続・左利き=アドサイド?

左利き=アドサイド?」という記事で、なぜ左利きにはアドサイドでリターンする人が多いのでしょうか?という疑問に対する答えを募集したところ、数人の方から返事がありました。

以下、こちらに転載します。

BAKOさん
私は左利きではないのですが、
おりしも昨日の伊達さんの公式ブログに
初めてペアを組んだ左利き選手との、
ポジショニングの事が書かれてました。
ちょっと、ご参考までに。

なるほど伊達さんのブログには「左利き(中略)ということは二人ともアドサイド」ってありますね。
http://ameblo.jp/kimiko-date/entry-10169643160.html
ということは、やはりプロでも左利き=アドサイドが多い、という認識があるということですね。

たにさん
・ワイドに振られた時、リーチがある方がいい(ただし両手バックの人に限った話)
・フォアハンドの方が得意/威力があるので、使う機会が多いサイドを選ぶ

思いつくのはこれくらいですが、どちらもグラウンドストロークの話、つまり雁行陣主体で戦うレベルの話であって、主に平行陣で展開するレベルの人には当てはまらないと思います。

そういえばブライアン兄弟は左利きであるボブの方がデュースサイドでプレーしてますよね。
プロのダブルススペシャリストの間ではどちらが主流なんでしょうね。

「フォアハンドの方が得意/威力があるので、使う機会が多いサイドを選ぶ」

そうなんです、ここがキーですよね。
バックの方が得意というプロ(アマチュア上級者も)はたくさんいますが、威力に関して言えばやはりフォアハンドに分があります。

ボブ・ブレッドはフォアに回り込むことを重視した指導をしますし、ビッグサーブとビッグフォアハンドを持つことが現代のテニス界では必須であると説いています。

10さん
はじめまして。いつも拝見させていただいております。
当方、左利きの大学生です。

自分もやはり主にアドサイドでプレーします。
きっかけは、テニスを始めたばかりのころに部活の先輩から「左利きはアドサイド」と教えられたことです。

「左利きはアドサイド」の理由は、
初心者レベルでは、サーブがセンターに来ることが少ないので(来ても十分回りこめる)フォアでたくさん打てるからだと思います。そしてそのまま続けるうちに、バックの逆クロスも得意になってきて、上達してからもアドサイドが定着したわけです。

プロの選手は左利きデュースが多いと聞いたことがあります。
レベルが高くなると、リターンに角度をつけられないようにセンターにサーブを入れることが多くなるため、センターをフォアでリターンできるように、という理由だったと思います。また、左利きがデュース、右利きがアドだと、ペアがリターンするポイントで、ポーチをフォアでできるのも利点だと思います。

以上、長々と失礼しました(間違ってるところがあってもご容赦ください!笑)

現役の左利きのご意見はありがたいですね。
やはり慣習というか、最初がフォアだったからという傾向は存在するようですね。

確かに上級者になるほどデュースサイドも苦にしなくなりますが、プロの左利きはデュースサイドが多いというのは本当なのでしょうか?ちゃんと統計を取っていないのでよくわかりません。

ただ、プロの試合ではセンターにサーブを入れることが多いというのは確かだと思います。
アマチュアではアドサイドは右利きのバックつまりワイドに入れることが多いと思いますが。
私もリターンの強い相手と試合するときは、センターの方がましだな、という印象を持っています。

ポーチについては私はバックの方がやりやすい(肩が前についているので、タイミングさえ合えば前で取っていいボールが行く)のですが一般的にはやっぱりフォアの方がいいんでしょうか??

たなーさん
このネタ、左利きとしては書かずにいられないのではないでしょうか。

左利きの立場ではを10さんの意見が大方当たってるのではないでしょうか。
つまり、テニスを始めた頃はやはり周りの右利きの人も同じレベル(初心者)で、ペアを組むとなるとまだバックハンドの苦手意識があるので(右利きは)アドサイドを左利きに譲る(任せる)
これが「慣例」となり、左利きもアドサイドの経験が多くなり、アドサイドの方が得意になってゆく
という図式だと思います。
本当は左利きにどちらが向いているという決定的な理由はないのに、そうなりやすい構造になっているということではないでしょうか。

ですのである程度のレベルになると必ずしも左利きがアドサイドということもないと思います。

「ペアを組むとなるとまだバックハンドの苦手意識があるので(右利きは)アドサイドを左利きに譲る(任せる)」

やはりここが肝だと思います。

前回記事では明記しませんでしたが、やはり左利きのアドサイドはフォアで打つ機会が多いということですよね。

回り込みフォアハンドが得意だったり、バックのクロスが得意だったりするとデュースサイドもOKということになるのではないでしょうか。

私が考える、「左利きアドサイド」の利点は以下のとおりです。

ストレートへのリターン打ち込みがやりやすい

バックハンドでストレートにリターンするのは、一般的にはもっとも難しい技術ではないでしょうか?
左利きアドサイドの人は、これをパワフルなフォアハンドで打ち込むことができます。

フォアハンドのショートクロスが生きる

私のペアの必殺ショットがこれです。
右利きのバックハンドではあの角度と落ち方はなかなかお目にかかることができません。
(おそらくプロは打てるのでしょうが)

「あ、左利きだった」ポイントがもらえるw

アマチュアレベルでは、これが最も大きな恩恵かもしれません。
左利きの人は少ないので、多くの人はvs右利き用に技術が最適化されています。

バックハンドで苦しくなったらクロスにロブ(=右利きのバックハイボレー)にロブをあげてしまいませんか?

