被ブレイクゼロで危なげなく勝利!(2017ジュネーブ2回戦 vs. ククシュキン)

2017 Geneva (ATP 250)
2nd Round
Kei Nishikori[2, WC] def. Mikhail Kukushkin, 6-4,6-3

練習で手首を冷やしていたとか、不安な情報も事前にありましたが、試合には影響ありませんでした。
被ブレイクゼロできっちり勝ってくれました。

危なかった場面は1stセット4-4からのゲームのみ。ククシュキンのフォアハンドが走っており、0-30と危険な場面がありました。
ここでククシュキンが痛恨のリターンミス(2ndサーブ)。錦織にとっては大きなポイントとなりましたが、錦織も同様の場面でリターンミスを献上することが多く、いかに相手を楽にさせているかを擬似的に体験する機会になりました。

 思うに、ずっと錦織のプレー自体(ショットなど)はそんなに悪くない。でもどの場面でどういうショット選択をするか、ミスするにしてもどういうミスをするか、攻撃的にいくのか守備的に行くのか、そういった面でのちぐはぐさが多少あるのだと思われます。
 大きい差とも小さい差とも言えます。実力自体が足りないわけではないので、自信であったり試合勘であったり、「思い出す」ことによって改善されていくのではないでしょうか。
 超ハイレベルな戦いに身を置いていますので、微妙なバランスの差で大きな差がついてしまいます。
今日の試合も、ククシュキンがあれほどいいプレーをしていながらも、4-4のチャンスを逃した次のゲームでミスを連発してセットを明け渡してしまいました。悪かったのはほんの1ゲームだけです。

 今日の錦織の課題はリターンとフォアのクロスだったと思います。でもマドリッド、ローマに引き続きウィナーを数多く取れているという好材料の方が重要だと思います。フォアのクロスラリーで差し込まれる(特にククシュキンのようなフラット系の選手に対して)のは今に始まったことではありません。フォアのストレートは好調で、体が開いてサイドアウトするという悪いときの症状が見られませんでした。

バックは相変わらず「安定と信頼のバックハンド」でした。バックはクロスに振られても鋭くクロスに返球することができます。フォアハンドは厚いグリップのデメリットがもろに出ている感じです。その代わり、打点に入る余裕があれば強力なスピンをかけて振り抜くことができますが。

フォアハンドに振られたときの処理はナダルがとても上手いです。あえて低めの打点で縦スイング気味に処理します。錦織は右足を踏ん張ってオープンスタンスで横スイング気味です。打点が遅れたらこの打ち方だと飛びません。(打点が間に合えば大丈夫です)ナダル流の打ち方は、体が横を向いているので、ほんの僅かですがもう少し打点を後ろに取ることができます。(コートの位置的には打点後ろですが、体の前になります)

イメージつかめる動画探してみましたが見つかりませんでした。

リターンについては、ヒットはしているのですがジャストアウトが非常に多かったです。
でも2ndセットには良くなって、集中的にナイスリターンを放ってブレイクに結びつけました。
この「集中的に」ってのが大事です。
最近よく言っている「上限値」の議論といっしょなのですが、単発でいいショットを打ってもポイントには繋がらないし、単発のポイントだけでもブレイクに繋がりません。
トータルのポイント率は同じでも、固めて良いポイントを取ることが勝つために重要です。極論を言えば、1ゲームだけ良いポイントを集中させブレイクし、他はあっさり落としても構わないくらいです。(キープをしっかりする前提)

現実的には、そういう極端な例はあまりなく、「なんとなくいい感じ」でプレーしつつ、条件が整って(その日のデータが十分溜まり、ポイントを取るイメージができる)はじめて結果に結びつくものですが。

今日は2ndセットの第2ゲームでナイスリターンを集中させそれができました。相手が7戦して無敗のククシュキンだったということを割り引く必要はありますが、よい傾向には違いありません。このあとのラウンドでも同様なとり方ができるか注目です。

サービスが非常に良く、エース6本。特にデュースサイドからのセンターがバシバシ決まっていました。
ワイドは比較的いつも良いですが、調子が悪いとセンターの確率が下がるので、今は好調と見ていいと思います。

勝ちに来た大会、結果も内容も求めたいですね。

さあ、次も頑張って応援しましょう!(眠い)

51 件のコメント

  • 優勝、、を望むのは誰でも同じで、ひとつしかない椅子を狙って、いつも全力で闘っている姿を見るだけでも、嬉しく思います。
    先日、フィギュアスケートの浅田選手が引退した時に、「もうスケートはいいと思う」と会見でおっしゃってました。
    あの時、私は圭くんが引退する時、同じことを聞かれたら、なんと答えるだろうと思っていました。
    「もうテニスはいい」と言うのかな?
    頑張っても、頑張っても、届かなくても、今までの姿が見れただけでも十分嬉しいし、その時が来たら、きっと「ありがとう」しかない。
    あと何年プレイできるのか、、、そう思うと、今が奇跡のように思えます。
    どの大会も、どの試合も、見逃さないように。

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。