錦織圭、攻めの姿勢を貫きベスト4入り(2012楽天オープン準々決勝)

はーなーぢーでーてーもーうーたー

2012 Rakuten Japan Open ATP 500
Quarterfinals
Kei Nishikori [8] def. Thomas Berdych [2], 7-5,6-4

多くの方が現地で、WOWOWで、ニュースでご覧になったと思います。

錦織圭、楽天オープンベスト4進出でございます!

ベルディヒは過去2度勝っている相手。

しかし前回のモンテカルロ準々決勝では、序盤圧倒しながらも最後は底力を発揮されての逆転負け。世界6位は伊達ではありません。2008年ジャパンオープン(当時はAIGオープン)を制したころは精神的に脆いところが残る20位前後の選手でしたが、2009年ウィンブルドン準優勝のころから精神的にも成長。トップ10に定着した強い選手です。

最近の成績や勝った相手、今大会の勝ちあがり方を見ても錦織不利との下馬評でした。それがふたを開けてみれば完封と言ってよいほどの見事な勝利でした。

勝因はいくつもありますがショットで見ればまずリターンでしょう。手が届く範囲に来れば200km/h超えサーブだろうが跳ねるスピンだろうが確実に返していましたし、セカンドサーブに対するアタックも精度よく、ミスがありませんでした。

加えてポジションを前に取った攻撃的なストロークの姿勢。ミスは出していましたが、それを恐れずに果敢に攻めて行った結果、ベルディヒに大きなプレッシャーを与えることができました。しかもそれを最初から躊躇なく行っていったところが良かった。

ベルディヒはサーブとフォアの力で相手を圧倒する攻撃的なテニスが身上です。

「まずはラリーを続けて調子を出してから~。」のような悠長なことを考えていたら、自分が調子を出す前にベルディヒの方が先に調子を出してしまいます。

そうなってしまったらフェデラーですら敗れてしまうこともあるのですから、錦織の取った「先制攻撃」の戦略は極めて正しいものだったと言えるでしょう。

また今日の錦織は気迫が違いました。

オリンピック準々決勝・デルポトロ戦でも同じような気迫を感じ、それはプレーの積極性や動きの激しさによく現れていましたが、当時は結果には結び付きませんでした。

今回は地元日本での開催であり、また今年の成績は悪くないものの上位ラウンドでの結果が振るわず、自分でももう一段上の結果を熱望していたのでしょう、全く迷いが感じられませんでした。

「攻撃的なプレー」をするだけなら誰にでもできます。しかしそれは正しい戦略と正しいショット選択を伴わないと、単なる「馬鹿打ち」になります。今日の錦織はブロックリターンとフルスイングのリターンの切り替え、ストレートを打つタイミング、時間を稼ぐためのリカバリーショットの選択など全てが当たっていたと思います。そして最終的にはフォアで、バックでドカン!です。有明の大観衆からは幾度となくどよめきの声が上がりました。

思えばこのような結果を出す素地はありました。期待が大きく高まった今年、その期待に答えるだけの十分な結果を残すことはできていなかったかもしれませんが、どんなレベルの大会に出ても2回は勝つことが多く、安定した結果は出していました。

また負けた試合もごく数試合を除いては内容が評価できるものが多く、相手の良いプレーに阻まれた試合も多くありました。

以前の爆発力がなくなったことが指摘される一方、安定感は着実に上がってきており、この内容ならいつか大きな結果が出る、でない方がおかしいと私は常々思っていました。(そしてそれが確率・統計というもの!)

本日、プレッシャーの大きくかかる楽天オープンで一皮むけるベスト4進出、そしてさらに上に行ける可能性を残しています。ファンをやめると言った方はこれを見てから判断しても遅くはなかったのではないでしょうか?www

ここにきての2大会連続ベスト4(以上)は錦織の実力からすれば驚くべきことではありません(ただし今日の試合内容には十分驚いてくださいw)。なかなか勝てなかった楽天オープンでここまで勝ちあがったことで、プレッシャーも多少はやらわぎ、自信もついたことと思います。

次の対戦相手バグダティスは対戦成績も0勝3敗で悪ければプレースタイル的にも得意ではないと思われます(フラット系ストローク、カウンター上手い)。ですが今日の内容ができれば十分に勝てると思いますので、大応援を味方につけてもう一段突き抜けてほしいです。

本日の試合のポイント

  • 序盤から錦織の怒涛の攻撃。ミスをしてもひるまず攻撃し続け、それが身を結んで先にブレイクした。
  • ベルディヒの逆襲。ブレイクバック。しかし錦織のまずいプレーではなくベルディヒを褒めるべき内容。
  • 5-5から錦織が緩急をつけベルディヒに考える時間を与える上手い戦術。ベルディヒにプレッシャーがかかり、サーブの確率ダウン。
  • セカンドサーブを叩いてブレイク、1stセットを取る。
  • 1stセットを取られても気落ちしないベルディヒ。
  • 錦織は息切れか?ストロークミス連発でブレイクされる。
  • しかし即座に切り替えてあっという間のブレイクバック。その後再び攻撃的プレーが冴える。
  • サービスも尻上がりに調子を上げ、速度は常時180km/h以上、コースも厳しくなる。
  • 観客と一体化した大きな盛り上がりのなか、一気に押し切って感動の勝利

準決勝はため息禁止!

錦織がミスをすると「あー・・・・・・」と大きなため息がもれます。

気持ちは大変良く分かるのですが、現地応援組は極力これは控えましょう。

確実に選手のメンタルに影響すると思います(伊達さんもよくTV等で言ってます)。

「ドンマイ」などと声を出して応援してもいいですし、恥ずかしければとにかく拍手をしましょう。声援も拍手も、選手は反応はしなくても絶対耳に入っています。少なくとも、ため息よりは錦織にエネルギーを与えてくれると思います。

ここで呼びかけてどの程度の効果があるかは分かりませんが、まずは自分から、できれば周りの人にも一声かけて実践していきましょう。

(画像はこちらのロイヤリティーフリー素材を使用させてもらいました。Blue-the-Echidna on deviantART

55 件のコメント

  • ベルディヒは怖くないがここのところの活躍で少し不安もありましたがそうよ!錦織君は負けないわよ!!
    なんて思っていてもさらに上回る素晴らしい勝利でした
    感動してよく眠れませんでしたわ

    iphoneのwowowオンデマンド応援でしたが会場の歓声やどよめきが伝わってきました

    会場組の皆様 バグダ戦の応援もガッツリお願いします

    ガンバレにしこり!

      引用  返信

  • 地元プレッシャの中、ニシコリ選手すごいです。
    デルポトロ、チリッチ、モナコの敗戦が糧になってると思います。
    バクダティス難敵ですが、もひとついってほしいところです。
    マレーは週頭のインタビューでGS以外も力いれるとか言ってましたが
    来週の上海MSも考えるとモチベーションはミロスかも。。。

      引用  返信

  • 初めてコメントさせていただきます。2008年のデルレイビーチの優勝で圭君を知り、それ以来のファンです
    いつもこちらのブログをのぞかせていただいています。団長さんの深い分析力と錦織愛に感服しています。
    錦織君の試合はこれまでWOWOWやGAORAあるいはライストで見るだけで、今回の楽天オープンが待望の初観戦です。1回戦、2回戦、準々決勝と観戦しました。昨日のベルディヒ戦最高でした圭君のベストゲームでは。圭君の強さを改めて実感しました。こんな試合を生で見られたこと、本当にうれしくて、うれしくて。
    今日も有明で応援するぞ勝利を目指して、頑張れ、圭

      引用  返信

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。