錦織圭の2016全豪を大分析(その2) サーブスタッツ詳細編

サーブのスタッツ詳細編です。
今回も公式記録からです。
書いてみましたが、少々議論が発散気味に感じるかもしれません。
分かりにくかったらコメント欄で質問をお願いします。

サーブのデータ詳細版

サーブ速度


最速サーブ、1st平均、2nd平均です。
何となく後半に行くに従って速くなってきている感じかな?
ジョコビッチ戦は平均184km/hと速く、やはり積極的に打っていったことが分かりますね。

調子が良かった(エース13本、DF1本)はずの2回戦は174km/hと最も遅いのが意外に感じますよね。
実はこれはカラクリがあって、2回戦は左利きのクライチェクとの対戦ということで、デュースサイドからワイドへのスライスサーブを多用したことで平均スピードが遅くなったのでした。
このコースへのサーブは回転を多くかけるので、他より20~30km/hほど遅いです。

2016aur1r_totalsvin2016aur2r_totalsvin
左が1Rの1stサーブのコース配分、右が2Rです。
一目瞭然、クライチェクのバックにサーブを多く集めていることが分かりますね。
(22と書いてあるコース)

クライチェク戦、デュースサイドからセンターへは平均191km/hでしたが、ワイドへは153km/hでした。
ワイドへ多く配球したことで全体の平均速度が下がっただけで、その部分を補正すると平均180km/hは出ていた計算になります。

ワイドサーブも他の試合では160km/h以上なので、この試合ではクライチェクのバックをコントロール良く突くことを心がけていたことが分かります。

サーブの打ち分け

1stサーブのコースの打ち分けデータ。デュースサイドとアドサイドに分けています。


両サイドとも、思ったよりフォア(右利きの場合)に打っているなという印象。特にアドサイドはフォアへのサーブの方が多いくらいです(ただし左利きのクライチェクに対しては既述の通りバック狙い)。
特にコールシュライバーに対してはアドサイドからフォア狙いの傾向が顕著でした(1Rのオレンジ色、43%の部分)。

アドサイドからは真ん中に入る割合が高いです(赤いエリア)。そんなにボディ狙いをしていた印象がないので、ひょっとしたらコースが甘く入っているのかもしれません。

続いて2ndサーブのコースです。

母数が少ないのでかなりブレたデータになっていますが、2ndサーブではフォア側(右利きの場合)にあまり打っていません(デュースサイドの青、アドサイドのオレンジ)。
ただし左利きクライチェクに対してはここでもバック側(右利きのフォア側)に多く打っています。つまりこのコース打てないってことではないはずです。

他の選手もこういうコース配分の傾向はあるような気がしますが、1stと同じように打ち分けるようになれば、道が開けるような気がします。
特にジョコビッチに錦織がやられたように、アドサイドからのセンターへのセカンドサーブ。
練習量でどうにでもなると思います。なぜなら、左利きの選手はこの右利きのこのコース相当の場所に頻繁に打ってくるからです。
他の選手のデータと比べたいですね。
錦織だけの傾向なのか、みんな似たようなものなのか。

サイド別得点率

デュースサイドとアドサイドでどちらが取れているのか?という興味が結構あるようなので調べてみました。


これを見る限り、3Rのガルシアロペス戦で1stサーブ・アドサイドの得点率が低かったことが目立つものの、デュースとアドでどちらのサイドの得点率が高いか、明確なことは言えないと思います。
2ndサーブはアドサイドからの得点率が高いように見えますが・・・2ndサーブは1試合あたり、各サイド10本ずつくらいしか打っていませんので、もう少し試合数を増やしてチェックする必要がありますね。
1本入るか入らないかで%が大きく動きます。

16 件のコメント

  • 団長さんの分析スピード早すぎませんか??
    やっとその1のコメントを読み終えたところです。
    アド・デュースサイドサービスの件に関心を持っていただいた方、ありがとうございます。
    早速データにして頂いたみたいです。
    ありがとうございます!
    でも後でゆっくり読んでゆっくり考えてコメントします!!

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  • 団長様 非常に興味深いデータありがとうございました。
     
     サーブの分析は非常に難しいですよね。母数を大きくして(何十試合か通して)、全体の傾向がどうなっているのか。それと、試合ごとに一本一本データを取って(その場合は1stがフォルトでも選んだコース、球種、速度をとって)どうなっているのか。マクロとミクロ?この二つをやらないと見えてこないですよね。
     私も気になってデータを取ろうとしたことがありましたが敢え無く撃沈しました。1セットだけでもデータを取るのに2時間くらいかかるんですもの。

     質問というわけではないのですが、球種(フラット、スライス、スピン)が、それぞれのサイドでどのように使われているのかのデータがあると皆さん参考になるのではないかと。更に、それによってそれぞれのコースにおけるサーブスピードの違いも説明できますし(例えば、アドサイドのwideはスピンを多く使っているからサーブスピードが落ちますよ、みたいな)。あと、スピードのばらつき(分散)のデータがあると、平均だけでは見えてこないものが分かるのになあと思います。
     だったら自分で調べろよって話なんですが・・・。一度挫折した身なもので、誰かやってくれないですかねぇ。

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  • だんちょ、さっそくに続編ありがとうございます!これからも、時間があったらデータの分母を増やして、チームニシコリにいつか参加できたら、、、♪なんて、妄想しましたよ。
    この間のジョコvsシモン戦なんかは、たくさんのプロがデータ分析してるんでしょうね!
    ね!だんちょ!