バックのローボレーを打たされたら、アングルに落としたくなりませんか?

デュースサイドからのポーチ(フォアハンド)は、そのまま逆クロスに流したくなりませんか?

これらは、いずれも、左利きフォアハンドの餌食となりますwww

「あ、左利きだった」と忘れている場合はもちろん、十分意識していても瞬間的に反応する場合は身にしみついた癖はなかなか抜けるものではありません。

プロレベルではもっと自在にコースを打ち分けれるでしょうからこのメリットは小さくなる(あるいは存在しない)と思います。

以上が私の考える左利きアドサイドのメリットですが、もちろんセンターが二人ともバックハンドになるというデメリットはありますね。

総合的に見てどちらがよいかは、やはりケースバイケースで個別の判断になるのでしょう。

何はともあれ、世の中左利きアドサイドが多い理由はこんなところではないかと推測するわけですが、プロの統計でも取ってみますか???

とりあえず

ブライアンズ デュースサイド
マッケンロー アドサイド?
ウッドフォード 忘れたがアドサイドだった?

あーーーダブルスよく知らない・・・。
誰かお願いします・・・。

4 件のコメント

  • 以下jijiの独り言です。
    この件は、ラケットの進化が非常に関係あるのではないかと思います。
    昔々のことをお話ししますと、1970年代、世にあるラケットはウッドが当たり前で、我が国ではカワサキのオールマン、フタバヤのゴールデンショットがスタンダードの時代でした。コナーズが使用するようになってアルミ製のラケットを使用する人々がちらほら出てきたようにはなってきていましたが。
    後のボルグのようにウッドでもトップスピンを打てる人はプロでもいませんでした。フラット系かスライスまたはループ系のボールを操るのがせいぜいでした。(グリップはイースタンが主流で中にはフォアもイングリッシュグリップという人もいたような時代です。)
    またアルミといっても今のラケットのように強烈なスピンを与えるようなものではありませんでした。(コナーズはフラット、スライスの使い手です。)
    このような中、ダブルスの戦術としてはいかに早くネットをとるか、いったんネットを取ってしまえば、今と違いトップスピンのパスやロブを見舞われることはまずありません。(トップスピンといってあげたロブがちょうど相手の打ち頃のところに行っていました。)当時のダブルスの映像などがあればわかりますが、サービスはネットを取るための手段であり、滞空時間が長い対角線上に入れるかデュースサイドではフォアの逆襲をさけるため、センターにスピン系のサーブを入れるかでした。
    こうした背景から、アドサイドでは右利き相手にはバックハンド側をねらえば浮いた玉が返ってくるので優位に立てるというのが作戦でした。また当時バックのダブルハンダーも小数で、勢いアドサイドはフォアでドライブが打てるサウスポーが担当するのが常識となっていました。右利きのシングルハンドではスライスで相手の足下に落とすのがせいぜいの時代です。
    ※我々の世代では、唯一福井烈が強烈なバックハンドドライブを打ててましたが・・
    以上、長々と壺の奥から引っ張り出してすみません。

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  • jijiさん、素晴らしいコメントをありがとうございました。
    なるほど、道具の進化を考えたら、昔は左利き=アドサイドは至極当然の結論だったわけですね。よくわかかりました。

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  • 何げなく書いた「なぜ左利きのマッケンローがアドサイドに?」という私の質問から随分と面白く発展して、興味深く読ませていただきました。

    実は息子(全国高校ランキング保持者で左利き)とミックスダブルスをする際、彼はボブブライアンのようにデュースコートを選びます。息子がひさしぶりに帰ってきましたので、その理由を聞いてみました。以下は息子のコメントです。

    コーチ(複数の)からは、アドコートに行くように勧められたが、しかし最終的には、選手の好きなサイドを選んでもよく、自分はバックハンドが得意なのでデュースコートを選ぶことが多かった。僕がデュースコートに立つメリットは、ペアのポーチのリーチが広がり、過激なオフェンスチームをつくれるから。
    左利きがアドを勧められるのは、クロスコートのラリーは、相手がバックハンドで、自分がフォアハンドになるので有利。またサーヴをバックハンド側へ入れられてもフォアハンドになるので強力なリターンを返す事ができる。

    ということで、最終的にはペアとの相性と、自分の得意なサイドできまるみたいです。
    でも絶対やっていけないのが家族のペア。一度息子と草トーで大げんかになって大変でした。本当にブライアン兄弟はよくやります。

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。