錦織圭上限値上げた!ゾーンに入ったアンダーソンから3MPを凌いで奇跡の逆転勝利!(2017ジュネーブ準々決勝)

2017 Geneva (ATP 250)
Quarterfinal
Kei Nishikori[2, WC] def. Kevin Anderson, 2-6,6-4,7-6(6)

 スコアが示すとおりの大激戦、内容も、ファイナル終盤にゾーンに入ったかのように豪打をことごとく入れてくるアンダーソンに対抗し、ディフェンス力を上げ自らの上限値を久しぶりに上げました。序盤のまずさがあったので最高の試合とは言えませんが、勝負強さという面では今年一番の試合でしょう。ATP 250の試合でこれだけ熱くなったのは久しぶりです。体へのダメージが心配ですが、それ以上に収穫が大きかった試合でした。

 アンダーソン、凄かったです。いきなり220km/h台のサーブを連発し、リターンもガンガン攻めてきました。ストロークでも早い段階での勝負ショットが速く深くコートに突き刺さり、ショートラリーでのポイントを重ねていきました。ストロークでなかなか優位に立てない錦織を見るのは珍しいです。
 それでも1本だけ多く返せばもう少しアンダーソンのミスが見込めたと思います。そんなに連続してあのレベルのショットが入ってくるはずはないと思えました。
 それを証明するかのように、2ndセットはディフェンスで粘りが出始めた錦織ペースで試合が進みました。コーナーを狙ったサーブの確率を落としたアンダーソンは、このセット、1stサーブのプレースメントが甘くなりました。錦織は手が届く範囲に来たサーブは高い確率で返球し、ラリーに繋げ、徐々にストロークの主導権を握っていきました。
 ただ、良くなりながらもブレイクは1つに留まりました。攻め球のほんの1,2本のミスによって2ブレイクアップはなりませんでした。ここがファイナルセットの苦戦の布石となりました。

 1stセットの内容は正直、あまり良くなく、パワーに押されて対抗手段を見つけられぬまま迎えた2ndセットでした。ビッグサーバー相手にブレイク先行されたら、セットは落としてしまうことは覚悟しなくてはなりません。しかしそのセットのうちにキープできる目処は立てておく必要があります。それができず、2ブレイク目を喫して取られてしまいました。結果、2ndセットでの気持ちの切り替えが上手い錦織の良さが十分に発揮されたので事なきを得ましたが、非常に危険でした。

 ファイナルはお互いにキープをしっかり行い、レベルの高い試合となります。2ndを取られてずるずる行かず、再び1stセットの勢いを取り戻したアンダーソンは見事でした。それどころか尻上がりにどんどん調子を上げていき、ゾーンと言ってもいい状態に。全てのショットをハードヒットし、ほとんどが入ってきました。
 4−4アンダーソンサーブの0−30という、錦織にとって大チャンスからのサーブ4連発、そして次のゲームでリターン3連発。計7連発のビッグショットであっという間に3MPとなってしまったときは、負けを覚悟しました。負けたとしても悪くはない内容でしたが、それでも負けは負け、いくらアンダーソンが好調でも、62位。ATP250のQFという、今の錦織にとっては小さな舞台ということもあり、言い訳できない状況でした。しかしこの大会に「勝ちに来た」錦織。諦めずサーブをきっちり入れ、弱気にならず打ちきってピンチを切り抜けました。試合はどんどんヒートアップし、アンダーソンの強打の冴えに対抗するかのように錦織のディフェンス力が上がっていきます。傍目には最後までどちらが勝つか分からない試合でしたが、錦織は自身の勝利を信じていたように見えました。手首も今の所大丈夫そうだし、気力が充実してきていることが嬉しいです。

 相手にこのレベルのプレーをされたら、どうしても対抗しきれずに力尽きてしまっていたのが最近の傾向でした。昨年バーゼルのチリッチ、今年ブリスベンのディミトロフ、ブエノスアイレスのドルゴポロフなど。仕方ないという思いと、それでも何とか上手く凌いで・・・とも思わずにいられませんでしたが、今日の勝利で大きく状況が改善したと思います。これこそ錦織圭の勝負強さです。

 懸念材料はやはり体力の消耗です。明日も試合があり、勝てば土曜日も試合。日曜日から全仏です。さすがに考慮してくれると思うので日曜日に試合は入らないかも知れませんが、タイトなスケジュールには違いありません。ここでファイナルタイブレ、2時間半超えの試合をした影響がどう出るか心配です。

