がんばれフェデラー!キャンペーン

今年まだ優勝がないフェデラー、今週のローマ・マスターズ1000大会でも準決勝でジョコビッチに負けてしまいました。

N.Djokovic def. R.Federer, 4-6,6-3,6-3

確かにジョコビッチはすごかった。ディフェンスが鉄壁な上に今日は攻撃でも積極的でした。しかし、そうさせてしまったのは他でもないフェデラーでした。

2ndセット、ファイナルセットともに1-3からの逆転。ブレイクした直後のサービスゲームでフェデラーの凡ミスが出てしまいました。

GAORA解説の丸山薫さんもおっしゃっていましたが、これはもうテクニックがどうとか、体力がどうとかいう問題ではありません。自分のテニスを信じれるか、そして最終的に勝ちきれるかどうかの世界です。

過去の蓄積(無敵時代、勝負強かったころの成功体験)と「最近勝ちきれていない」という状況からくる不安と、どっちが上回るか?という状況で、最近の状況が上回っているのだと思います。

ナダルとは元々対戦成績が悪かったですが、負けのほとんどがクレーで、クレー以外ではナダルの方がフェデラーと対戦する前に負けてしまっていたためにクレーでの敗戦の分だけ、数字の上では分が悪くなっていました。芝やハードではフェデラーの方が勝っていました。

しかしいかにナダルの庭であるクレーでの敗戦であっても、敗戦は敗戦ということであまりにも負けが込むといい影響を与えるわけがありません。クレーで負けているうちに、じわじわとナダルに対して苦手意識が出てきたのではないでしょうか。

マレーに対しても同じような状況に陥る可能性があります。いや、すでにそのような状態かもしれません。現在、4連敗中です。

フェデラーとマレーの対戦成績

新春にアブダビで行われたエキシビジョンマッチを含めると、5連敗です。

昨年のドバイでもフェデラーはマレーに負けていますが、その時はマレーのプレーに対してディフェンシブすぎると否定的でした。
(この時のインタビューの概要についてはMasters of the Gameさんのところに上手くまとめられています) 

ちょっと負け惜しみに見えなくもないですが、この時語ったことは本心でしょう。負けたとは言え、苦手意識らしきものは感じられません。

しかしその後、マレーが急成長。USオープン決勝では底力で退けましたが、その後は上記のように4(5)連敗です。この2人にこんなに対戦成績が偏るような実力差があるわけないですから、2人の自信の間に変化があったと考えるのが自然でしょう。

そして本日ジョコビッチに2連敗したフェデラー。素晴らしいショットもたくさんありました。実力がそれほど落ちたとは思えません。でもリードしてから簡単にミスするフェデラーの姿は、2年前まではなかったものです。

ジョコビッチは完全に、「勝てる」と思ってプレーしていました。ナダルもマレーもそういう気持ちでフェデラーに対してプレーしているでしょう。技術的に差がないこのトップ4同士の戦いでは、「勝てる」と信じてプレーするのと「勝てるかな?」と思いながらプレーするのでは大きな差が出てしまいます。

技術的には、もともとフェデラーはタイミングでプレーするタイプなのでミスは出ます。昔からフレームショットは結構していました。

このプレースタイルはきっちりボールを捕らえることができればすごい攻撃力を出せます。良かったころのフェデラーは多少出るミスをカバーして余りある決定力があったため、ミスがあまり問題となりませんでした。また、ディフェンシブな局面に追い込まれることもそれほどありませんでした。

しかしこのプレースタイルだと、ほんの少しの迷いが命取りになります。決まらないし、ミスが増えます。それが更なる悪循環を呼びます。

逆にナダルのようなプレイスタイルですと、気持がタイトになったときはスピン量を増やしてとにかく振り切るようにしたり、ボールを落として自分のタイミングで打つようにしたり、時間を稼いでその間に立て直すことができます。安定感の高いプレースタイルと言えるでしょう。反面、効率という意味では不利になります。相手がノリノリくんで攻撃してくると、劣勢になって苦しくなります。まあ、ナダル相手にそれを最後までできる選手はほとんどいないのですが。

