錦織圭がWTF準決勝(決勝トーナメント)へ進出できる条件まとめ

昨日のWTF、J.マッケンローグループの結果は、

Murray def. Nishikori, 6-7(9),6-4,6-4
Wawrinka def. Cilic, 7-6(3),7-6(3)

でした。これにより順位は、

1位 マレー 2勝0敗 得失セット 4-1
2位 錦織 1勝1敗 得失セット 3-2
3位 バブリンカ 1勝1敗 得失セット 2-2
4位 チリッチ 0勝2敗 得失セット 0-4

となりました。
残りの対戦(第3戦)は、マレー vs. バブリンカ、そして錦織 vs. チリッチです。
この2試合の結果により、最終的な順位は変動します。
果たしてどのような結果になれば、錦織は準決勝に進出できるのでしょうか・・・?

いきなり結論から

通常、セットカウント等を考慮して細かい条件分けが必要なのですが、今回は結論が簡単だったので先に述べます。

錦織、マレーがともに負けた場合、錦織はラウンドロビンで敗退。
それ以外の場合は準決勝進出。

錦織の準決勝進出条件はこれだけですので覚えておきましょう。
要するに、

スコアに関わらずチリッチに勝てば文句なし。負けてもマレーが勝ってくれればOK。

ということです。

結果次第では1位通過もあり得ます。
そのあたりの考察は後ほど。

他の選手の進出条件は?

他の選手については以下の通りです。

  • チリッチはすでにラウンドロビン敗退が確定。
  • マレーはバブリンカから1セット取れば準決勝進出が確定。取れなくても錦織がバブリンカにストレートで勝ってくれれば確定。
  • バブリンカはマレーにストレート勝利するか、フルセットで勝利し、かつチリッチが錦織に勝ってくれれば確定。

どうやらマレー、錦織が有利である状況に間違いはないようです。

ちなみに金曜日はマレー vs. バブリンカ、錦織 vs. チリッチの順で試合を行います。
これは、もし錦織がチリッチに負けたら、マレーがバブリンカにわざとストレート負けすれば意図的に錦織を落とすことが可能になるため、そういうことが起こらないようにするために大会がこの順番にしたのだと思います。

※ もちろんマレーがそんな姑息なことを考えるわけはありませんが、仕組みとして100%起こらないようにすることが大会にとって必要なことです。

以上の条件は大会公式twitterアカウントが以下のようにつぶやいていますので、ご確認ください。

詳細な条件分け(11/18 8:35完成)

(1)マレー def. バブリンカ、錦織 def. チリッチの場合

以下により1位マレー、2位錦織。

マレー 3勝0敗
錦織 2勝1敗
バブリンカ 1勝2敗
チリッチ 0勝3敗

(2)マレー def. バブリンカ、チリッチ def. 錦織の場合

マレーは3勝0敗で1位。
残り3人が1勝2敗で並ぶ。得セット「率」で2位が決まる。

チリッチはストレートで勝利しても得セット率33% (得2 失4)
この場合の錦織の得セット率43% (得3 失4)を上回れないので敗退決定。

バブリンカと錦織の勝負となる。
(2)で最悪なのは、錦織がチリッチにストレート負け。バブリンカがマレーにフルセット負けの場合。
このとき、

錦織 得失セット数 3-4 → 得セット率 43%
バブリンカ 得失セット数 3-4 → 得セット率 43%
チリッチ 得失セット数 2-4 → 得セット率 33%

錦織とバブリンカが並ぶ。直接対決の結果を採用し、錦織が2位。

これ以外のケースでは錦織が得セット率でバブリンカを上回ることは自明なので割愛する。

(3)バブリンカ def. マレー、チリッチ def. 錦織の場合 

2勝1敗でバブリンカとマレーが並ぶ。
1勝2敗の錦織、チリッチがラウンドロビン敗退。

2人がタイの場合は直接対決の結果で順位が決まるので、

1位バブリンカ、2位マレー。

(4)バブリンカ def. マレー、錦織 def. チリッチの場合 

2勝1敗でバブリンカ、マレー、錦織が並ぶ。得セット率で決まる。

(4-a)
バブリンカ 2-1 マレー
錦織 2-1 チリッチ
のとき

バブリンカ 得失セット数 4-3 → 得セット率 57%
マレー 得失セット数 5-3 → 得セット率 63%
錦織 得失セット数 5-3 → 得セット率 63%

