デルポトロ強し!でも錦織もテニスは悪くない!さあ次は全仏だ!(グフフ)(2017ローマ3回戦)

2017 Rome (Masters 1000)
3rd Round
Juan Martin Del Potro (ARG) def. Kei Nishikori[8], 7-6(4), 6-3

 まずはデルポトロ。あんたすげーっす。特にフォアがすげーっす。
構えた時の威圧感半端ない。あれだけの速さであれだけ安定しているのは凄すぎます。
そして大柄の体格からの丁寧なプレースタイル。自分の強みを知り、それを実直に相手に押しつけるプレースタイル。だから安定してるんですね。
途中、1stが入らない時間帯がありながら踏ん張りました。錦織はそこを突いてストロークで優位に立ったものの、取り切れず。1stセットはタイブレークで出たほんの1本のフォアのミスの差。2ndセットはほんの1ゲームにだけ出た、調子の良さに溺れた感のある選択ミス。その差で負けました。

でもね、全然悪くないと思います。まずウィナー取れてます。サーブも速いの打ててます。バックのダウンザラインは決定力あります。フォアは、ミス出てるので少々気にはなりますが、一時期よりずいぶん調子を戻しています。少なくとも球は走ってます。

今日負けたのは、錦織側から見たら

・第1ゲームの入り。フォアがアジャストできておらずミス連発。
・タイブレークのフォアのネット。でもデルポもこのセット3本しかなかったミスのうち1つか2つをタイブレでやっているのでお互い様。
・2ndセット1-2、15−0からサーブアンドボレーの選択に疑問。ミスしたあと15−30からのドロップの選択にも疑問。普通にストロークで良かったのでは。
・デルポが1st入らない間にあまり取れなかった。

良かった点

・ストロークのウィナー22本がエラー16本より多い。ウィナーもフォアの方がバックより多い。
・先にブレイクされても追いついた
・序盤、勢いに押される状態からリターンを上げてストロークで優位に立った。
・サーブが良い。ダブルフォルトも少ない。
・気合いが乗っているように見える。

そして何より

手首が痛くならなかった!!!!

結果については、負けたことは喜ばしくないものの内容について納得。全仏への調整という意味では、体力的不安も小さくなり、むしろポジティブです。
今日のデルポの出来であればジョコビッチに勝ちそうに思えます。なにせ、セカンドセットはデルポトロのストロークのエラーが0ですよ!0です!試合を通じてもたったの3!!あれだけの威力を保ちながら!

そして最後まで隙がありませんでした。フォアのクロスのウィナーは凄い速さながら角度が付き、逆クロスはライン際にストンと落ちました。
バックは堅実に返したと思えば勝負所でほぼ唯一のダウンザラインウィナー。
サーブは2ndセットに持ち直し、エースを連発。

このデルポトロに勝つためには錦織は今より相当にミスを減らさないとダメだったでしょう。
が、いきなりそれは酷というもの。ウィナー増やしてミスを減らせるならあっという間にNo.1。ウィナーのためにもある程度のミスは必要です。
そしてウィナー(と、相手のフォースドエラー)を増やすことができれば、勝負所で相手にプレッシャーかけることができます。
ミスを極限まで少なくしてプレッシャーをかけることも可能ですが、その方針では本当にミスが許されなく自分にもプレッシャーかかります。第一錦織のプレースタイルに合っていない。

今日の段階では十分いいプレーでした。これがグランドスラム本番であれば悔やんでいいと思いますが、手首の不安があれだけあった状態で、テニス的にも3月まで調子が上がっていませんでしたから、それを思えば今の状態は予想以上です。

でも・・・ポイントは稼げてないんですよね〜。それが苦しいですが、今のテニスを続けることが出来れば十分戻せる範囲と思います。

とにかく今日の敗戦は敗戦で残念に思いながらも、全仏を、予想よりいい状態で迎えることになることを喜びましょう!
少なくとも私は喜んでいるぞ!
そりゃそうですよね現地行くもの。浮かれまりです。
待ってろフランス!

308 件のコメント

  • 今晩は。
    禮さま
    リヨンの「洪水」は、禮さまのジョークをそのまま引用させて頂きました(笑) エリアス選手も「浸水」とコメントしていますね。確かにこのコラム、何となくリヨンを上から目線で見ているような。ジュネーヴとリヨン、いえスイスとフランス、面白いですね。
    あの噴水は名物なのですね。フォーラムでコメントしたのですが、あの噴水前でティプサレビッチ選手やアンダーソン選手等が次々記念撮影、SNSにアップしています。

    しんさま
    ウェアの変遷、興味深いですね。学生時代に私が所属していた部活では、フレッド・ペリーが大流行。でも私は鹿の子が苦手でYONEXに逃げていました(笑)

    だいあんさま
    やはりアルトマイヤー選手、オールラウンダーな印象でしたか。私もです。以前CHライストを1回見たのですが、これといった大きな武器はまだないのに何でもソツなくこなす、そんな印象で、例えるなら10代のジョコビッチ選手?と。そしたら偶然身長が188cmと同じ。何だ体型だったのかって(笑)

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  • 禮様  だいあん様
    早速のコメント、ありがとうございます。

    禮様、エントリーリストのプレヤーズ・リストのページだけ見て驚いて書き込んでしまいました。ステパネクも欠場するんですね。いぶし銀の雰囲気のするプレイヤーなだけに、観ることができなくて残念です。