以上はどっちがいい、悪いということではなくてプレースタイルの特性の話なのですが、私はフェデラーはもう少し丁寧にプレーした方がいいかな?と思います。

大きく分けて今のまま、早いタイミングでどんどん攻めていくボールをもっと安定させるという選択肢と、早いタイミングを多少犠牲にしても安定性を高め、攻め急がずにじっくりプレーする中でチャンスを探るという選択肢があると思いますが、後者を一度試してみてはどうか?と思うのです(特にクレーコートでは)。

早打ち(早いタイミングで打ち過ぎる傾向とラリーの早い段階で勝負しすぎる傾向の両方)や、強打しすぎな場面がフェデラーには多くみられるようになったと思います。なんとなくサンプラスのキャリア晩年と見ていて重なってしまいます(あそこまで淡泊ではありませんが・・・)。スピンを多くかけたボールや、真ん中でも深いボール、少しタイミングを落として十分な体勢から丁寧に打つボールなどが必要だと思います。

思いっきり私見ですので、見当違いかもしれません。フェデラーのプレーの良さも殺すことになりかねませんから。

そう思う理由は上記フェデラーの内面の理由というよりは、周りのレベルアップがメインかもしれません。ナダル、ジョコビッチ、マレーの3人はいずれも人並み外れたディフェンス力を持つ選手です。単にライン際にボールが行くだけでは難なく返されてしまいますので、ライン際に、強烈なボールを、しかも何本も続けて打たなければポイントが取れません。いかにフェデラーと言えども、リスクと取ったボールでこれを打ち続けると、最終的にはミスが増えてしまいます。

それほどリスクのない球でもっと有利な局面を作ってから、1~2本でポイントできるような状況で強打するパターンが欲しいです。

あんまり精神的なものに原因を求めるのは好きでありませんし、トッププロの精神状態を分析しきれるはずもありませんが、今のフェデラーは「メンタル由来の、技術的不調状態」だと思っていますのであえて書いてみました。

私はフェデラーの華麗なテニスが好きです。全仏も獲ってほしいしウィンブルドンも奪回してほしい。USオープンだって連覇の記録を伸ばしてほしい。ちょっと苦しい状況ですが、まだまだ王者に返り咲ける力があると思います。

がんばれフェデラー!(勝手に)キャンペーン

をこのブログで不定期に展開していきたいと思います。

 

 

8 件のコメント

  • 雨で中断するとこまでしか観てないのですが。
    今日は行けるかなと思ったのに・・
    マイアミの時より落ち着いてる感じだったし。
    でも負けちゃったんですね。
    最近、先行しても2set以降の逆転負けが
    多い感じがします。

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  • 2ちゃんねるの本スレではウィンブルドン、全米での復活に期待する声が強いですが、正直望みは薄いですね。。。GSでの連続SF進出も全仏で途切れそうな気がします。

    最近のフェデラーは一時期のサフィンと同じ穴にはまっているのではないでしょうか。以前はできたパフォーマンスを再現できないことにいらだっているように思えます。
    いい加減コーチはつけるべきだと思うのですが。。。ダレン・ケーヒルと話がまとまりかけた時期もあったようですが結局流れてしまったんですよね。

      引用  返信

  • フェデラーのスタイルはナダル、ジョコ、マレー対しては完全にドツボにはまってます。
    攻略された、と見ていいでしょうね。

    フェデラーは良くも悪くもプライドの塊。
    自分の攻撃に対する絶大なる自信があるがゆえに、守られると意固地になって攻めにいく。
    すると力が入ってサーブもショットもミスが増える、単調になる。
    ますます相手は守りやすくなり・・・というジリ貧。
    サーブがフォルトのとき、あまりにラインから離れたところに打ち込むので、簡単にわかりますよね。

    仰るとおりもっと粘れるようにするか、攻めの精度をあげる以外ないでしょう。
    前者は本当に粘ることができるかどうか、前述の攻めの美学を捨てれるかどうか、
    後者は年齢に立ち向かえるのなら、ですけど。

