勝負を決めた第1ゲーム(2009全仏決勝レビュー)

もう5日も経ってしまって今更な感じがしますが、全仏決勝、フェデラーvsソダーリング戦を軽くレビューします。

結果はご存知のとおり6-1,7-6,6-4のストレートでフェデラー勝利、フェデラーの生涯グランドスラム及びサンプラスに並ぶ史上最多グランドスラム優勝回数14回の達成と、記録尽くめの優勝となったわけですが、戦前の予想としてはフェデラー優勢ながらも接戦になるのでは?というのが何となくコンセンサスだったように思います。

それもそのはず、ソダーリングの決勝までの勝ちっぷりは見事の一言でした。4回戦であのナダルを破るとQFでは精密機械ダビデンコを相手にせず。SFではゴンザレスの強打に2セットアップから追いつかれ、普通ならばその勢いのまま押し切られるところをファイナルセット劣勢の状態から逆転勝利。波に乗りまくっていました。

とはいえグランドスラム決勝となると話は別。大舞台でのフェデラーの経験と実績、そして精神力の強さが物を言うだろう、そういう予想がありました。

しかしフェデラーの勝ち上がり方は危なっかしく、4回戦のハース戦では2セットダウンの3-4でマッチポイントに等しいブレイクポイントがありました。

SFでもデルポトロに2セットを先に取られる苦しい展開。それでも勝ってしまうあたり、さすがというかこれがフェデラーの底力というか、そういうポジティブな評価も与えることはできましたが、一抹の不安はありました。

ソダーリングがSFまでの勢いのまま、序盤を支配したらこれは面白い試合になるぞ、そのような予想の中、プレーがスタートしました。

第1ゲーム、ソダーリングのサーブ。ソダーリングは予想通り、SFまでの力強いストロークをコートに突き刺します。
しかしフェデラーはその強打を全て、いとも簡単に返球しました。

最初のポイントからすさまじいラリーの連続です。ソダーリングは決して悪くありませんでしたが、フェデラーのゲームへの入り方は完璧でした。

「今日のフェデラーは違う」

そうソダーリングに思わせるのには十分なプレーでした。結局力が入ってしまったソダーリングはダブルフォルトを犯してしまい、最初からサービスをブレイクされてしまいます。

「さあやるぞ」という感じでスタートしたソダーリングのゲームプランは、ここで大きく出鼻をくじかれてしまいます。SFまでの勢いならば面白い、と書きましたがこれは裏を返せば、ソダーリングがフェデラーに勝つパターンとしては序盤からガンガン行って、フェデラーに余裕を与えないことが絶対条件でした。

そのあてが見事に外れてしまった第1ゲーム、ここですでにフェデラー優勝の可能性がぐっと高まったように思います。

ソダーリングのプレーも決して悪くはなかったですが、SFまでの「確変」ソダーリングでは最早ありませんでした。

第1セットは簡単に6-1でフェデラー。第2セットは落ち着いたソダーリングが強力なサーブとストロークでキープしてタイブレークにもつれますが、フェデラーのサービスゲームは全く危なげがありません。タイブレークにになっても慌てることなく、あっという間に2セットアップです。

いくら「スーパー」ソダーリングと言えども、フェデラー相手に2セットダウンから勝つことは困難を極めます。3rdセット5-4のフェデラーサーブで、ソダーリングのブレイクポイントのチャンスがありましたが、ここで積極的にプレーすることができなかったソダーリング、残念ながらストレートで敗退となりました。

フェデラーはこのポイント含めて2つしかブレイクポイントを迎えず、サービスゲームも3セットで終わった試合ながら16本とサーブが絶好調でした。

圧巻だったのは2ndセットのタイブレークで、4本のサービスエースを集めてもぎ取りました。

ソダーリングがやりたかったテニスをフェデラーがやってしまった格好になりました。

「フェデラーが素晴らしかった」「フェデラーのサーブが完璧だった」というのが大方の見方ですが、それもこれもソダーリングの勢いを封じた1stセット第1ゲームがあってこそ。

この1ゲームにフェデラーのこの試合にかける意気込みが詰まっていたような気がします。

悪童と言われ、コートマナーの悪さが取り沙汰されることが多かったソダーリングでしたが、準優勝のスピーチも笑顔でユーモアもあって好評でしたし、今回の活躍でファンを増やしたのではないでしょうか。

私の好きな選手」で書いたようにソダーリングは私、結構好きな選手だったので、ちょっと嬉しかったです。
(星1~5個のうち星4個付けてます)

確かにナダルを挑発したりすることもありましたけど、そんなに悪い人という感じはしてなかったんですけどね。
(ネットを見てると「悪人顔」とか言われてて結構かわいそうと思っていましたw)

5 件のコメント

  • あれ?いつになるのだろうと思っていました。
    わたしは見ることができませんでしたので、楽しみしてました。
    ありがとうございました。

    テニス選手は、互いに尊敬しあいながら戦っているわけですから、
    それがないとトーナメントを続けられないものと感じます。

    取るときに取り切る、力と精神力、経験はすごいものですね。
    まだまだ、いけますね。次回のトップ対戦が待たれます。

      引用  返信

  • いやー、今日は起きてますけど、最近すぐ眠くなっちゃって。
    1日1記事(しかも他人まかせ)が精一杯でした。
    全仏で寝不足が続いたので、結構疲れているようです。
    ウィンブルドンに備えてこの2週間はなるべく寝ておきたいと思います。

      引用  返信

  • リンクをたどり、1年前のランキングを目の当たりにするとえーっこのプレーヤーがこんなに上に、あるいはこんなに下にいたのかと驚くばかりです。
    現在のランキング制度では、その位置をキープするのがいかに大変なことであるかをあらためて気づかされました。こんな中、トップ3はさすがですね。多少のぶれはあっても、1年後もほぼ同じ位置に・・・
    願わくは、100位の選手が来年はこんなに上になっているとびっくりするような躍進をとげてほしいものです。

      引用  返信

  • テニス選手って基本悪い人っていないと思っています。
    プレースタイルの好き嫌いはあっても。
    ちょっと悪ふざけをしてもね。

    前にどこかのブログのコメントでこんなような事を言っていました。
    “テニス選手はたった一人でコートに立ち観客達に見下ろされ
    応援やブーイングを受けながら戦っている。”
    もっと色々なことが書いてあったのだけど私は”一人”で
    戦っている事をあらためて考え、応援していない選手も頑張って
    欲しいと、素敵なプレーが沢山観たいとおもいました。

    ソダーリングも髭を剃ればかわいい顔だと思うけどww
    ただ、テニス選手は野獣好みなのでこのままの方が
    外見は好きかもwww

      引用  返信

  • フェデラー さすがでしたねー。
    私が試合を見るときは、おおっ。とか、すげーっ。とか見たままの感想しか思い浮かばないので、団長さんのレビューはいつも楽しみにしています。
    全仏の録りためた試合を見なくちゃいけないのに、ついつい圭君のビデオを見てしまうので、なかなか消化できません。
    それに、真田さんの緑茶のCMで外人女性に「にごり」という言葉を教えているのあって、外人女性の「にこり」が「にしこり」に聞こえてきます。禁断症状ですかね。
    団長さんも、大分お疲れのようですので、疲れた時は早く寝るようにして下さい。いつまでも若くはありませんよ~。体は正直です。

      引用  返信

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。

    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。