2012全仏オープン男子決勝感想

久しぶりの記事になります。

錦織圭の欠場した全仏オープンでしたが、今年も熱い戦いが繰り広げられ観戦する方も盛り上がりました。

男子決勝はグランドスラム4大会連続となるジョコビッチ vs ナダルという対戦となり、ナダルが4セットでジョコビッチを降し3連覇。通算7度目の優勝はボルグを超え最多となりました。

2012 French Open
Men’s Final
Rafael Nadal def. Novak Djokovic, 6-4,6-3,2-6,7-5

クレーでのナダルの強さは今年に限ったことではないですが、それにしても異常なほどです。準決勝までの勝ち上がりスコアは以下の通りでした。

1R vs ボレリ 6-2,6-2,6-1
2R vs イストミン 6-2,6-2,6-0
3R vs シュワンク 6-1,6-3,6-4
4R vs モナコ(13) 6-2,6-0,6-0
QF vs アルマグロ(12) 7-6(4),6-2,6-3
SF vs フェレール (6) 6-2,6-2,6-1

ご覧の通り、1セットも落とさないどころかゲーム数で競ることすら困難な状態。クレーコートを得意とするシード選手ですら手も足も出ず、この勝ち上がりを見せられてはナダルの優勝を予想する人が多かったのではないでしょうか。

いかにNo.1のジョコビッチでも今回はきついのでは?と私も予想し、結果としては予想通りのナダル勝利ではあったのですが・・・正直、ナダルの勝利よりもジョコビッチの底力の方が印象に残りました。

クレーコートにおけるナダルのプレーの特徴は以下の通りです。

  • 振られてもすべて追いつき、しかもいいコースに返してくる。
  • 強打してもすごいカウンターが返ってくる。攻める方が不利なのではないかと思うくらい。
  • かといって安全に繋ごうとしても、今度はナダルの方から攻めてくる。

つまりどうしようもない。

攻めてもダメ、守ってもダメ。

果敢に攻めて、それが全て入って初めて効果あり、それを5セットマッチ通じてやり続けることはまさに至難の業です。

そもそもナダルを打ち抜けるだけの攻撃力を持った選手自体が限られています。フェデラーやツォンガのレベルの攻撃力が必要となるでしょう。そしてそのフェデラーですら5セット通じてそれを持続できたことは1回もありませんでした。

しかし昨日のジョコビッチは、結果としては敗戦でしたが、十分に勝機を感じさせるプレー内容でした。

ナダルとしては上記のように、普通はとりあえず守っとけばいいのです。全部返せばいつかミスしてくれるし、強打されてもカウンターで勝負すれば良い。それで相手の打つ手がなくなって弱気になってくれればもらったようなもので、あとは打ち放題です。

しかしジョコビッチ相手だと明らかにそれでは不十分で、自ら積極的に攻撃を仕掛けなければならない状況になっていました。

「やらなければやられる」

そんな危機感が画面から伝わってきました。おそらくこれまでで最も苦しい全仏決勝だったのではないでしょうか。勝利したあとの喜び方がそれを物語っていました。ジョコビッチにはナダルを打ち抜くだけの攻撃力と正確性、そして何より自分の力を信じる気持ちがあったと思います。

今回は僅かな差で負けたジョコビッチでしたが、決して力負けという感じではなくむしろ次のクレーでの対戦でも勝負の行方はまったく分からないと思わされた、素晴らしくハイレベルな決勝でした。

20 件のコメント

  • この素晴らしい試合の記事を
    団長が書かないでいることがあるのだろうか。
    と思っていました。
    記事掲載多謝m(__)m

    ここ何年間かで一番
    ものごっつい重い感動を味わった試合でした。
    文字に表現するのも難しいような。

    らふぁのあの優勝が決まった瞬間の
    大地にひれ伏し涙を流す姿は
    死闘の末に勝ち取った価値ある勝利なのだということを
    物語っていました。

    先に攻めなければやられてしまう。
    両者ともそうおもいつつ、
    取りたいポイントへの重圧で
    消極的になったところを攻められる。
    その応酬。

    そして、こんなにもアグレッシブで
    ファイターのフォアの強打対決の
    超絶ラリーがあっただろうか。

    一夜覚めても熱き感動の火照りが
    冷めません。
    まるで自身がParisにいたよう。

    後々に必ずや語り継がれる
    歴史的試合の目撃者であったことを
    誇りに思う。

    バスの隣席の男性は
    ワンセグでサッカー観戦。
    興奮の叫び声をあげていたけれど
    私はまだまだ当分
    ローランギャロスの
    余韻に浸っていることでしょう。