マレーと錦織が並ぶが、直接対決の結果を採用して1位マレー、2位錦織。

(4-b)
バブリンカ 2-1 マレー
錦織 2-0 チリッチ
のとき

バブリンカ 得失セット数 4-3 → 得セット率 57%
マレー 得失セット数 5-3 → 得セット率 63%
錦織 得失セット数 5-2 → 得セット率 71%

1位錦織、2位マレー。

(4-c)
バブリンカ 2-0 マレー
錦織 2-1 チリッチ
の場合

バブリンカ 得失セット数 4-2 → 得セット率 67%
マレー 得失セット数 4-3 → 得セット率 57%
錦織 得失セット数 5-3 → 得セット率 63%

1位バブリンカ、2位錦織。

(4-d)
バブリンカ 2-0 マレー
錦織 2-0 チリッチ
の場合

バブリンカ 得失セット数 4-2 → 得セット率 67%
マレー 得失セット数 4-3 → 得セット率 57%
錦織 得失セット数 5-2 → 得セット率 71%

1位錦織、2位バブリンカ。

I.レンドルグループの状況

条件付けする前に結果が出てしまいました。

ジョコビッチ def. ゴファン (モンフィスと交代)
ラオニッチ def. ティーム

1位は3勝0敗のジョコビッチ
2位は2勝1敗のラオニッチです。

錦織は2位通過ならジョコビッチと、
1位通過ならラオニッチと、
準決勝を戦います。

63 件のコメント

  • 2勝した時点であっさり通過、3戦目は補欠のゴファンを難なく料理したジョコビッチ。

    2勝しても、最後の最後まで準決勝進出が決まらないマレー。しかも、錦織選手にボロボロにされた後で、息を吹き返したバブリンカと決戦なんて。
    どこまで「死の組」なんでしょうね。

    マレーとやると、相手はボロボロになるんだよ、と言った人がいましたが、今や錦織君にその言葉がぴったりあてはまる。

    優勝はもちろん、錦織君にしてほしい。
    でも、それがかなわないのなら、栄光の瞬間は、こんなに苦労しているマレーにあげたい気持ち。

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  • 団長様
    詳細な条件分けの追記、ありがとうございます。

    可能性としては、錦織選手が2位通過してSFジョコビッチと対戦する確率が高い気がしますが、個人的な希望としては、なんとか1位通過してもらい、先ずSFで当面のライバルラオニッチと直接対決して勝ってほしい。
    一方で、今現在の真の1位はどっち?の興味から、マレーvsジョコの対戦も見てみたい。
    そして決勝で、錦織選手とマレーかジョコの勝者が対戦し、錦織選手が優勝したら最高!!…と妄想してます。

    …その前に、先ずはチリッチ戦応援に集中ですね!

      引用  返信

  • おはようございます。

    錦織選手の決勝ラウンド進出は確率的にも高いのですが、やっぱりチリッチにはスキっとバーゼルのリベンジをして欲しいです。

    とはいうものの・・・個人的には、チリッチ戦の翌日に控える準決勝(対戦はジョコっぽい)がロンドンファイナルのヤマに思えるので、そこに照準を合わせて無理はして欲しくない気もしています。(仮にチリッチに負けても決勝ラウンドに進んでファイナリストになれば年度末ランキング3位、ならなければ5位になる?)

    あと・・・
    錦織選手のスタミナ回復具合はどうなんでしょうか?
    錦織選手は心も体もスタミナのある選手で、そこが彼の持ち味だと思いますが
    あの物凄かったマレー戦では、最後に気力を振り絞って意地を見せてくれただけに、ちょっと心配です。

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  • 試合後の錦織とマレーの握手している写真で何か心をくすぐられましたよ。
    フェデラー、ナダル、ジョコは割と早くに錦織を認めてくれていましたが、どうもアンディは「まだまだ認められん」って雰囲気だなぁと思っていました。
    過去の錦織戦後のインタビューも錦織に対するコメントは少なかった印象です。
    今回、試合後の握手であんなにアツく目を見て話しかけてくれたのはあまりないのではないですかね。
    同じく戦後のインタビューでも錦織評を沢山話してくれました。
    そういえば、「あっちこっちに打ち分けるのが誰よりもうまいんじゃないか」っていうセリフは、ナダルの「テニスで一番難しい打球方向の変更をいとも簡単に行う」っていうセリフと一致しますね。
    飾らない印象のマレーが言ってくれると喜びもひとしおですね。

