ナダル強い、ナダル素晴らしい

ナダルが準決勝に続いてファイナルセットのタフな試合を勝ち抜き、ついに全豪初優勝です。

また予想をはずしてしまいました(汗)。
読者の皆様の間では「鼻血の優勝予想は敗北フラグ」というもっぱらの噂です。

全国のフェデラーファンの皆さん、すいません!!!

2009全豪オープン 男子シングルス決勝
ラファエル・ナダル 7-5, 3-6, 7-6(3), 3-6, 6-2 ロジャー・フェデラー

フェデラーの方が攻めていましたが、数多いチャンスのほんの一部しかモノにできず。
第4セットの終盤は準決勝の疲れからか、ナダルのフットワークにやや陰りが見えたかに思えましたが、ファイナルセットもそれ以上悪くなることは回避し、逆にフェデラーにミスが出始めてしまいました。

フェデラーはよく拾い、バックハンドの処理も比較的うまくこなしていましたがどうしても、最後の1本が取りきれないという感じでした。

ファーストセット4-2の30-15とリードし、かなり試合を有利に展開していましたがここでナダルがスーパーショットを2本。ここが最初のキーポイントでした。

2007年ウィンブルドンでも同様に1stセットに強烈な先制パンチ(パッシングショット)を食らい、その後の展開が難しくなってしまったことを思い起こさせました。

しかしあの時は王者の底力でまさに「なんとかした」フェデラーでしたが、今回はその後のナダルの成長がハンパじゃありませんでした。

フェデラーはサーブがもう少し調子がよければあるいは勝てたかもしれませんが、それにしてもナダルの驚異的な粘りは「いつもの見慣れた光景」でした。
5時間14分かかったベルダスコとの準決勝の後でこれだけ走って、これだけタフにテニスができるナダルを心から賞賛したいと思います。

この限界に挑んでいるといえる粘りが「いつもの光景」と思わせるナダルの凄さは言葉では表現できないほどです。
打たれても絶対返ってくる、しかもポイントを取る意思に満ちたショットが。対戦相手は「むしろポイントを取りに強打したほうが、ナダルにとっては好都合なのでは?」と思わずにいられないでしょう。

しかしだからといってつないだところで、ナダル相手には埒があきません。結局、勝負に出るしかないのです。そしてそれが分かっているフェデラーは、いつものように果敢に攻めていきました。
フェデラーのプレーもまた、見事でした。

ここまで書いたところで表彰式で、フェデラーは泣いてしまいました。言葉が出てきません。
本当に悔しかったことが伝わってきます。少し心配になりました。

ナダルもフェデラーの気持ちを思いやってか、満面の笑みではありません。泣きそうですらあります。
そして二人は肩を組んで、健闘を讃え合いました。ほほ笑む二人。

絵になるシーンでした。

私はナダルも好きですが、フェデラーファンなので本日の敗戦は大変ショックです。
すでにNo.1の座は明け渡してはいますが、ウィンブルドンの「芝」に続いて「ハードコート」は今までフェデラーの庭でした。
そのハードコートですら敗れてしまったフェデラー、今、プライドと自信が大きく揺らいでいるのではないでしょうか。

昨年の「不振」(と言ってもUSを取り、他でも決勝、SFに行ってますのでカッコを付けました)からここまで本当によく立て直してきたフェデラーですが、はたしてこれからさらにギアを上げていけるでしょうか。もちろんトライするでしょうが、少しナダルに差をつけられてしまった、そういう印象があります。

このままで終わるフェデラーではないことを信じたいです。

ナダルおめでとう、フェデラー素晴らしいプレーをありがとう。最高に面白かった。

15 件のコメント

  • 終わりましたね~。疲れました…団長さんの優勝予想を信じていた私ですが、ナダルも素晴らしいプレイの連続で、とても楽しかったです!!でも涙でスピーチ出来なくなったフェデラーを観ていたら、辛かったです…。私もこのまま終わらない事を信じています。

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  • ついにナダルが全豪で優勝かー。

    最後のフェデラーの会見では本当に泣かされてしまいました><

    そして、ナダルの身体能力とメンタルの強さは以上
    と再度感じました。
    本当に良い試合でした!

    ん~;今回はフェデラー勝てると思ったんだけどなぁ。

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  • 本当にショックです…。
    決勝戦で負けて泣きそうなフェデラーは何度も見ましたが、今回はついに悔しさを抑えることが出来なかったみたいですね…。涙をこらえてナダルを称える姿はさすがフェデラーでした。

    あぁ私が女ならオーストラリアに行って慰めてあげるのに!(笑)

    今回のフェデラーは本当にサーブの調子が悪かったですね。第2セットは40%を切ってました。フットワークもストロークも全盛期ほどとは言わなくても、かなりそれに近いものがあったのに、サーブが…。サーブさえ入れば圧勝してたかもしれない…と思います。

    しかし、お互い20回に近いブレイクポイントをよくセーブしてました。

    フェデラーは負けてしまったけど、決勝と呼ぶに相応しい決勝戦でした。

    決勝のフェデラーを見る限り、まだまだいけそうな気はしますね。今年のフェデラーに期待です。案外、全仏とるかも!?

