【完成・写真あり】【試合内容で鼻血認定】我慢→ギアアップ→ジョコビッチ化→スーパー錦織誕生

2016madrid-qf-1
(準々決勝、入場前のコート 読者様より写真提供)

2016 Madrid (Masters 1000)
Quarterfinal
Kei Nishikori[6] def. Nick Kyrgios, 6-7(6),7-6(1),6-3

いやなんかもう・・・すごいものを見ましたよ・・・
鼻血がツーーー・・・と出ております。
ブワッ!じゃなくてツーーーー・・・・

キリオスも凄かったんですよ・・・相手が錦織でさえなかったら・・・
彼のベストのテニスからさらに1段上げてきたし、メンタルも安定しまくっていたし、あのすごいサーブが2ndセットまで77%の確率で入ってきちゃあ、お手上げです。
あのままキリオスが勝っていたら、

「BIG4を追いかける次世代のスター誕生!」

「次のNo.1はキリオスで決まり!」

といった見出しが並んでいたはずです・・・

でも錦織が勝っちまった・・・。
錦織もキリオスも進化したが、錦織が上回った。

今年のベストマッチですね。

とにかく1つでもブレイクされたら即、試合終了に等しいビハインドとなる中、最後まで全部キープしてしまいました。
サーブ、リターン、ストローク全てが良かった。
ディフェンスも攻撃も良かった。
メンタルも戦術もフィジカルも良かった。

負けたキリオスともども、BIG4レベルの試合内容だったと思います。
あとは、BIG4に対して同じような試合をするだけ!
それができれば、少なくとも全敗なんてことには絶対なりません!
今のところ、去年と獲得ポイントはそんなに違いませんが、試合内容は大きな差があります。
勝ち方にも大きな差が。自身最高のテニスをしてくる相手にも高い確率で競り勝ち、下位ラウンドでは楽勝も多い。
あとはBIG4との対戦成績だけです。

いつも言ってるように一歩一歩、地固めです。
鼻血ブログ的今年の目標、「GS、MSベスト4常連の道」、今大会は開通しました!!!

もうちょっと具体的な分析

リターン

リターンの返球率が高かった。
1stセット、キリオスはしつこくしつこくデュースサイドからワイドサーブを使ってきました。それを錦織はことごとく返球。ただ返すだけでなく、フラットでクロスに鋭く。6、7回くらいは連続で返しました。
それでもブレイクできなかったことで1stセットを落としてしまうのですが、この高いリターン返球率が後々、キリオスにプレッシャーとなってのしかかると予想しました。

2ndセットはリターンで崩せるかと思いきやさらにキリオスのサーブがパワーアップして返球率が下がりました。しかし錦織のまずいプレーで下がっているわけでないので問題なし。

キリオスは大胆にコースを変えてきました。ワイド中心からセンター中心へ。センターに3連続でサーブを叩き込まれたときには、「さすがにそろそろセンターを読んだ方が」と思いましたが、相手がそう思ったところに次のゲームではまたワイドへ。
このようにキリオスのコース選択が大変クレバーだったことも、リターンゲームで苦戦した要因。

ファイナルはついにキリオスの1stサーブの確率が下がり(50%)、錦織がリターンポジションを調整したりもして、再び上手く返球できるように。ラリーに持ち込んでポイントする場面が増えました。終始、リターンは返球率が高く効果的でした。

サーブ

サーブも良かった。確率がセットごとに72%→71%→68%。打点が高く、見ていて「いかにも入りそう」なフォームでした。ピンチを迎えても2ndサーブになる場面自体が少なかったので、上手く切り抜けることが出来ました。
今日の錦織のサーブの打点の高さは、速見もこみちがオリーブオイルをふんだんに食材にかけるときの打点の高さといい勝負でした。

バックダウンザライン

今日、最も効果的で、最も救われたショット。
ガスケ戦でも積極的に使っていたが、今日はとにかく面白いように決まりました。
数えたら、なんとこのショットだけでウィナーが15本・・・!
内側に入ってしまうこともなく、ラインをことごとく舐めました。

ディフェンス

「お前はジョコビッチか?」といいたくなるような超絶ディフェンスが度々見られました。
追いつくだけでなく返球がいいところに返っていました。
ファイナルセットなんてディフェンスし切った上であっという間に攻撃に転じ、ジョコビッチのテニスに攻撃力を加えたような、まるで進化させたような形態に。
これをスーパー錦織と名付けたい。

