ガットのテンションを20ポイント変えると、ボールの到達位置がどれだけ変わるか(テニスの物理)

【お願い】明日の錦織圭トークイベント@南砂町に参加される方、いらっしゃいましたら、簡単で良いのでどんな感じだったかレポートしていただけないでしょうか。どうかよろしくお願いしますm(_ _)m

インパクトにおいて、ボールがラケットに接触している時間は0.005秒前後だそうです。

この時間は、スイングを多少速くしたり、多少速いボールが飛んできたところで、ほとんど変わらないそうです。
(変化の方向としては、これらは接触時間を短くします)

しかし、ガットのテンションを上げると、多少は接触時間が短くなります。

例えば50ポンド(接触時間0.005秒)から70ポンドに変えると、接触時間が0.001秒短縮されて0.004秒になります。

(出所:Cross & Lindsay, “Technical Tennis”, pp.84)

仮に時速80kmでラケットを振っているとすると、この0.004秒とか0.005秒の間にラケットが進む距離は以下の通りです。

50ポンド(接触時間0.005秒)・・・11.1cm
70ポンド(接触時間0.004秒)・・・ 8.89cm

その差・・・2.21cm

と、この数字だけ見れば、大差ないように見えます。2cmなんて、指1本分くらいですから。

しかし、この接触時間の違いを、実際のスイングに当てはめると、ボールの着地点に対して意外と大きな違いを生み出すことが分かります。

今、ベースラインの位置から「完全に」地面に水平なスイングでボールを打つ場合を考えます。

スイングスピードは80km/h、スイングの半径を1mとします。

この場合、接触時間0.005秒と0.004秒の差、0.001秒の間に、ラケットは1.27度も回転するのです。

つまり、同じ位置から同じラケットを使い、同じスイングした場合、ガットのテンションが20ポンド違うと(50ポンドと70ポンド)ボールの飛びだし角度は左右方向に1.27度も違うということです。

この角度の差によって、ベースラインから打つ場合、反対側のベースラインに到達するときには左右方向に約50cmの差が生じる計算になります。これは無視できません。

左右方向の差ならまだましで、上下方向にラケットを振る場合の1.27度の差は、ボールの落下地点の差に対してもっと大きな影響があるでしょう(計算していません)。

マッケンロー(40ポンド以下)とボルグ(80ポンドくらい)の2人だとその差はますます大きいものとなり、仮に2人がラケットを好感してプレーしたら、少なくとも最初のうちはむちゃくちゃになるのではないでしょうか。

ボルグのフォアハンドはアウトしまくり、マッケンローのコーナーを狙ったボレーはサイドに切れていくかボルグの正面に飛んでいくことになるでしょう。

しかし安心してください。普通は20ポンドもテンションを変えることはないでしょう。せいぜい2~5ポンドくらいじゃないでしょうか?

このくらいだとそれほど飛び方に違いがでないので、差を感じない人も多いと思われます。

ただ、元々緩んでいたガットが切れた直後にガット張りたてのラケットを振る場合もあると思うので、そのような場合は結構なテンションの差があることになるでしょう。

フォアハンドが思ったより右に飛んだり、下に飛んだりしたときは、ガットのテンションがいきなり上がったからかもしれません(右利きの場合)。覚えておいて損はないでしょう。

1 個のコメント

  • 1/1000秒の接触時間の違いが到達距離にすると50センチもの違いになるのは驚きました。
    重量やバランス、SW、テンションにしてもラケットの微妙な違いが感覚として大きな違いになるんですね。安定したコントロールにはラケットも安定してなければならないということでしょうか。

    「テニスの物理」シリーズ指定副教材の「Technical Tennis」が昨日届きました。ばーっと見たところ平易な文で難しい単語も使われていないようです。何より挿絵が多く用いられていて理解の助けになりそうです。辞書を片手に少しずつ読んでいこうと思います。分からない文があったら解釈を質問させてもらいますのでどなたか英語の得意な方、よろしくお願いします。

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。