 明日の対戦相手はM. ズベレフです。
 ネットプレーの名手であまりいないタイプなので怖いですが、いろいろなタイプとの試合は錦織の試合勘ゲットに大いに役立つことでしょう。今日の試合でだいぶ、戻ったと思いますが。

 以上、ATP250にも関わらず鼻血出そうになってしまった試合でした。鼻血に値する試合でしたが、この後もっと鼻血な試合が待っていそうな気がするので、今回は我慢しますw

69 件のコメント

  • 今日は。
    小ネタ集です。
    新生ジョコビッチ選手、アガシ・コーチと共に始動。昨日パリで合流です。
    ノール公式Twitterより。
    https://twitter.com/DjokerNole/status/867806770273681409
    RG公式Twitterにも。
    https://twitter.com/rolandgarros/status/867706044398657537

    ノール公式インスタには新ウェアでの撮影風景。何だか爽やかですね。
    https://www.instagram.com/p/BUZT8VDjhjM/?taken-by=djokernole

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  • 連続投稿失礼致します。
    ジョコビッチ選手関連が一気にアップされていまして。彼が、アガシ氏とのコラボ理由を語った記事の抄訳記事です。
    <苦悩ジョコビッチを動かした「潰えない野心」 全仏連覇へ名手アガシ氏と共闘の理由>
    https://the-ans.jp/news/4405/

    元記事がこちら。「Sports Illustrated」より。
    <Why Andre Agassi is a good match for Novak Djokovic ahead of French Open>
    https://www.si.com/tennis/2017/05/24/mailbag-novak-djokovic-andre-agassi-rafael-nadal-french-open

    一方のアガシ氏もコーチ就任についてコメント、その抄訳記事です。
    <アガシ氏、ジョコの新コーチ就任を決意させたのは「妻グラフ氏」>
    http://www.afpbb.com/articles/-/3129643

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  • 3連続投稿になって申し訳ありません。
    ジョコビッチ選手のアガシ・コーチ。どうやら長期的なタッグではない模様。
    元記事では、RGも2週間丸々は帯同しないと。彼をコーチと呼ぶことすら、照れくさくて躊躇があるようです。30歳前後のスランプを乗り越えた経験者のアガシ氏に、あくまで助言を求める感じですね。ただその短期間で思わぬ化学反応が起きれば、その先はわからないとのこと。

    と元記事を読んでいたら、アガシ氏がその旨明言していましたね(笑) そして内助の功。シュテフィ・グラフ氏、現役時代は「私が私が」的な選手だと思っていたのですが、こんなに裏方に徹する方だったのがちょっと意外です。

    「Sports Illustrated」の元記事は質問形式で相当長く、シャラポワ選手のWC問題、セリーナ選手発言に見え隠れする男女賞金格差問題、フェデラー選手&ナダル選手の復活等についてもコメントしていますが、ここは無関係なので割愛。いずれ抄訳記事が出ればご紹介いたします。

    日本女子選手のブログや関連コラムを、フォーラム・日本選手「井戸端会議」トピにていくつかご紹介していますので、興味のある方はぜひ。

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  • @NORICHAN さん、皆様
    本日のタイム・スケジュールの件ですが、
    RGのドロー・セレモニーは、フランスの現地時間の正午(12:00)からのようなので、日本との時差7時間を考慮すると、
    日本時間19:00~ RGドロー・セレモニー
    になると思います。ドキドキしますね~。
    (でも、今日はその時間は飲み会・・・(><) )

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  • 今朝のATPホームページ読んでなんか凄い試合だったんだとわかったので咄嗟にテニスTVに加入しました。生で見てたら座って観ていられなかったでしょうが本当にいい試合でした。私の知っている錦織圭に久しぶりに会えて本当に懐かしいような喜びを覚えました。
    以前何度も覚醒してきましたが、ここを足掛かりに大きくはばたいてほしい念念!!

