に振り切った球でないとフェレールのディフェンスは崩れなそうです。
逆に振り切った球でオーバーパワーできれば、それほど極端にコースを狙わなくても「いい球」を貰えると思います。

長文記事を2本書いていたらすっかり遅くなってしまいました。実は私も今日、明日と久しぶり(2010年代に入って個人戦としては初めて??)に試合に出ており、大事な一戦でありながら深夜2時からの試合をライブで見てしまったら、まともな勝負ができそうにありません。不本意ながら録画で早朝に結果と内容を確認させていただきたいと思います。

この記事の次にコメント用の記事を立てておきますので、準決勝の感想はそちらに書き込んでください(最近は記事ラッシュだなこりゃ)。それでは、おやすみなさいzzz

以下、コリコリさんによるいつもの対戦基本情報&micchiさんの応援フードです。
 
 
マドリッド準決勝 vs.ダビド・フェレール 対戦情報

Mutua Madrid Open(ATP1000)
[Surface:Red Clay, Draw Size:S-56]

Semifinal

対戦相手:Ferrer, David (ESP) 5位 32才

  • キャリアハイ3位(08.07.2013)
  • レースRKは現在7位(圭は6位)
  • 今期の優勝は2月のブエノスアイレス(ATP250,Clay)のみ
  • モンテカルロではNadal(1位)他破りベスト4入りするもWawrinka(3位)には1-6,6-7のストレート負け。
  • バルセロナは初戦(2R)でGabashvili(55位)に4-6,2-6負け。
  • 本大会ではRamos(115位)に7-6,5-7,6-3、Isner(10位)には6-4,6-4、Gulbis(20位)には7-6,6-3での勝ち上がり。
  • マイアミ以降の公式戦成績は6勝2敗(圭は9勝0敗)

対戦成績
 3勝(2008全米3R、2012ロンドン五輪3R、2014マイアミ4R:7-6,2-6,7-6)
 3敗(2011東京1R、2013全豪4R、2013マイアミ4R:4-6,2-6)

試合日時
 現地時間:5月10日(土) 19:00開始 [Manolo Santana] (日本時間:5月11日(日) 2:00開始)

天候予報:晴れ

生観戦手段

  • ATPの公式ライブスコア
  • Tennis TVによるライブストリーミング(有料)
  • GAORAによる生中継予定

勝利獲得Pt:240pt(今大会600pt、5/12付2860pt:9位確定)+鼻血賞

Odds:僅かに圭が劣勢。
 bookmaker平均値:Ferrer1.56 vs.圭2.43

応援フード

その1

圭くんの為の応援フード作りました
これから試合の時は、側において応援するぞ~

micchi

food-ferrer7-micchi

その2

フェレールの分です。
鉄に調合金、入れときました!

micchi

food-ferrer7-micchi-2

10 件のコメント

  • 私からも、頑張れ錦織!
    団長さん、華麗なNetdashで決めちゃって〜。

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  • 手負いの状態でのFerrer越えが難しいことは、昨年の全豪で嫌というほど思い知らされました。
    だからこそここで乗り越えてほしい。頑張れ錦織!

      引用  返信

  • Oddsは試合2時間前になってもまだ動いています。
    通常はあまりこういうことはなく、かつ、動き方が圭が優勢になる方向なので、「当日の練習を普通にやってるぞ」みたいな情報が出てきているのではないかと勝手にいい方向に解釈していますw
    Oddsは、試合直前まで小まめに更新していきます。

      引用  返信

  • 鉄に超合金・・・micchiさん面白すぎる。

    私も団長と同じ意見で、無理はして欲しくはないけどできれば頑張って欲しい!
    そして、出るなら勝ってくれ!と言いたいです。
    もちろん、フェレールは強いです。でも、もし、錦織が回復していたら十分に勝つチャンスはあります。
    勝ったらマスターズのファイナルです!フェレールでさえ、ようやく一昨年?のパリで初めて優勝したマスターズです。
    是非チャンスを物にして欲しいです。

    頑張れ!錦織!

      引用  返信

  • クレーでは初対戦ですね。
    強敵で、ケガも気になりますが、戦うからには……頑張れ錦織!!!

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  • そうなんですよね、クレーでは初めての対戦。意外とこれが錦織に有利に働くような気がします。いいえ、根拠は薄いです。フェレールって器用な選手じゃないのでけっこう振り回せるような気がして。
    マイアミではここを頑張りすぎて故障を悪化させたんで、頑張れって言えない。でもクレーだから負担は少ないか・・・

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  • タイブレークの末、第一セット先取!
    確かに、クレーだからどーこーというわけではなさそうかも。

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  • 1セット目は、あまり深追いせず、 クールに挑んで成功しました。
    2セット目は、深追いしてますよ(^^;;
    しかも、このチャンスのスマッシュミス(´・Д・)」その中ですぐさまブレイクバック

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  • 錦織選手 フェイスブックで

    Excited for final tomorrow!!

    って言ってくれてます!!!

      引用  返信

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。