【鼻血出た】最後のGSで輝きを増すフォアハンドとリターン!夢はまだ続く(2026全米オープン予選1回戦)

2026 US Open Qualifying 1st Round
Kei Nishikori[WC] def. Sebastian Ofner[16], 6-1,2-6,6-2

試合開始まで

時差ボケによる早い目覚めを利用しブログ記事を執筆。その後、もう慣れた地下鉄7号線に乗って朝9時到着を目指し会場に向かう。開場時間に対し余裕を持って出たつもりが、大会アプリをチェックすると9時開場に変更されている。そして到着すると前日と同様の混雑ぶり。
「昨日はKids’ Dayかつ日曜日だから混んでいただけって話だったちゃうんかい!」と、焦ると出てしまうエセ関西弁を心の中で呟くも、冷静に身をこなし、空いている列をめざとく見つけ最短距離で会場内へ。荷物検査も今回はパスしてもらえたのもラッキーでした。

スタジアム17への最短ルートも把握済み。一直線に向かうとなんと、一番乗りでした。

朝日が眩しいスタジアム17に一番乗り

こうなると却って席選びに迷います。私はコートエンドが好き。サイドのベンチ後ろに座れば錦織は近いし、サインももらえるかもしれないのですが、サイドからはコース展開が分かりにくい(スピード感は得られます)。審判台も邪魔。
次に、カメラの反対側(写真の反対側)に陣取ると日差しの餌食になることが確定。カメラ側のエンドの一列目に座ってみると、ちょっと壁から距離があり、微妙にアクリル板が邪魔。ということで、エンド最前列の、右のサイドライン付近に落ち着きました。シート配列が弧を描いているため、この席は壁際で観戦することができます。

最前列からの眺め、最高

時間とお金を割いて、早く着いたものだけが得られる特権です。私も、何年もチャンスがあったのに、引退間際でようやく動いて、遅すぎたと後悔しています。このような世界があることは知っていたのに、仕事が、時間が、お金がと言い訳をしていたと思います。
それでも最後の最後に動いた自分を褒めたいと思います。時差を利用して夜間に仕事もちょっとしていますが、グループウェア上に残るチームメンバー同士のやり取りは、私無しでも動いているように見えます。後ろめたさと焦りも感じますが、来なかったら後悔していたでしょう。

話が逸れました。時刻は9時15分。試合開始まで1時間45分です。日本のように荷物を置いて離れることは許されません。日差しとの戦いは、ユニクロのUVカットのパーカーが助けてくれました。気温は25度前後なので、日差しさえ耐えれば長袖でも大丈夫です。

11時に近づき徐々に人が増えザワザワと。錦織の入場を皆が待ちわびます。数分間遅れて選手入場。最初にオフナー、次に錦織。大歓声です。ここも、TVでは味わえない臨場感。この高揚を味わうことができるのもあと僅かと思いいきなり涙腺が緩みますが、耐えます。
ウォームアップで感触を確かめて、いざ試合へ。

1stセット 6−1

最初から高い集中力で試合に臨んでいることがわかりました。いつもは画面越し、ポイント間はスコアをつけるのに一所懸命なので、表情までなかなかチェックできませんが、今回はつぶさに観察できます。「もっと前、前」など時折呟きながらプレーします。陣営席の綿貫コーチから「(サーブで)肘上げて」など細かく的確な指示が出ているのも分かりました。
リターンが良く、ストロークでも的確にコースを突いてどんどんポイントが貯まっていきます。体も心配なさそうです。あっという間に5−0となりますが、そうなると気になるのは、錦織によくある「セカンドセットの落ち込み」です。


5−0時点のツイート。この後この危惧が現実となる。

2ndセット 2-6

1stセットを楽に取れば取るほど2ndセットでピンチに陥る不思議な錦織テニス。なぜそうなってしまうのかは分かりませんが、推測すると

  • 1stセットを取るための高い集中力が、セットの区切りが入ったところでスイッチオフのようになり途絶えてしまう。
  • 4−0などになったあと、スコアの流れの中で取り切ることは難しくないが、0−0からはまた新たに流れを作る必要がある。
  • 相手も気持ちを入れ替えたり、戦術を変えてきたりする。

このような要因が重なることが多いのでしょう。本人もやりたくてやっているわけではないでしょうが、気持ちの切り替えで挽回することが得意な反面、オフになってから再度オンにするために時間がかかってしまうことがあるのかと思います。
スイッチオンになるための条件やきっかけが必要で、ファイナルセットインはそのきっかけになりやすいのでしょう。