    コーチをつけてもこれらを実行できるコーチじゃなければ意味はなさそうです。
    何をするにしても自分より若い選手を相手にする以上、彼らに負けない体作りからでしょうね。

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  • 1セット目の終盤をライストで見ていました。
    2セット目始めで見れなくなって(GAORAでやってたんでしょーか)、フェデラーの勝ちかと思っていましたが…。
    フェデラーと錦織、一刻も早く対戦して欲しいです。

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  • 4年間もほぼ全ての大会で決勝進出してたフェデラーですから、プレーの癖とかを研究され尽くされててもおかしくないですよね…。ジョコやマレーなんかはフェデラーの模範的なプレーを参考にしたうえで、さらに攻略方法まで考えてそうだし…。

    1セット目とった後に逆転されて負けるケースが本当に多いですね。1セット目だけ見てると「あ、昔のフェデラーだ」なんて思えるのに…。

    やはりメンタルなんじゃないかな?って思います。

    5セットならまだ何とかなる可能性もあるって思ってます。本当にフェデラーにはこの辛い時期を乗り越えて、歴史を塗り替えて欲しいです。

    あと、コーチは絶対に必要だと私は思います。

      引用  返信

  • 今回はいいプレーも結構出たんですけどね・・・。最後までレベルを維持できないんですよね。ただ勝ちに対する貪欲さは感じられるプレーだったのが救いですね。

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  • フェデラー選手。あこがれの選手。

    片手でスッとボールを打ち返す姿はとてもきれいなフォームですね。

    攻略法などですごく研究されていたり、他のプレイヤーたちも少しずつ実力をつけてきている中で
    時間は過ぎていきますし、まわりの状況もずっと同じではないし、厳しい勝負の世界。
    気力イコール体力、と誰かが言っていましたが、ずっと
    調子を維持し続けることは、本当にものすごく大変な事ですね。
    ずっとサイボーグだと信じていましたが、これからはフェデラー選手も応援していきたいです!
    結婚して赤ちゃんができて、そのダディはプロテニスプレーヤー?!

    あたしもそんなお父さんほしい!!!

      引用  返信

  • マレー、ナダル、ジョコビッチとフェデラーの4人は抜けている…と見られることが多いようですね。たしかに3人にしばらく勝ててません(泣)。しかしフェデラーは去年あたりからそれ以外の選手にもぽろぽろ負けることが多くなってきています。シモンとか、バブリンカにも最近負けたし、ずいぶん勝ちこんでいたロディックにもいっぺん負けたし…。

    観てると、本人も言ってましたがやっぱりサーブとフォアが良くないです。サーブはファーストの確率がかなり低く、特に大事なときに入りません。ピンチにビッグサーブ連発でしのいでいた頃が懐かしいです。

    フォアも以前よりミスが早く出てしまうように思います。これは技術的な問題じゃなさそうだけど。攻めが早すぎるかもしれません。

    あと、昨年の全仏決勝あたりから目立つのが、ネットプレーでのイージーミス。これも痛いところでけっこうやっています。

    全体にプレーを速くして、ポイントを早めに奪いにいく…ということを、ナダル対策として意識してから、悪い方向にいっちゃったんじゃないかなあ?

    戦略的にはしつこいバック攻めにやられている感じがします。これに対し、クレーではほとんどスライスを打たず、全部トップスピン系で対処しようとしているみたいですが、あまり効果的でないように見えます。高い打点を無理やりスピンで打とうとしてフレームに当たっちゃうことも少なくないです。

    で、対策。
    1、ファーストの確率上げる
    2、バックをもっと臨機応変に、スライスも混ぜる
    3、メンタル上げる。負けないマインドを取り戻す
    4、ネットにもっと詰めてボレーでポイント
    5、ドロップなどで変化を演出
    6、試合の最後まで集中を保つ

    …てなことは十分考えてるんだろうけど。。ちょっと心配です。はよ復活してくだされ(祈)。

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。