フォアの不調は緩いストリングのせい?(2018ダラスCH2回戦 vs. バッヒンガー)

2018 Dallas (Challenger)
2nd Round
Kei Nishikori [1,WC] def. Mattias Bachinger, 4-6,6-4,6-4

先週が30点、昨日が50点で今日はまた30点に戻ってしまいました(笑)。

でもいいんです。先週の試合ではファイナルセットに勢いを持ち込むことができませんでしたが、今日は持ちこたえた。
内容が良かった1回戦の調子を持続できるかどうかに注目していましたが、その心配は当たってしまいました。
まだ実戦経験を積むことが必要ですね。
その反面、「勝負所を抑える」という点では良かったですね。
ファイナルセット、危ない場面がありながらも先にブレイクしたのは錦織。
最後は加速してサービスゲームを取る強い勝ち方は復帰前を思い出せるものでした。

技術的にはフォアハンドが良くありませんでした。
最初の3ゲームまでで落とした8ポイントが全てフォアのミスという極端な状態。
その後も上下左右全ての方向にミスを重ね、ピンチを度々招きました。

特に、低い球を持ち上げるときにボールが上に上がってしまい、アウトになる傾向が見られました。
先週、(手首への負担を減らすためか)37ポンドまで下げたというテンションの影響のように思えました。
今日のテンションはどのくらいだったんでしょうか?

テンションを緩めると、反発力は落ちますがボールとストリングが接触している時間は増加します。
40ポンド以下では顕著に増加するというデータが得られています。
(Brody著 「テニスの法則」 9ページより)

するとどうなるかと言うと、下から上へのスイングではボールは上に上がりやすくなることになります。
クロスに引っ張ったショットが引っ張りすぎてサイドアウトに良くなっていた傾向からも、テンションが緩い影響があったのではないかと推測します。

これを抑えるためには

(1)面の角度を調整する(下向きにする)
(2)スイングの垂直成分(下から上)を抑え、水平成分(後ろから前)を増やす

ことが必要ですが(2)の対処がボールに威力を加え、誤差を少なくなるので好ましいです。
錦織も途中からそれに気づいたのか、上に振らないスイングを試していましたが、今度はネット。
こうなると迷いが生じてしまい、フォアを打つのを敬遠しがちになってもおかしくなかったのですが、錦織は気にする様子もなく最後までフォアを打ち続けました。
今日の勝ちだけにこだわったらいろいろと策はあったと思うのですが、先のことを考えてか試合の中である程度修正できたのは今後を考えると良かったですね。
(いや多分、錦織はあまり問題にしてなかっただけだと思いますが・・・)

1stサーブの確率が51%、ポイント獲得率が61%(途中まで50%台でした)だったことが課題でしょうか。
サーブが入っても攻め球のミスをしていたことが苦戦の原因だと思います。
これがもう少し入ってくるとかなり楽に勝てるようになると思います。

それにしても、これまでのことを考えたらまた明日も試合が見れるのは幸せですね。

53 件のコメント

  • 2回戦勝利おめでとうございます。第1セット、第2セットは共に、手首をきにしてか、ラケットへの順応に試しているのか、恐る恐る感が見えたような気がしますが、第3セットは決めたいときに厚いショットが見られたように思います。一歩一歩。

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  • お早うございます。
    錦織選手、連戦勝利おめでとうございます。
    今回の2R、試合中でも修正能力をいかんなく発揮できたようで嬉しいですね。映像は5戦まとめて(決勝進出前提で(笑)す)週末にまとめて観戦する予定です。

    ゆうたさまご紹介の一問一答に、フォアのミスが続いたのは「コートが速かったり云々」とありますね。こういった繊細な感覚、コートが速く(または遅く)感じる、ボールが重く(または軽く)感じる、相手ボールがフラットに(またはスピンに)感じる…等も、複数の大会で実戦を多くこなすことによって研ぎ澄まされていくのでしょうね。

    さあ、あと1時間足らずでQF。ライスコちら見で応援です。バーニーCHでは西岡選手が一足先にSF進出しました。
    錦織選手、頑張って!

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  • 連続投稿失礼致します。

    今回の件について陣営はどう考えているのかな?と思っていたら、正にグッド・タイミング。チャン・コーチとダンテ・コーチのコメントが記事に。ATP Challenger公式より。
    <Chang: Hard Work First, Results Later For Kei>
    http://www.atpworldtour.com/en/news/nishikori-chang-bottini-feature-dallas-2018
    本文は全部端折って両氏のコメントのみ超意訳で。以下チャン・コーチはC氏、ダンテ・コーチはB氏で。

    C氏:彼は日に日によくなってるよ。デニス(ノビコフ)にNPBで負けたけどここで大きく違ったね。5ヶ月も試合をしていないし、観客や雰囲気に慣れて実戦をこなすのはいいこと。

    B氏:1RはNPBより遥かによかった。自信を持ってよりよく考えてプレイしていた。実際改善されているよ。いい精神状態で勝っているのを見れて嬉しいね。
    もっと試合が必要。それがCH出場の理由。数ヶ月練習したけど、彼に必要なのは試合、マッチ・ポイントのかかるシチュエーション。試合でその経験を積むことだよ。

    C氏:試合でのタフネスを取り戻さないと。取り戻しつつあるね。
    今は段階を踏んでいるんだ。正しい視点でやり続けるようにと言ってるよ。実際彼はハード・ワーク、練習、練習試合、主要な試合、と段階を踏んでどんどんよくなっているよ。
    目標は「やりたいプレー」ができるようになること。「トップ・プレイヤーを倒せていたプレー」「ランク4位になれたプレー」を取り戻すこと、それが大事。だから現時点では勝敗は気にしていない。僕の目標は、彼が日々100%努力すること、そこからだ。

    B氏:日々健康でとにかくたくさんの試合をこなすこと。それはきっと僕たちが望む、そして彼がこの数年いたレベルに達するのに役立つはず。ランキング等は全然。1試合1試合をこなして健康を維持する。結果はおのずとついてくるよ。

    C氏:NYまでに、彼が試合でのタフさを準備し、ATPツアーをスタートできるような気持ちになっていて欲しいね。

    選手と陣営のベクトルの方向はピッタリ一致しています。
    そしてチャン・コーチ、やっぱり彼もNY250を本気で取りに行って欲しい、いや彼自身も取りたいようですね(笑)
    錦織選手、頑張って!

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。