このセットは最初のオフナーのサーブでオフナーが強気に来て、その「気持ちを切り替えた」アピールを錦織が感じ取り、次の錦織のサービスでちょっとしたミスが出たところでプレッシャーがかかり、フォアのミスが出てしまったことで流れを作られて、その後は後手後手に回らされました。
オフナーのセンターフラット210kmh前後が決まり始めたのと、オフナーのバックハンドリターンが鋭くなったことも、劣勢となった要因でした。
悪循環のセットでした。

ファイナルセット 6-2

普通の選手ならこの時点で「やばい」ですが、何回もファイナルの鬼を見ているので会場はあまり心配ムードではありませんでした。
しかしそうは言ってもオフナーのプレーも上がってきているし、乗せてしまうと危険なのでこのセットはそれまで以上に声を出して応援しました。
私だけの貢献ではありませんが、このセットの会場の雰囲気は一体感があったと思います。錦織がんばれ、カモン圭、レッツゴー圭などの声援が国籍関係なく飛び交い、会場全体で錦織を後押ししました。
錦織はトイレットブレイクも取らずに短時間で切り替え、明らかにセット最初から変わってきました。特に、攻めと守りの見極めが良くなったと思います。2ndセットでは無理打ち、読みを外されてのウィナー被弾が見られましたが、ベストのタイミングで打てない球は確実に返球し、甘い球が来たら迷いなく打ち込めるようになってきました。さらに鼻血サーブが勝負どころでラインを捉えます。私の目の前に飛んできて、とんでもなく曲がっていました。
そして、4−2のBPでリターンエース!会場のボルテージは最高潮です。私も雄叫びを上げました。
それまで2回ほど、外国人のグループが「ニシコリ」チャントをやってくれて、私も乗っかって声を出していたのですが、5−2のコートチェンジでもう、ここしかない!と思い、私からチャントを仕掛け、こちらの方にゆっくりと向かってくる錦織に対して声援を送ることができたのは、思い出になりました。
最後もMPを凌がれながらも攻め続け、締めてくれました。

2ndセットは悪かったものの、1stセットとファイナルセットを見ればゲームもあまり落とさず非常に強い勝ち方だったと思います。良い時間帯だけを見れば、全盛期とそれほど変わりないと思います。連戦に耐える体力だったり、勝負所での自信だったり、試合を通じての一貫性だったりが、全盛期との差なのだと思います。ただ、少なくとも引退する選手のプレーではないですね。本当に、体だけの問題なのでしょう。
ある日突然、痛みが全くなくなってくれないかな。

フォアに攻撃力があり、リターンも良い。ビッグサーバー相手に3セットで4本のノータッチエースに抑えれば上出来です。体力も、フルセットながら1時間半の試合でしたので次の試合も問題ないと思います。
何より勝った後の笑顔が素晴らしく、こちらも嬉しくなりました。本当に頑張ってくれたと思います。あまりのファイトに、ファイナルセット3−1とか、4−2とかの中途半端なタイミングで、なぜか涙が堪えられなくなってしまいましたが、最後はこちらも笑顔でした。

1試合でも多くプレーして欲しいですし、本音を言えばまだやめないでほしい。でも、終わりがあるからこれだけ頑張れるのかもしれません。本当によく頑張ってくれました。目に焼き付けましたし、この観戦のことは一生、忘れないでしょう。鼻血出ました!

次はなんと20歳差の対戦、錦織と同じくワイルドカードで出場の16歳、アントニウスとの対戦です。今年の全仏ジュニアで準優勝しています。ジュニアがワイルドカードで出てもプロの壁にぶち当たるのが相場なのですが、今大会は、大活躍しています。しかしここで錦織という大きな壁に跳ね返される時でしょう。アントニウス、君にはまだ時間があるから今回は譲ってもらう。錦織の最後の夢をここで途絶えさせるわけにはいかんのだよ!今日も、全力で錦織に声援を送るので、覚悟しておいてほしい!

2 件のコメント

  • 錦織選手のおもいが乗り移ったかのような団長さんの気迫に、胸がドキドキ💓しながら観戦記を読みました。テレビの画面越しではありますが、こちらも精一杯の応援がんばります‼️

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  • 観戦記読ませてもらいました。いつもながら錦織の試合を分析させたら右にでる者はいないですね😃錦織の全盛期にチーム錦織に入っていたらグランドスラムかマスターズのひとつはタイトルとれてたんじゃないかと本気で思ってしまいます。フォアもバックも早いタイミングでしばいていく錦織のストロークはホントに唯一無二の芸術品ですね😃あと9連勝夢見てしまいますね!仙豆があればなーー

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。