      引用  返信

  • 2戦を終えて、マレーのRR通過が決まってなくて良かったとつくづく感じます。
    仮に通過が決まってのバブ戦であっても、ジョコとのランク1位争いが絡んでますからマレーは+200ptを狙うでしょう。それに当然1位通過がベストですから消化試合にしないと思うものの、錦織戦のダメージが予想以上に残っていたら「ムリせず(バブリンカに負けて)最悪2位通過でもやむなし」という選択肢をマレーに与えてしまうことになりました。マレー敗退となれば、錦織選手には「チリッチ戦必勝」のより強い重圧がかかりますもんね。

    チリッチがデ杯決勝も考慮し錦織戦を消化試合と捉えてくるのか、WTF3連敗&錦織選手のリベンジ阻止に全力で向かってきて+200ptを狙ってくるのか・・・。始まってみないとわかりませんが、どんな状況での試合になろうとバーゼルのリベンジを錦織選手が果たしてくれることを信じて全力応援です^^/

    PS マレーも応援します^^(バブリンカ推しの皆さん、ゴメンなさい^^;)

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  • 団長様 数字が頭の中をぐるぐる回って あーややこしやーと思っていたら 誰かが仰ってました痒いところに手が届いた記事をありがとうございます。
    いまだにマレーにもRR敗退の可能性があるとは さすが死の組ですね。
    今更ながらですが シーズン最後の最後まで豪華メンバーによる死闘が見れて しかもその中に日本の選手がいて我を忘れて応援できる幸せを感じてます。改めて錦織選手に感謝 感謝です。とりあえずチリッチに勝利ですね。

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  • @すぅー
    バーゼルでの 錦織は未だ 背筋と腰が 解けていませんでしたので 今の錦織を 875 としたら 675 位だったと推しますので 予想としたら 錦織に有利だと 望んでマス!が 蓋を開けて見ないと 分からないのが テニスですネ!錦織 腹が座って来ました!熱戦になって切り抜けて呉れると頼れます。チリッチのティームは錦織をかなりスタディーしていた印象ですが?

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  • @節穴 さん、お返事光栄でございます^O^

    875?675?ちと解読が難しかった(笑)ですが、錦織有利を望むキモチは私も一緒です♪

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  • マレーが今日デイセッションの理由ですが、海外の人の情報によると、BBCがデイのテレビしか放送していないため、マレーをデイに入れるリクエストをしているとのことですよ。
    普通であれば、圭君ーチリッチを先にいれたほうが、消化試合がなくなりますよね。

    ところで、こちらにマレーの試合後のインタビュー英語バージョンです。
    http://www.asapsports.com/show_interview.php?id=125531

    日本語になっている記事と比べてみると面白いかもしれません。既出かもしれませんが。。

    あまり日本語の記事になってないところとしては、試合が長くてタフだった理由の1つに圭君のサーブにフリーポイントが全くなかったことだと語っています。
    幸運にも僕にはいくつかサーブのフリーポイントがあって助かったと。

    むむ、相手をもタフにしてしまう圭君のサービスポイントの無さ 笑

    それから、圭君が良いプレーをしたときに何故かやってたガッツポーズは、自分に対する皮肉を込めていたらしいです。根っからの皮肉屋さんなんですね。

    それにしても、今日のスタン対マレーはどっちを応援すればいいのでしょ?
    とりあえず3セットの熱戦を希望すればよいのでしょうか。圭君はサクッとお願いします!

      引用  返信

  • ebicci さん
    マレーがデイセッションの理由は、BBCのリクエストもあるみたいですけど、奇遇さんが仰っているスケジュール上の都合が一番シンプルな理由だと思いますよ。マレーとスタンの2人が決勝ラウンドに進出する可能性もあるわけですから。(ないと思ってるけど…。)

    マレー、一昨日の試合は、いつもよりセルフトークが少なくて錦織くんのポイントで小さくガッツポーズしたりして不気味でした。自虐的な意味でのガッツポーズだったんですねw。
    皮肉屋さんなアンディも結構、自分は好きだったりしますけどww

    今日は、是非是非、マレーを応援しましょう📣
    決勝でアンディvs.ケイの再戦を希望します!
    もう1度、Epic Battle が見たいなあ^^

    チリッチ戦はストレートでリベンジ希望です。明日、仕事なので7時までに終わらせて頂きたいです。

      引用  返信

  • @FUMA さん

    同感です。ちょっとジョコさんはラッキー過ぎですよね。(ラオくんも)選手ご本人には何の関係もないことですが。

    >優勝はもちろん、錦織君にしてほしい。
    でも、それがかなわないのなら、栄光の瞬間は、こんなに苦労しているマレーにあげたい気持ち。

    本当にそう思います。

    マレーさんには年間1位を取って欲しいのでジョコさんの上を行って欲しいです。

      引用  返信

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。