    だいあん様、そうですよね。靱帯の手術をしたのですから、相当長引くと思っていました。動画のボールを使った練習は、リハビリのトレーニングというよりもむしろフィジカルのトレーニングをしているように見えたものですから、ここまで回復したのかと驚いていました。そして、つくづく若いってことはいいなあと羨ましく思ってしまいました。(^^)

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  • @NORICHAN さん

    ジョコさんのコーチにアガシさんが就任の件、NORICHANさんの人生観が垣間見えた気がして興味深かったです。
    私は圭くんのコーチをしてほしかったくらいなのでジョコさんは良い選択をしたなと思っているのですが、、、。

    結果はどう出るかわかりませんが、強いジョコさんが帰ってきて来てくれれば嬉しいです。(それとマレーさんも)

    ジュネーブ、ククシュキンさんが相手に決まったようですね。昨年は何度も当たった相手ですね。良い感触を得て欲しいですね。

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  • こちらに書くと長くなる(し誰も読まない?、笑)ので、ローマのスタッツとかのまとめをフォーラム「テニスコート🏟ラケット🏓とボール🎾」に書きました。ジョコの蓄積疲労や決勝戦の出来の悪さを指摘する声もありますが、小生としては、決勝だけでなく5試合平均でもほとんど通年のベスト記録を叩き出したサーブ&リターンのスタッツ、ジョコの良さを全く消したFH&BH両方のストロークの出来と、A.ズヴェレフのパフォーマンスを讃えたいと思います。このレベル維持したらあっという間にトップ5どころかNo.1に近づく勢いですね。MSやGSでは順当にシード勝ち上がりならBig4+1を3人破らないといけないので、そこまでのフィジカル&メンタルが出来てきたのか、RGとか今後のパフォーマンスが楽しみです。

    なおローマですが、2019年から(?)1週間から12−15日間に格上げ(昨年IW,上海をMasters 1500/2000にする案が議論された?)することをATPと議論しているとイタリアテニス連盟会長がRai1で語ったとか流れてます。ライバルのマドリードの関係でセントラルコートの屋根が問題とかありますが、その前にコート整備を一からやり直すのが先だろうと思うのは小生だけだろうか、いや(笑)?

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  • 今晩は。
    youkoさま
    人生観ですか。そんな大それたもんじゃないです(笑) きっと変にこだわってしまう悪い癖です。
    錦織選手の対戦相手、ククシュキン選手ですね。苦手意識などさらさらなく、いいイメージで突破してくれると思いますが、油断は禁物。
    とにかく早く応援したくてウズウズしています(笑)

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  • 大会公式Twitterにて錦織選手の試合は火曜日と発表されています。いよいよ明日ですね。
    テレビ放送、なさそうですね。残念。

    対戦相手はククシュキン選手。もう最近暑くて料理するのも嫌なので。ククシュキン→クックシュキ→コック好きで、外食!!洋食かなんかランチに行こうかな。

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  • またテニスと直接関係ない話ですみませんが、ズヴェレフ弟と家族の写真、両側はご両親でしょうか。本人が20歳なので当然両親はまだ若いですよね。小生が気になったのは犬です、犬(笑)。これがなぜかイズナーのプレスコンフェランスで聞かれていた(笑)ズヴェレフ一家と一緒に世界中を旅するプードル犬Lovikかと。イズナーは無類の犬好きで既に書いたようにドッグフードの会社をスポンサーに持つ唯一のテニス選手らいしですが(トリビア、笑)、彼自身の犬は少し大きすぎて一緒に旅行できないそうです。会見ではズヴェレフ一家は兄弟共にファミリーとしてユニットで旅行していると述べられていますが、イズナーはズヴェレフ兄弟の両親も知っていて控えめなすばらしい人たちだと語っています。イズナーもジョコもズヴェレフ弟を小さい頃から知っていると言ってますね。ズヴェレフ弟自身は、プレスコンフェランスで「あなたはドイツ生まれのロシアのバックグラウンドで、ボリスベッカーみたいにドイツのメディアが多くないが?」と聞かれていて(変な記者がいて毎日同じ質問をしている)、「僕は100%ドイツ人だ。両親は91年にドイツに移住したが僕はまだ生まれてなかった。僕はドイツで育ち、ドイツの学校に行き、ドイツ人の友達がいる。僕は(僕自身があり得る)最もドイツ人だった。人々に聞いてみないと分からないが、ドイツの人たちは僕を応援してくれていると思う。ドイツのメディアもそうであるように希望している。でも僕は(僕があり得る)最もドイツ人なんだ」と答えてます。21世紀になったのに、国籍差別みたいな話は相変わらず洋の東西を問わないですね。ズヴェレフ兄弟はたぶんそういった偏見とずっと戦ってきたのではないかと勝手に想像しています。

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  • @キリ丼 さま、
    返事が遅れましたが、おっしゃるようにステパネクRGをOUT(背中の故障のようです)というのは実に残念ですね。38歳ですが、かつてシングル8位、ダブルスでは全豪+全米を獲った名選手です。2012年のスペインを破ったチェコD杯優勝や、昨年のRG1回戦でマレーをtwo set downに追い込んだのが記憶に新しいところです。ショット速度が100km/hを優に下回っても(笑)勝てるまさにいぶし銀のプレーです。アクションが面白くて観客を楽しませるし、こういった個性的な選手には少しでも長くプレーして欲しいです。こういったオッサンは諸手を挙げて応援です。

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。