    らふぁ、ほんとうによかったね♪
    そしてジョコ、あなたのすばらしさがわかりました。

    大事な大事なポイントをミスし、
    バカバカ、俺のバカ、
    とラケットで頭をガンガン叩く姿がかわいかった。。。

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  • わたしの目線の違うピント外れの感想を。

    Nadalの赤土での敵は雨だったと思います。
    MonacoやAlmagroの方がDjokovicより良いプレーだったと思います。
    彼らの良いプレーがスコアには表れず、Nadalが取り切っていました。
    それの多くはNadalのスピンとサービスにあったと思います。
    決勝ではDjokovicの圧力でしょうかサービスが余り決まらなく、
    キープできなくなっていました。コート外から曲がってはいるボールも
    曲がりきらず僅かにアウトになっていました。
    最近のNadalの返球はただでさえ浅くなり苦労しています。
    それが雨により玉が重くなり、スピンも利きにくくなり、バウンドも
    跳ねなくなってきます。
    2セットの雨中断は、流れを変えたいDjokovicが先に希望したようです。
    中断前はNo.1にはあるまじきラケット虐待や、ラケットでベンチを破壊
    するほどのいらつきでした。その中断で壊したベンチは新しいのに交換
    したのに、より大切なコートカバーも掛けずに雨中断していました。
    運営は何考えているんだろうと思いました。再開といってもすぐの雨で、
    コートの状態は最悪の中での試合です。審判や運営は日曜日中に終わらせ
    たいと思ったのでしょうが、終わらせない方策しかしていません。
    この中断でDjokovicはいらだった精神状態を回復させ、コート状態は
    悪化一方、Djokovicに有利です。Nadalは濡れてこんな重いボールで
    行うのかと審判にボールを返しても、なでてつぶれていないと続行です。
    コート状態が良いときDjokovicは跳ねたボールをミスしていましたが、
    雨で高く弾んで来ない打ち頃の浅いボールを前に出て叩いたDjokovicは
    8連続ゲーム取得で盛り返しました。
    雨もひどくなり、中断しました。今度はまともにカバーしてました。
    結局、翌日に順延です。深夜には上がっていたはずで、陽射しはない
    けど曇りでの再開です。Nadalはブレークバックして並びました。
    程なく雨が来ました。短い雨中断があり、完全に雨が止んでない中での
    再開です。すると、強い陽射しが来ました。以後雨は来ませんでした。
    ラブゲームキープもでき流れはNadalになった感じです。
    今回の雨中断は最初はDjokovicに、2番目はNadalに有利だったようです。
    最後、CPを取ったときここで取り切ると感じましたが、まさかのDFで
    終わるとは思いませんでした。で、湿った赤土だからでしょうか、
    いつものようにコートに仰向けの大の字にならず、シャラポワと同じ
    ように座って、顔を手で覆って喜びました。GSで3連敗中の相手・強い
    Djokovicに曲がりなりにも勝てて、目に涙がでていたのかな。
    決勝3時からではなく、1時からなら、きっと雨が来る前に3-0で終わって
    いたと思うのですが、屋根も照明もないなら試合開始をもっと早くすべき
    だと思いました。
    今回の決勝ではNadalは本当に太陽の子なんだと感じました。

      引用  返信

  • 試合も記事もすごく面白かったです。
    みなさんの感想も。
    本当にレベルの高い試合で、1日目の44回のラリーを見た時は、生きててよかったと思いました。
    こんなに素晴らしい4大大会決勝がWOWOWで録画放送なのはちょっと悲しかったです。(この為にお金払ってるのにね。)と言いつつ、試合中チャットしてた友人が”録画のくせに、雨中断を飛ばせ”と言うまで忘れて見てました。それ程いい試合でした。
    二人共、奥が深いですね。

      引用  返信

  • 昼行灯さん、リンクをありがとうございます。
    ちょっとわたしが感じているNadalの応対と違うなと思い、
    全仏のページにある英語の文を見て見ました。

