ダブルスに敗れ後がない日本代表、最終日のシングルス2試合に賭ける(2012デビスカップ1回戦 vs クロアチア)

2012 Davis Cup World Group
1st Round Japan vs Croatia
Doubles
Karlovic/Dodig def. Ito/Sugita, 6-4,6-4,3-6,6-3

健闘しましたが、日本ペアは一歩及ばず。最終日のシングルス2勝に賭けることになりました。
クロアチアはメンバー交代でカルロビッチ・ドディグという両エースを起用。このダブルスに賭けてきました。

体力的に不利になるリスクを冒してでも2勝1敗で最終日を迎えたかったのでしょう。昨日、今日とカルロビッチはサーブ好調で戦術的にも当たっていますから、添田との死闘で消耗したドディグが錦織に勝つ可能性よりも、インドアでサーブがますます活きるカルロビッチで勝ちに行く方が勝算が高いと踏んだのではないでしょうか。

しかし添田も乗っています。今日を休養に充てて明日に対する準備もばっちりでしょう。そう簡単にクロアチアの計算通りに行ってたまるかという感じです。

錦織は、もう負けられないというプレッシャーとの戦いになります。きついでしょうが、これからもこういう場面は幾度となく訪れますし、これまでにも経験してきたはずです。泥臭いプレーでもいいので、とにかく勝ちが欲しいところです。

さてダブルスに話を戻しますと、カルロビッチのサーブが「鬼」なのは想定通りですが、ドディグのサーブが予想以上に良く、日本ペアは大変手を焼きました。

特筆すべきはアドサイドからのワイドへのサーブで、どフラットなのですがビシビシと190km/h台のエースが次々とコーナーに決まり、日本ペアにチャンスをなかなか与えませんでした。

杉田、伊藤はともにリターン良く頑張っていたと思います。杉田はカルロビッチ大先生の200km/h超えサーブに果敢に踏み込んで行き、ジャンプをしてもさらに顔の上まで跳ねていく大先生サーブをも押さえ込んでリターンしていました。
あれだけの速度でくるサーブに反応し、さらに強打すらする場面もありましたから、ボールを捕らえるセンスと運動能力は相当のものです。可能性を感じました。

それでも読みを外されたどうしようもない大先生サーブ。0-40という大チャンスが訪れたこともありましたが、そこから圧巻のサーブ5発でキープするなど、結局は1回も大先生サーブをブレイクすることができませんでした。

リターンでは冴えを見せる杉田でしたが、サーブの調子は今ひとつに思えました。楽天オープンで見たときは190km/h台のサーブを連発していたのですが、今日は170km/h台が中心で後半は160km/h台後半にまで落ちていました。2ndになるとストレートに叩かれる場面も多く、特にiフォーメーションの時に逆をつかれたリターンエースを食らうことが多かったです。

日本チームが意地を見せたのは第3セットでした。2人のコンビネーションが良くなり、リターンや突き球(ボレーに対するストロークの返球)の精度が高まってきました。第8ゲーム、ついにドディグのサーブを杉田のパスでブレイクした場面はこの日、一番盛り上がった場面で、セットを取ったときの雰囲気は大逆転勝利の予感すら漂わせるものでした。ここで第4セットを先行できれば勝負は面白くなっていたと思いますが、先にブレイクを許して苦しくなりました。

両チームの差は技術的にはほんのわずかでしたが、サーブ力の差に起因するボレー時の体勢の差が明暗を分けたように思いました。つまり、日本チームは1stボレーでリターンを沈められ、コントロールボレーを強いられる場面や、リターンを警戒してステイバックする場面が多かったので、そこがサービスゲームでのプレッシャーに繋がったという印象です。

ただ、経験も豊富でビッグサーブを持つクロアチアペアに対して、内容的には大変健闘したと思います。インタビューで竹内監督は、「勝つことが目的だが、その次の目的は相手を消耗させることだ。今日、相手を3時間プレーさせたことは意味がある。」とあくまでポジティブなコメントを残しました。私もそう思います。日本チーム、まだまだこれからです。

小ネタ

セットが変わればサービスの順番をリセットしていいのですが(つまりカルロビッチのサーブでセットが終わったからと言って、次のセットの最初のサーブはドディグである必要はなく、またカルロビッチから初めて良い)、なぜか第2セットの最初のサーブはドディグでした。

定石的にはサーブの強いカルロビッチからサーブを始める方が良いと思うのですが、どうも同じサイドからサーブを打つことを選択したようです。

それともひょっとしたらルール改正したのでしょうか?実は日本チームも、同じサイドから同じ選手が打つということを守っていて、杉田からサーブを打ったり伊藤からサーブを打ったりしていました。

小ネタ2

日本チームはiフォーメーションを多用していましたが、少なくとも第2セットまではあまり効いていませんでした。iフォーメーションでは前衛が真ん中にいますので、ストレートは抜かれやすくなります。そこを読んでストレートに戻るか、あるいはその逆をクロスに張るか、相手に考えさせることが目的の1つです。しかし日本チームはワイドにサーブを打ち続け、クロアチアチームはそれを迷い無くストレートにリターンしてきました。日本チームは、早めにこの対策を取れなかったのでしょうか。

小ネタ3

伊藤竜馬のサーブもかなり速く、205km/h前後を連発。最速で210km/h前後だったでしょうか。常にビッグサーブというわけではありませんでしたが、これは将来的に期待できる武器だと思いました。

小ネタ4

敗れてコートを去る伊藤竜馬にファンより「ナイスゲームだったよ!」の声がかかると竜馬はそのファンの方向を向き、笑顔で一礼。なんて爽やかな青年だろうと感動しました。

小ネタ5

ダバディさんのちょっと後ろで観戦していたのですが、ずっと自分のノートを開いて時折それを見ていました。取材メモだったのでしょうか。勉強熱心だなと思いました。

3 件のコメント

  • ダブルス、健闘むなしくも敗退、残念でした。
    でも明日がある!
    明日シングルスで、圭君が、何かをつかんでやってくれると思うし、ノリにのってる添田君が、カロビッチ攻略法を見つけるかも。

    あのスイスだって、1回戦負け。ワールドグループで1回戦を勝つのは簡単ではないですよね。
    がんばれ、日本!

    あぁ、デ杯、生で観戦したかった・・・。
    応援よろしくお願いします。

      引用  返信

  • お疲れの中、レビューありがとうございます。
    クロアチアチームはサーブは常に安定し、メンタルも全く崩れる気配なく、ダブルスキャリアの差が出ていたと思いました。
    日本チームは同じようなパターンでポイントを取られていたので、なにかしら戦略を変えなきゃだめなのでは、と感じましたが、どうしたら?というところまでは至らず、レビューの中に回答があり、スッキリしました。
    ホームのアドバンテージをもってしても、1-3。
    竜馬・おすぎのダブルスはコンビ的にとてもいい感じだと思うので、これからダブルスのキャリアを積んでいって欲しいと思います。
    そしていつかクロアチアにリベンジ果たしてね♪

      引用  返信

  • 私も技術的な差は無かったと思いました。実戦に勝る練習は無しと言いますが、その差が大きかったです。
    杉田のピンチの時も飄々とした表情や、伊藤の試合後のおじぎにはいつも癒されます。強くなっていってほしいです。

    今日はカルロビッチ、いいかげんに疲れてるでしょう。いけるで添田!
    そして添田につなげよう錦織!こんなのプレッシャーのうちに入れてたら、これから先やっていけないよ!(プレッシャーなかったらごめんなさい。)

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。