【試合レビュー】2008デルレイビーチSF vs. S.クエリー

Delray Beach Tennis International Championships 2008 delraybeach081.jpg
アメリカ・フロリダ州 Delray Beach
賞金 $436,000 / 32ドロー
ハード(アウトドア)

準決勝(SF)
K. Nishikori def. S. Querry, 4-6, 6-2, 7-6(7)


【試合サマリー】クエリーは198cmの超大型選手。強力なサーブに苦しめられる錦織はあっさりとゲームを先行される苦しい展開。1stセット第10ゲーム、得意のフォアのミスが重なりセットを落とす。

2ndセット序盤、たたみかけるように10ポイント連取して波に乗る錦織。スライスサーブも切れている。逆にクエリーはイライラしてラケットを投げつける。このセットは6-2で錦織が取り、勝負はファイナルセットへ。

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ファイナルインして気を取り直したか、得意のサーブが復活したクエリー。第1ゲームをあっさりキープ。錦織は第4ゲーム、1setセットの最後と同様にフォアにミスが出てブレイクを許し1-3ダウン。

クエリーのサーブ力を考えると挽回はかなり難しく思えたが今大会好調のバックハンドがよく決まり、すぐにブレイクバック。そのまま両者譲らずタイブレークに突入。

ファイナルセットタイブレーク、錦織はいきなり0-3とリードを許す。リターンエースなどで応戦するも差は縮まらず、3-6とトリプルマッチポイントを握られる。

最初のマッチポイントは手に汗握るラリーを制した錦織がスマッシュで奪う。続く2ポイント目のマッチポイントではクエリーがイージーなフォアのミスを犯してしまう。錦織はこの幸運を活かし、3本目のマッチポイントでなんとバックハンドのリターンエース!観客もかなりヒートアップしている。

6-7で迎えた4本目のマッチポイントではセンターへの強力なサーブが決まり、勝負強さを見せつける。勢いにのる錦織は続く7-7のポイントで目の覚めるようなバックハンドのエースを奪い、ついに自身のマッチポイントを迎える。

そしてクエリーのセカンドサーブを、画面から消えてしまうほど回り込んで逆クロスに思い切りリターンを叩き込んだ!懸命に走るクエリーの打ったボールが力なくコート上に転がり、大熱戦は錦織の大逆転勝利に終わった。

【試合のポイント】

2回戦でビッグサーバーのDelicに苦戦していたこともあり、戦前から厳しい試合が予想されていた。

予想通りクエリーのサービスは強力で、1stセットはブレイクできそうな気配がなかった。センターに3本のノータッチエースを取った次のゲームではワイドに2本と、配球も絶妙だった。

らしくないフォアのミスを連発した第10ゲームのブレイクは、リターンゲームのプレッシャーから来ていたのかもしれない。

そのままいったらあっさりと負けておかしくない試合だったが、第2セットは圧巻だった。

第1ゲームにいきなり0-40のトリプルブレイクポイントを迎えたが、そこから怒涛の10ポイント連取。その内8本がエースまたはエース級のポイントで、ここで一気に流れが良くなった。

アナウンサーが思わず絶叫するようなスーパーショットも随所に見せ、完全アウェイでありながら観客も味方につけた。

ファイナルセット、クエリーはまともにストローク戦を挑んでは勝てないと判断し、エースも多いがミスもやや出ている錦織にあえて打たせる作戦に出た。

この作戦がなかなか効果的で、私は「もっとじっくり行けばいいのに」とハラハラして見ていたが、最終的にはピンチを全部しのいで押し切ってしまった。18歳の、しかもテニス後進国日本の選手ができるような芸当ではない。鳥肌が立った。

常識的には私が思ったように強打するボールをもう少し選んでいくべきだとは思うが、トップを狙おうかという選ばれた人間にはそんな小さな考えはないのかもしれない、と思った。

技術的にはスライスサーブがずいぶん切れており、勝負所でよく決まった。バックハンドと並んで、著しく改善された技術的ポイントだと思う。

(了)

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ABOUTこの記事をかいた人

 テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。