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  • 先ほど昨日のバブリンカ選手の試合を見ました。
    マッチポイントを何度も凌いだ錦織選手ほどではありませんが、
    バブリンカ選手も凌ぎましたねえ…。
    クエリ選手も長身でサーブとフォアハンドが強烈(; ̄O ̄)
    1セット目は錦織選手の試合と似たような展開。
    2セット目も同様に徐々にバブリンカ選手のプレーが上がり
    ファイナルで勝ち切りました。相手も似たタイプに見えました。
    錦織選手とともに昨年活躍してきた選手達がみな、今年に入って
    一筋縄ではいかない苦しみを抱えながら、復活の糸口を探っている
    ようで、応援したくなります。
    準決勝も両選手ともまた違ったタイプの選手との試合。簡単じゃない
    予感がしますが、2人とも勝ち切って決勝戦で対戦できたらいいなと
    思います。なんか何度も対戦した仲間?同志?として両者がのびのびと
    プレーできたら、勝ち負け以上に価値ある体験を手に入れることになる
    のではないかな。試合後相手をたたえながら笑顔で握手する姿が目に浮
    かびます(⌒▽⌒)単なる願望か…………。

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  • 今日は。
    「まいにち錦織」の3ページ目、スポナビ独占インタビュー5/26版です。
    <少年・錦織圭はいかに成長してきたか 米国で見守り続けるキーパーソンに聞く>
    https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201705220008-spnavi

    ニック師匠、オリバーさん、本当に有難うございます。お二方とも「聞く力」の持ち主でいらっしゃいますね。
    「彼はその分さまざまなものを犠牲にしてきた。だからこそ圭には、そういった名誉を得る権利がある」 まさにその通りだと思います。今後とも宜しくです。

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  • 私もおかげさまでユーチューで応援出来ました。

    団長さん、みなさんが言われるように収穫が大きい勝利でしたね。
    最近見られなかった、ココという場面での粘りが見れたのは嬉しいことでした。
    これはメンタル面。

    技術面では、フォアが深いところに結構入っていたのはWC参入の理由であった実戦を多く積むことで修正を得たのと思います。
    つまり、メンタル、技術面でWC急遽参入の意義は果たした、と。
    勿論、手首もひどい状態でなかったからでもあるでしょう。

    さて、準決勝、圭君の性格からして全仏が控えているとは言え、無気力試合するつもりなど無いでしょう。
    しかし異論は多いと思いますが、全仏を見据えての展開で、つまり体力、手首の危険を冒す勝負に拘らないプレーで、良いと思うのです。

    でも圭君、いっちゃうだろうなァ

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  • 今日は。
    nakaさま
    ドロー・セレモニー開始時間修正有難うございます。何で時差間違えたんでしょ(苦笑)

    ATP公式記事<Nishikori Saves 3 M.P. In Thrilling Comeback>の抄訳記事です。確かにスリリング過ぎるカムバック。
    <全仏へ見えた光― 錦織、死闘4強で掴んだ自信「こういう試合勝てたことは重要」>
    https://the-ans.jp/news/4418/
    このタイトル「光一」って誰?と(苦笑) 光ハイフンです。

    RGシングルス歴代優勝者写真特集です。
    <【写真特集】全仏オープンテニス、男子シングルス歴代優勝選手 2000年以降>
    http://www.afpbb.com/articles/-/2879785
    <【写真特集】全仏オープンテニス、女子シングルス歴代優勝選手 2000年以降>
    http://www.afpbb.com/articles/-/2879784

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  • デルレイビーチ 出たくない → 優勝
    全米 出たくない → 準優勝

    次はどれに「出たくない」というのか…(^^)

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  • アンダーソン戦の勝利は、錦織選手にとって一勝以上の重みがあるように思います。
    最近、敗戦後のプレカンで「勿体ない試合だった。」という発言が目立っていましたが、今回は半分負けたと思った試合を勝ったのですから、この違いは大きいと思います。
    ましてやゾーンに入ったアンダーソン選手に勝ちきった。確かに体力は削られるかもですが、この経験を得られたのは大きいです。

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  • 吉松忠弘さんのツイッターに、錦織選手曰く、

    「ちょっとでもケガの兆しがあれば止めますけど、体力がある限りは(やりたい)。疲れだけの場合は、この大会は優勝するために来ているので、行けるところまでは行きたい。」

    とのことなので、優勝しちゃって下さい!
    手首の神様、お願いします!