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  • うう~ん、だんちょ、やはり外しましたねww

    フェデ・ファンですが覚悟できていた敗戦という感じなので
    ウインブルドンほどの衝撃はないですね。

    まだまだこの2人がテニス界を引っ張っていくでしょう。
    これから先にこれほどの安定感を持った真のトップ選手は現れるでしょうか?・・・・と、思うほどにこの2人での1位・2位争いは面白いですね。
    パッと一時期No.1になり、その後気持ちが切れたのか失速してしまう選手よりもこういった長期政権を執れる選手の方が好きです。
    いつも同じだと面白くないという風潮もあるかとは思いますが・・・。

    圭君もNo.1在位が長い選手に育って欲しいですよね!!

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  • いやぁ もう すごすぎでした。一夜あけてもまだ余韻が残ってます。
    決めたーと思っても返球し合う二人を見てると、スーパープレイ特集を延々と見てるようでした。
    フェデラーを応援してたのですが、最後は二人共応援してました。
    素晴らしい試合と感動をありがとう。

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  •  いやぁー、すごい決勝戦でした。タフな準決勝、決勝をくぐり抜けて、ラファはまたワンランク、レベルアップしたと思います。
     タフな体、折れない心、驚異的な粘り、そして試合が終われば、相手を称えるやさしい青年。ラファが好きになりましたし、
    チャンピオンとしてふさわしいと思います。
     錦織が挑戦する相手は、とてつもないアスリートたちですね。
    ラファは22歳ですから、これからの3年間が円熟期でしょう。
    サンプラスのGSタイトル数を抜くのは、ロジャーではなくラファかもしれません。
     錦織がラファのような選手になってくれることを願ってやみません。

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  • 予想通り凄い試合でした。試合内容からみればやはりナダルが頭ひとつ抜けてたかな、と思うような内容でした。
    フェデラーもサーブの入りが悪いなりにもよくやってたとは思いますが、僕は1stセットを落としたことが後々効いてきたように思います。やはりナダルに勝つためには出だしの1stセットをきっちり取れるかどうかだと思うんですが、どうでしょうか。
    試合後のフェデラーの涙は印象的でした。あれを見た瞬間に、まさか・・心が折れてしまったのか・・!?と不安になりましたが、
    「See You Next Year!」って言ってくれたのでまだまだやってくれるでしょう。

    そして優勝したラファ、本当におめでとう。これから円熟期に突入すると思いますが(もう入ってるのか)これからも全仏以外で(笑)素晴らしい試合を見せてください!

    個人的に思った今大会のベストマッチはナダル対ベルダスコでしょう
    次点がファイナルで、その次はゴンザレス対ガスケ戦です。

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  •  男子決勝、感動しました。
    フェデが泣いたとき、え??まさか引退??
    って思ってしまいました。ごめんなさい><
     ナダルが調子落としたとき、フェデも調子落としたのって
    以前にもあったような。。。
     どっちが勝ってもおかしくないこの試合で、勝ち負けの
    差ってなんなんでしょうね。
    だんちょ、くわしい推論おねがいしますw

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  • 去年の全豪が終わったときに、フェデラーの1位は普遍でむしろナダルが3位にジョコが1位を脅かす2位という時代がすぐそこまで来ているような気持ちになっていました。
    私には今年のこの状況を予想することは出来ませんでした。
    昨日も「もしかして、ナダルが勝つことがあるかもしれないけど、
    フェデラー優位だろうなぁ」と思いつつ観戦していましたが、
    ナダルが優勝するとは・・・嬉しい。
    でも、フェデラーの涙にもらい泣きの私とオット。
    ナダルってフェデラーに勝つと「勝っちゃった。どうしよう」みたいな困惑の表情になる気がする。
    いつもおもしろいのはナダルを褒めるときに「私はフェデラーファンですが」と断ってからナダルを褒める柳恵誌郎さん。

    あ~全豪も終わっちゃいましたね。
    圭くんのあの負け試合が遠い昔のようです。
    「ケイ、がんばれ~」と熱くなる日が待ち遠しいです。

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  • 今まで王者として君臨していたフェデラーの印象があるため、08年にウインブルドン、ナンバー1を追い落とされてから「もうダメになっちゃうんじゃないか(なったんじゃないか)」って印象を受けてしまいますが、数多くの大会では準決勝、決勝に残って2位からは落ちていない。まだまだ打倒ナダルの候補筆頭はフェデラーですもんね。
    2人ともピークでない早いラウンドで負けることはあっても、顔を合わせるのは決勝ですからね。本当に出し切らないと勝てないんでしょうね。