メンタル&試合運び

ビッグサーバーの弾丸サーブに手が出ない展開は、出口のない迷路に迷い込んだような感覚になると思います。
自分がブレイクされたら即、セットあるいは試合終了が頭をよぎる展開です。
これがビッグサーバー側の策略です。プレッシャーを相手に押しつけます。
そのプレッシャーをにしこりは上手くハンドリングしました。
サーブの好調さもありましたが、丁寧に丁寧にサービスゲームを戦っていました。
2ndセットは5−6でスマッシュミスとダブルフォルトで崩れかけましたが、そこで1stサーブを入れたことが精神力の強さです。
あのままずるずる行っていたら、「スマッシュで負けた」「ダブルフォルトで負けた」と相当叩かれていことでしょう。
そして2ndセットタイブレーク。普通は硬くなります。
取られたら終わりです。しかし錦織はそこから強くなった・・・。
はっきりいって、メンタルがイッちゃってます。いい意味で。

No.1になる選手というのは大体、イッちゃってるものです。代々のチャンピオンたちはほぼ100%この特性を持っています。
フェデラー、ジョコビッチ、ナダル・・・みんなメンタルモンスターですよね。
錦織も、フルセット勝率歴代No.1とか、逆転の錦織とか、メンタルイッちゃってる系だと思います。
信じられない勝利を何回も見せられています。時には、力なく負けることもありますがメンタルの弱さとは私はおもいません。楽して勝てるプレースタイルじゃないので、時にはそういう負けがあるのが普通というか、プレースタイルの割にはメンタル系の負けが少ないと私は思います。

話がそれました、ビッグサーバーにこういう展開で勝てるのは、ラオニッチとの2012及び2014楽天での死闘が活きていると思います。
あるいは先日のイズナー戦などでしょうか?
ビッグサーバーとの対戦で避けられないフラストレーションをうまくハンドリングできているというか、自分のやるべきことへの集中ができていると思います。

そして1stの確率が下がるとみるや勝負に出るリターン、ポジションを変えて揺さぶるなど戦略的にも見るべきものがありました。
体格で劣る分、戦術や試合運びを磨かないと勝てません。
そこが上手く機能しているのが今年の錦織だと思います。

(でも、アプローチはあまりクロスに打たないでねw)

フィジカル

いい試合をした次の試合には体がボロボロ、というのは完全に過去のものになりましたね。
ですが2014年も2015去年もずっと大きな怪我なく来ていい調子か?とおもった段階で故障を発生したりしています。
マイアミでも決勝まで落ちませんでしたし、今大会も苦しい試合を重ねている割には特に問題なさそうですよね。
やっぱり、強化されていますね。油断は禁物ですが。
むしろ大体の選手に対しては、俊敏性だけでなくスタミナでも勝っていますね。
ジョコビッチとの対戦は絶対にタフになりますから、フィジカルの強化は心強い武器となることでしょう。

試合のレベル

6位と21位のレベルじゃありませんでした。
世界最高レベルの試合の1つだったと思います。
キリオスはこのプレーを続けることができればあっという間にトップ10だと思います。
まだ21歳であること、プレーのスケールの大きさを考えると、今後は錦織にとって大きな脅威となるでしょう。
対戦成績が3勝0敗とリードできていることは大きいと思います。
錦織も、この試合のレベルを維持できる限り、BIG4と勝ち負けになると思います。
これまでは善戦レベルでしたが、BIG4の勝利を脅かす「勝ち負け」レベルです。
そしてそのうち何割かは勝てるでしょう。

こういう評価を下すことに慎重な私がここまで言うということに注目してみて下さい。
そのくらいいいテニスしています。

最も重要な条件は、故障がないこと、サーブのレベルを維持することです。
2016madrid-qf-2
(試合後、カメラにサインする錦織圭 読者様より写真提供)

102 件のコメント

  • @ゆきんこりさん、
    コメントありがとうございます❗(*^ー^)ノ♪♥
    “わぁ~い、ゆきんこりさんからお返事もらっちゃった❗”状態です❗((o(^∇^)o))♥
    “誰かよりも圭を贔屓したい、という人はほとんどいないであろう分、ニュートラルですから賛辞は嬉しいですね。”←本当に、海外からの高評価がめちゃくちゃうれしいです❗(`ー´ゞ-☆ピシッ♥
    昨日の試合、ツイでも、“今シーズンのベストマッチ”の呼び声高かったので、試合後の興奮MAXでしたm(__)m♥

      引用  返信

  • You an ugly bastard and I hope this is all fake. Let’s think about a wo1&8a#n2m7;s list of turn-offs. 1. Having an Ugly Face. 2. Dressing like an asshole. 3. Acting like an asshole. 4. Being broke. 5. Being Arthur Kade. Looks like you are 5/5 in the shitbag column, my main man. And by the way, quoting yourself at the end of each post isn’t cool to begin with, and even less cool when the quotes are fucking retarded. Dating a girl who isn’t a 9 will fuck up your credit? Come on Arty, you have no credit and don’t date girls.

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。