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  • 今日は。
    勝利の翌日は本当に情報が多くなります。欠場しているときこそ情報が欲しいのに(苦笑)

    Number Webにライター秋山英宏さんがコラム掲載です。
    <窮地に燃える錦織圭が戻ってきた! 急きょ参戦ジュネーブでの手応え>
    http://number.bunshun.jp/articles/-/828142
    196㎝? アンダーソン選手は2m超えですが…(苦笑)

    昨日の試合前ウォーム・アップ動画が大会公式インスタに。中尾さんとのシャドー・テニスは見物人が多いですね。いいなあ。
    https://www.instagram.com/p/BUhsktiFtK6/?taken-by=banque_eric_sturdza_genevaopen
    そういえばアンダーソン選手戦、帽子でも太いバンダナでもなかったですね。まるで七三分けのような。この動画で余計に感じたことは「杉田選手?」です(笑)

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  • 今日は。
    RGが近づくにつれ、BIG4周辺記事が俄かに多くなり、フェデラー選手欠場でおのずと他3選手に注目が。今朝ご紹介のジョコビッチ選手に続き、マレー選手関連です。

    ベッカー氏、徐々に口数多くなりにけり。アガシ氏コーチ就任に触発されコーチングの血が騒ぎ出したか(笑) ロイター通信より。
    <テニス=ベッカー氏「マリーのスランプはミステリアス」>
    http://jp.reuters.com/article/becker-idJPKBN18M088

    元記事はこちら。同じくロイター通信より。極度のスランプを皆心配しているようです。
    <Murray slump is a mystery, says Becker>
    http://www.reuters.com/article/us-tennis-frenchopen-murray-idUSKBN18L1VR

    元記事では最後にあのブラッド・ギルバート氏もコメント。「フェデラーとナダルのカムバックという事実はアンディを奮い立たせ、火に燃料を加えるだろう」とのこと。
    日本の「火に油を注ぐ」とは少々ニュアンスが異なりますね。

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  • こんにちは!
    おかげさまで、久しぶりにlive観戦できました。情報をくださった方ありがとうございます。

    昨夜は、
    もう見てられない!でもやっぱり見たい!時間も遅くなってきたし寝ちゃおうか!でも見届けたい!どきどきしてもうダメかも(自分が)!どうしよう!でも見たい・・・
    とまあ、一人で夜中うろうろしたりして、落ち着きのない夜を過ごしました。
    あ~疲れた、でも良かった~

    大会の大小に関係なく、こういう試合経験を求めていたのかなと思いました。
    体力、手首、全仏前・・・色々あるけどごちゃごちゃ考えず、まず目の前の試合に勝ちに行く!
    それもいいんじゃないと思えてきました。
    次もがんばれ~

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  • 錦織選手をよく知る人物のインタビュー記事です。NORICHANさんと被っちゃいました。ごめんなさい。でも、NORICHANさんと共通の視点があると分かり、嬉しい限りです。
    https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201705220008-spnavi
    錦織選手の才能を見つけて育ててきたお2人は、15年間彼に話し続け、サポートし続けてきたのですね。弱い部分と強い部分のどちらも知り尽くしたお2人のインタビューで、感動しました。
    余計に、団長さんのコメントが響きます。

      引用  返信

  • 久しぶりに、これぞ錦織!というテニスを見せてもらいました。

    全仏までは体力回復に努めて、早寝しようと思っていましたが、素晴らしい試合にわくわくして見入ってしまいました。

    これを一つのきっかけに復活ののろしを上げてもらいたいですね。
    全仏が楽しみになってきました。

    ミーシャ戦、どうなるかまたまた楽しみです。

    少し前に、団長の許可を頂いて、こちらに私のブログ(猫とテニスと英会話)の紹介をさせていただきましたが、いや~、団長のすごさがよくわかります。これだけ多い試合のレビュー記事を書くことが、どれだけ大変か。時間に追われまくりですね。私も自分なりのレビュー記事や展望をこれからも、書いていきますので、良かったら見に来てやってください。m(__)m

    とにかく、錦織さまさまのおかげでファイアーアップしているこのテニス人気が、錦織の時代だけで終わらないように、微力ながら応援していきたいです。10年後、20年後を楽しみにできるよう、草の根運動続けたいです。

    BBCニュースでは、250の大会の自国じゃない選手のもスポーツニュースで毎日取り上げるんですよ!すごいですよね。日本でもそのくらいテニスが人気スポーツになってもらいたいです。(人気なんだけど、錦織しか取り上げないのがおかしい)

    でもほかの日本人選手も頑張ってほしいです!

    太郎ちゃん、頑張れ!!

      引用  返信

  • @キリ丼さん
    ありがとうございます、恐縮です。
    テニスの技術的なことはよく分からないのですが、
    じぶんの気持ちが昂って抑えきれなくなると
    ついついこちらに書いてしまいます(笑)

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  • 今晩は。
    キリ丼さま
    お気になさらず。私も何回もあります、記事被り。いい記事は、何回読んでもいい記事ですし。
    さあもう少しでドロー・セレモニーが始まりますね。RG、全力応援と共に大いに楽しみましょう。

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。