    今年、完成したとも思えるフェデラーのテニスがさらに進化するか見てみたいところです。

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  • フェデラーはもう記録なんて気にしなくていいと思います。
    だってフェデラーはもう記録よりみんなの記憶に残っているから。

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  • 『ポイントを取る意志に満ちたショット』
    まさしくです。
    不死身のようなラファ。
    打っても打っても返ってくる。
    相手の気持ちは微塵も揺るがない。

    その固い大きな岩の粉砕をチャレンジし続けることは並大抵ではない気がします。

    全英ではサーブの絶好調なフェデと対戦して欲しいです。
    二人の試合は次元が違う別世界のもの。コート上が誰も寄せ付けない二人だけの世界として成立してしまいます。
    雲の上の頂上決戦ですね。

    フェデの涙にもらい泣きし、心が詰まりました。
    今日も昼休み、さまざまな記事を読んでしまったので心に動揺が・・・。

    試合は終わったのに仕事に集中できません。

    マックウィン

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  • 1日たってもまだ余韻さめやらない状態です。

    みっきーさん、フラグ立ててすいませんでした~
    でもナダルはほんとに宇宙人です。

    圭kunnさん、あの涙は見ている方もショックだった

    tomさん、あきらめなければまたチャンスはくる、そう信じましょう

    種さん、ショックを和らげるために自己防衛本能作動させましたねwww 私は大変ショックですよ。

    karukaruさん、「スーパープレイ特集を延々と見て」その通りでした。スーパープレイ集を5時間弱も見せられて見ている方も疲れました。

    GOROさんそうなんですよね、年齢的にはこれからがナダルの全盛期。ほんとどこまでいっちゃうんでしょう。

    ゲオさんほんと、1stセットが大事だった。特に4-2からキープできなかったのが痛い。

    reikoさん、引退はまだしないみたいなので大丈夫です!錦織と対戦してもらわなきゃ。

    みんみんさん、確かに1年前はナダルどうしたとか言われてました。全仏には間に合うと思っていたけど。まさかそのまま突っ走るとは・・・。

    たなーさん、マレーもいますし、今後も激しい戦いが待っているのは間違いないと思います。が、フェデラーも負けてないと思います。

    ぜうじさん、記録にも記憶にも残る名選手になりましたね。

    マックウィンさん、あれだけラファラファ言ってたのにw

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  • 遅レスですが・・
    ナダルはますます超人ぶりに磨きがかかっていますね。
    もう、人間では勝てない領域に入りつつあるかのようです。

    ところで、フェデラーはなぜ、あんな彼らしくないテニスを大事なところでやってしまったのでしょうか?
    私には彼の敗因として納得できるものが、今ひとつハッキリしないのです。
    もちろん、サーブの不調と、ブレークポイントや第3セットのタイブレーク、第5セット終盤での大事なところでのストロークその他のミスの急増が敗因なのですが、それをさせてしまった原因とは何なのでしょうか?
    怪我やモチの低下でなければ、重圧による緊張か、疲労のはずです。

    *FHストロークのミスや、フカす(アウト)ミス、サービスの確率低下=緊張
    *BHストロークのミスや、ネットしてしまうミス、サービスの威力低下=疲労
    *ネットプレーでのミス=両方
    ・・・もちろん、一概にこう決められないでしょうが、こういう傾向があるとすれば、私には最大の敗因と思えるBHストロークのミスの多さから考えれば、疲労が原因のような気がします。
    でも、サービスの傾向や大事なところでのストローク・ミスの急増ということを考えれば、やはり緊張なのかな?とも思うのです。
    6勝12敗という苦手意識が、さらにそれを助長させたのかもしれません。
    しかし、あの歴戦の王者がメンタルが原因で負けるとはどうしても考えづらいのです。
    そこを突き止め、改善しなければ次も同じになる可能性はきわめて高いでしょう。
    それでも、最後の涙を見ると、やはり緊張6~7:疲労4~3ということなのでしょうか。

    最後のサーブでは、それまでなかった気合を口から発していましたね。(ほとんどネットでしたが)
    精神的に自分を奮い立たせていたのか、フィジカル面で気合を入れていたのか・・
    でも、問題はああなる前のことですから、敗因を象徴する現象とは、また違うのでしょう。
    私としては、あの美しく力強い片手バックハンドで相手とコートを切り裂くシーンをこれからも見続けていたいのですが・・

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  • 団長

    男の涙には弱いんです、私^^ゞ
    でもご心配なく、昨日の夜~今日はまたラファの記事でウルウルしまくってます。

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。