全仏10日目(6/6)レビュー ジュニア2回戦 田島尚輝 vs. ニコラ・クン

 6/6(火)は、雨に祟られました。スタジアムの試合は14時開始でしたが、ジュニアの田島尚輝くん(16歳、私とお父様がtwitterつながりw)の試合を観るために12時ごろにNo.6コートへ。ちょうどタイブレークで1stセットを取ったところでした。
 対戦相手はKuhn。スペインの17歳で第11シードです。身長が高く体格もしっかりしており、パワフルなサーブとフォアハンドを打ってきます。明らかに前日の1回戦の対戦相手より強いと感じました。

 2ndセットはKuhnのサーブとフォアに押されます。押されて球が浅くなったところを叩かれる展開が多く見られました。田島君は、スライスやサーブアンドボレーも混ぜて上手くポイントを重ねて行きますが、足を止めて打てる場面が少なく、得意のフォアの回り込みがなかなか見られませんでした。

 1−3で気がついたのが、私の目の前に座っているのはなんとボブ・ブレット!!!!
 うわーーーーー、と思っていたらボブの方からこちらを向いてスマイル。

 ”It’s a kind of rain” (雨が降りそうだよ)

 と空を指さします。

 ”Mr. Brett, nice to meet you. I’m a big fan of Nishikori.”
“Ah, he is a very good player.”

 というやりとりがあって、”I really wanted to say thank you for your long support for Japanese tennis.”
 と言いたかったのですが、コートチェンジと同時にボブ猛ダッシュで去っていきました。

 「え?」という感じで唖然としていると、次の瞬間に豪雨!! 本当に一瞬でした。 折りたたみ傘は持っていましたが、前日荷物が多すぎた反省でレインコート(10年以上前、全仏で買ったやつ)をホテルに置いてきてしまっていました。
 しかもコートの一番奥に座っていたので、出入り口の混雑により、なす術なく立ちすくむしかできませんでした。下半身びしょ濡れ。

 コート外に出ても、ひさしがあるところにはまるで窓サッシに群がる冬のテントウ虫(都会の人分かるかな?)のように人々がすし詰め状態で立っています。やむなく、スザンヌランランコートまで走ります。
 前日は強い日差しで焼かれ、この日は寒さで凍えていました。これぞパリ。これぞRGですね。前回来たときも、雨でひどい目にあったことを思い出しました(そして、レインコートを買ったのでした)。

 しかし、あっという間に晴れ間が出て、再び暑さが。「さっきの雨は何だったの? 昨日の錦織の1stセットかよ!!!」 とわけの分からない突っ込みを入れながら、待つこと1,2時間。試合が再開されました。

 再開前の流れは変わらず、2ndセットは2-6で落とし、ファイナルもすぐにブレイクされる苦しい展開。しかし、ここから尚輝君、キープで頑張り4−5で再び雨サスペンド。今回は、前回の教訓を活かしてかレフェリーの判断が早く、雨が激しくなる前にコートにはシートがかぶせられました。
 1stサーブが入ればポイントが取れていましたし、深い球を送ることができればミスを誘うことが出来ていました。相手は強力なショットもあるけどミスも出るタイプでしたので、本当にあと1本の粘りだったり、あと1本のミスの少なさだったりでどうにかなりそうな試合でした。
 でも決して尚輝君のプレーが悪かったわけではなく、しっかり自分の実力を出し切っての敗戦だったと思います。Kuhnは2000年世代で、カナダのアリアシム(すでにチャレンジャーレベル)、イスラエルのオリエルに次ぐくらいの強い選手です。本来は予選から(今回はSEで本戦入り)の選手である尚輝君は、健闘したと言えると思います。今後はシニア大会への参戦も増やしていくということですので、注目したいと思います。

 2回戦は動画を撮ったときにたまたまいいショットを打つ場面が無かったので、1回戦のときの映像も乗せておきます。
 こういう感じのパワフルなフォアハンドが良く決まっていました。

6 件のコメント

  • 今日は。
    団長さま、新スレ立て&田島選手記事有難うございます。また、コメント第1号失礼致します。

    田島選手、雨サスは集中力を高めるチャンス、と思ったのですが惜しかったですね。再開後はクーン選手に一気に持って行かれちゃいました。
    でも田島選手、台湾のツェン選手と組んで本日ダブルス1Rに登場します。ただし対戦相手はいきなりの第2シード。しかもうち1人は2017AOジュニア・BOYSダブルスの優勝者!日本からはもう1組、同じくシングルス2Rで敗退した清水悠太選手が、予選敗退の堀江亨選手とペアを組みます。2組とも熱烈応援あるのみですね。

    前スレでもコメント致しましたが、対戦相手のニコラ・クーン選手[11]は確か、先月のマドリードでWC与えられた17歳。デ杯に帯同したムナール選手19歳と共に、将来を嘱望されるスペインの超有望株U21です。さすが安定の強さでした。
    団長さまご注目1人目、カナダのフェリクス・オジェ-アリアッシム選手、いいですね~。2016末ジュニア・ランクは確か5or6位。U21で戦績を追いかけています。
    団長さまご注目2人目、イスラエルのイシャイ・オリエル選手[7]は残念ながら2Rで敗退しましたが、2017AOジュニア・BOYSシングルスのファイナリストです。ちなみに優勝はハンガリーのソンボル・ピロシュ選手[4]。

    ここからはドローの妙です。
    田島選手を破ったクーン選手は、ダブルス第1シードで出場。相方は何とAO優勝者のピロシュ選手。こんな強いペア、ど~なのよって感じです。
    田島選手のダブルスの相方ツェン選手は、シングルス3Rで何とクーン選手と対戦します。もし田島選手がクーン選手に勝っていたら、3Rはダブルスのペアでシングルスを戦っていたことに。今となっては田島選手のリベンジをツェン選手に託しましょう(笑)

    BOYSに関してはどうしても熱くなってしまい、誠に申し訳ございません。

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  • 団長様
    早速の現地レポ、悪天候や数々の不都合があるにも関わらず、詳しく伝えてくださいまして感謝感激雨あられ(^^)体調を崩さないよう、お気を付け下さい。

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  • 今日は。
    団長さま
    田島選手、ツェン選手と組んだダブルスも健闘したものの、3-6、4-6と惜敗でした。初戦の相手が強過ぎた。2017AOジュニア・BOYSダブルスのチャンピオンのスー選手と、地元クズミン選手とのペアで本大会第2シード、あまりにもドロー運が悪かったです(苦笑)

    さあ次はWBジュニアですね。
    エントリー・リストでは今のところ、清水悠太選手と堀江亨選手が本戦DA。田島尚輝選手は予選1番目のエントリーですので、ほぼ繰り上がり本戦DA確実と思われます。
    グラス、グラス! 切り替えて応援したいと思います。

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  • 団長さまー
    ぜひお時間ありましたら車椅子の方も…
    今日は上地選手の試合あります。そして国枝選手はウーデ選手とです!

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  • 今晩は。
    RGジュニアのBOYSは、田島選手の単複敗退を受けて、残るは清水悠太/堀江亨組のダブルスのみとなってしまいました。本日2R、21:00頃開始です。
    が! 対戦相手がなんと第1シードのニコラ・クーン/ソンボル・ピロシュ組! クーン選手、あくまで日本ジュニアに立ちはだかるつもりです(苦笑) ここは2選手、田島選手の想いも抱いて、ぜひ粉砕して貰いたいですね。

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。