    部分訳でありましたね。
    最初の2つの小さい質問、でも、嫌らしい質問です。
    Q:手に持った優勝カップに刻まれた優勝者の名や数を見ますか?
    R:見ないよ、そんなことはわたしにとってとっても小さなことだよ。
     わたしにとって、その年その年が大切なのさ。
    Q:(ここで、記事にある最初のトニーおじさんの言葉の感想)
    R:わたしにとって今日までとてもラッキーだと感じているよ。
     偉大なライバルが何人もいるよ。
     でも、ファンタスチックな選手達がいるとても良い時代と思っているよ。
     あの全豪の決勝だってたくさん楽しんだよ。
     大切な決勝や試合でNovakやFedererやAndyというファンタスチックな
     相手と楽しんでいるよ。わたしにとってそれが全てだよ。
     あなたが感じることができるラッキー・アンラッキーは両方あるさ。
     (それは大したことではないといっているように思います)

    以下略しますが、マスコミはどうして嫌らしい質問をするんでしょうか?
    Nadalはやっぱり勝ち負けよりも、楽しく良いプレーをすることに第一の
    モチベーションがあるんだなって感じます。
    勿論、ファンはひいきの選手が勝って欲しいけど、プロの試合の観戦には、
    競い合った互いの良いプレーを見たいものではないでしょうか。
    強い精神力を維持し、良いプレーをした方が試合に勝つだけとしています。
    いつまでやるかの質問にも、先のことは分からないとし、良いプレーをす
    るための進化を怠らないで精進し、それができなくなったら時と思ってい
    るようです。

    雨中断は両者とも1回目はDjokovicに2回目はNadalに有利だったとの
    認識ですが、試合は。ことに決勝は雨中断無しで行われて欲しい。
    雨によって結果が左右されるのは良い状況だとは思えません。

      引用  返信

  • 雨や日没サスペンディドによる再試合は、モメンタムが変わってしまうことが多々有りますね。wowow未加入、インターネット環境も無かった時代(の私)。一度目の引退を決断する前、伊達公子vsグラフがC.C.で二日がかりの死闘を繰り広げた、全英のSFが思い出されました。今のように降雨に左右されず試合が出来る環境があれば、違う結果だったのでは?と今でも信じています。未練がましい発言は不細工だし、高飛車な態度は当然叩かれるし・・・・マスコミ対応も大切ですね(^^ゞあそこまで上り詰めると互いに「楽しむ」事より「勝ちたい」気持ちがはやるのではないでしょうか?w今となっては知るよしもありませんが、(注目されていただけに)試合後の会見で報道陣から伊達さんに辛辣な質問が浴びせられ、クール?にかわしていたのでしょうw

    「殊にGSでは気象状況に左右されず試合が出来る環境を!」に、
    座布団三枚!!

      引用  返信

  • いつものことですが、試合がハイレベルすぎてまだまだ遠い世界のことのように感じます。
    今回はユニクロ繋がりでジョコビッチ選手に肩入れしていました。
    ジョコビッチ選手のインタビューも読んでみてください。
    謙虚な姿勢に好感がもてます。
    http://news.tennis365.net/news/today/201206/88182.html

    こちらは錦織選手に関するニュースです。
    JOCスポーツ賞特別功労賞を受賞しました。
    他の受賞者の名前を見ると少し不思議な感じですが、ここ数ヶ月でオリンピックに関するニュースがマスコミを賑わせたことが受賞理由なんでしょうか。
    http://www.nikkansports.com/sports/news/f-sp-tp0-20120612-966357.html

      引用  返信

  • 伊達さんグラフの2日間に及ぶ対決は
    私もはっきりと記憶しています。

    もしも一昨日の試合が雨による中断がなかったとして
    あのようなドラマチックな緊迫した試合になったでしょうか。
    観客の誰もが選手の思いと同一化している息詰まるコート。
    重たいポイントのひとつごとに状況が心境が一変する
    あの雰囲気。

    伊達さんグラフの対戦も、2日間に及ぶ対戦の上の劇的な結末だったからこそ
    記憶に残る名勝負と語り継がれることになったのだと
    私は感じられてなりません。

    雨による試合中断のタイミングの適切な時期は
    考えるべきですが、
    雨・風・暑さ・寒さ・・・。
    人間のコントロールできないものの中で
    起こる展開があってこその
    テニスなのだと私は考えています。

    ごひいきの選手が、雨による中断がなければ
    勝てたと思う『たられば』はありますが、
    そういった『たられば』も含めての
    テニスというものを私は楽しんでいます。

    もっとも、
    こういった意見はきっとマイノリティーで、
    スポンサーやTV局や多くのファンの方は
    屋根つきのセンターコートを望んでいるでしょうし、
    確実に時代はその方向に進んでいます。