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  • 改めまして団長さん、データありがとうございます。
    ひと風呂浴びで頭すっきりしました。
    アド・デュースサイドサービスの件はpoints wonではなく、サービスの確率のイメージでしたがこちらのデータも興味深いです。
    質問ですがmiddleというのは①ボディ狙い②ボディ狙いだけど甘くなった③入れに行っている、ということなんでしょうかねぇ。

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  • 素晴らしくクイックな分析アップですね。さすが。

    やはりフラット中心の1stサービスではアドコートのワイドの割合は少ないですね。

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  • はじめてコメントいたします。いつも拝見させていただいております。1st、2ndデュース・アドのコース別ですが、1stは散らすこと、的を絞らせないことを重視、2ndはスピード不足を補うために相手の弱点を突くことを優先した戦略という印象を受けました

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  • 一試合ごとのスタッツは見ることあっても、ツアーを通しての…はないので、この企画は良いですね。サービスのデータ、面白いです。

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  • こういうデータ記事大好きです。むちゃくちゃ興味深いです。(理系。。)
    グラフでデータをビジュアライズすると意図が見とれて分かりやすい!左利きにはバックを狙っていったとか。
    対ジョーカーでは1stのボディーサーブが少ないのはやっぱりリターンが怖いからですかねぇ。でもそのわりには2ndはボディー多いですね、なんでだ。ジョコのフォアは相当怖いんだな。ソンガのフォアも警戒してますな。
    などと考えてしまいますね。楽しいです。

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  • 私は理系ではないので、数字には弱いのですが、こういうきちんとしたデータをチームKの方々は勿論分析されているんですよね。思わずこの分析も指標の1つとして、チームの方も圭君も参考にしてもらいたいな、などと素人考えですが、思ってしまいました。団長様お忙しい中、早速に続編をありがとうございます。

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  • だんちょ、さっそくありがとうございます。
    こうして、データをみると、印象としてうけていたことが明確化してよいですね~
    対ジョコ戦、他の選手のデータもみてみたいです。
    そこから何がみえてくるのか興味あります~

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  • 相手にもよるけれども、ボディへのサーブって案外多いのですね。
    何となく、少しコントロールが狂ったら超打ちごろになりそうなので、多用しないものだと思い込んでいました。基本、センターとワイドに返しにく~いのを打って、たまにボディ狙って驚かすとか…。
    プロがそんなにコントロール狂わすはずもないか。
    観戦中の“サーブをどこに打つか当てっこ”も好きです。データから推測できたら、当てる確率も上がりますね。

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  • ボディサーブは準決勝のラオニッチ対マレー戦が印象的です。あのマレーが何とか当てて中ロブぎみに返すしかできない、そんなシーンが何回もありました。そのせいかワイドやセンターのサーブへの反応が遅れた感じもありますし、今後リターン巧者には多様してくるかもしれません。

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  • 毎回読ませていただいてますが、前回のその1と今回、マジに興味深く読ませていただきました!!

    今まで感覚的にとらえていたのがデータ化されてスッキリした思いです。
    思い違いもありましたが…(笑)

    お忙しい中、色々とありがとうございます。

    個人的には、アドコートからセンターへのスライスサーブ、めっちゃデュースコートに切れてくやつ、あれもっと見たいです。

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  • 団長さま ありがとうございます

    その1に続き こういうデータ記事 すごく楽しいです!
    ガオラの放送で観る ATP UNCOVEREDでも時おり選手たちのデータが紹介され いつも興味深く観てましたが このように詳しく圭くんのプレーをデータ化して下さると 試合の録画を見直す時にまた違う視点で観られて面白いです
    これからもご無理のない範囲でよろしくお願いします(^人^)

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  • 今週末に準々決勝のジョコ戦録画を見て、サーブの状況を

    セット
    ゲーム
    サイド(Deuce/dvan)
    1st/2nd
    コース(Center/Body/Wide)
    結果(Let/Ace/Fault/In)
    ポイント(Lost/Won)
    スピード km/h

    あたりを集計しようと思ってました。なのに、公式記録でそんなに詳しく
    載ってるんですか!?
    AusOpen 公式アプリのスタッツではそこまで載ってなさそうな・・!?
    ソースはどこですか?ご存知の方、教えてくださると嬉しいです!
    今回は団長が分析してくださってるので納得なんですけど、今後の参考にまで
    知りたいです~。

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。