    WOWOWさんも
    雨による中断がなければ
    日曜日にライブ放送が出来たのでしょうし。。。

    それから、
    勝つこと>楽しむことが一番のモチベーションだと
    私も思います。

    試合が終わった後の感想として
    試合を楽しんだとは言うと思いますが、
    世界のトップアスリートのモチベーションは
    やはり勝つことなのだと。
    昨年の敗戦の屈辱があって、ナダルは厳しい練習をし、
    対策を練り、
    今回の試合に勝利したのだと
    私は信じています。

      引用  返信

  • 団長様 記事のアップありがとうございます。
    皆様、コメントとても興味深く読ませていただきました!
    ラファファンなのですが、ここは、彼の最後の砦なので、なんとしてもここでだけは勝ってほしかったし、本人やチームもそう思っていたと思います。
    試合の後、家族やチームと抱き合う姿には去年1年の苦しかった思いが伝わってきて、うるっときました。一人で座っているジョコビッチの姿はとても対照的で、切なかったですが、勝敗のある世界なのでいたし方ないことかもしれないです。
     
    それにしても、ふたりの強烈なラリーのおう襲は本当に見ごたえありました。
    何本ウィナー級のショットを打っても決まらない決まらない!
    でも、やっぱりジョコの球のが角度があって、どうしてもそれに対してラファの返球が甘くなっているように見えました。。(素人の見方です)
    ラファもあれくらい角度のあるショットが打てればいいのにといつも思ってるのですが、スピンがかかってるからそれでいいのでしょうか。。。?

    ジョコの底力ははかり知れず、恐ろしくすらあります。
    マッチポイントの優位性が彼の前ではまったくないです 笑
    ナダルがマッチポイントを迎えたときもここから逆転もありと思いながらみてました。
    2回目の雨の中断でラファが有利になったとの意見が多いですが、普通であったら当然中断すべきコンディションであったのではと思います。
    大会側としては大人の事情で続けたいというのがありありでした。
    ケイメヒコさんのおっしゃる通り、決勝の2日目を1時からにするのなら、決勝も1時からにすればよかったのにと思います。天気予報では夕方から崩れるということでしたから。。
    屋根はまだしも、少なくともライトはつけてほしいです!

    4強といえど、2強+2強という感は否めない状況です。残る2人にも頑張ってほしいです。
    圭君にもいつの日かGSの決勝で戦える日が来ることを夢見ています。
    1~3位のランキング争いも激しくなってきましたね~

      引用  返信

  • 全仏もナダル優勝で終わりました、圭くん不出場決定…私の全仏は終わりました。スポーツは自分がやってこそなんで観戦しませんし感動もしません(笑)、例外は圭くんのテニスだけです。Big4であろうが、圭くんには敵いません。Olympic 全米を心待ちにしてます。
    錦織チャチャチャ

      引用  返信

  • つまりどうしようもない。f^_^;)
    対戦相手はコート上でそれを痛感してしまい、気持ちの上でも追い込まれて大差がついていくのでしょうか。

      引用  返信

  • 錦織選手、ロンドンに向けて出発するようですね。

    いよいよ復帰ヽ(^。^)ノ

    楽しみです。

      引用  返信

  • 隠れナダルファンの私・・・

    試合が終わった時に泣いてしまいました

    純粋に「よかったよかった」と・・・

    ケイメヒコさんのおっしゃる通り

    太陽の子なんですね!

    さて、次はWB

    どんなドラマが待っているのかしら?

    圭クンの復活がみれるかな???

      引用  返信

  • http://sportsnavi.yahoo.co.jp/tennis/grandslam/french/2012/text/201206090003-spnavi_1.html

    このところ怪我に苦しみ続けた同窓生シャラポアが、遂に生涯GSer
    になるため奮闘する様を描いた(全仏優勝直前の)記事が出て
    います。

    過去の栄光と決別してまで多くのものを変えてきた事、肉体改造?の上で日本人フィットネストレーナーの活躍があった事、など(怪我からの復帰をめざすKEIにとっても)興味深いのではないでしょうか?強い精神力と向上心、恵まれた体格、美貌、人気・・・・。
    あの「叫び声」さえなければ、もっと良いのですがww

    そうそう。全米OP改修計画でCCは屋根付きにしないことになった、そうです。要望はあったみたいですが・・・・。

    http://sportsnavi.yahoo.co.jp/tennis/headlines/20120615-00000052-jij-spo.html

    貸与とは言え、ラファの高級腕時計盗難事件が即刻一件落着で
    良かったw

      引用  返信

  • いや嬉し、圭欠乏症をマイアミ等のビデオで癒してきました。
    エキジビションいいじゃない
    顔がほころんじゃうな

      引用  返信

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。