長所を伸ばすべきか?短所を克服すべきか?

例えばフォアハンドが得意だけどバックハンドが苦手な人、

あるいはストロークが得意だけどボレーが苦手な人、

サーブは苦手だけどリターンは得意な人、

これらの人たちは、得意な部分を伸ばしていくべきでしょうか?それとも苦手な部分を克服していくべきでしょうか?

条件が異なれば違った結論が出そうなお題ですが、ちょっと考えてみます。

レベルにもよるでしょう。上のレベルになればなるほど、弱点があればそこを突かれます。

プロのレベルでは全部できたうえで、さらに得意なショットを軸に攻撃していかなければ勝てません。

しかしアマチュア、しかも初級者、中級者の場合だと、得意ショットを伸ばしていく方が良いのではないでしょうか。

考えられる理由は2つあります。

1つ目は得意なショットは「伸びやすい」が、苦手なショットは「伸びにくい」こと。

テニス歴が浅ければ浅いほどその傾向は強い(伸びしろが大きいので)でしょうし、逆に言えばそうだからこそ、得意/苦手になっているとも言えます。

同じ時間を使って練習するなら、より伸びる方を選択するほうが合理的でしょう。

2つ目は、「得意ショットと苦手ショットを同時に打つことはない」ということ。

フォアハンドとバックハンドを同時に打つことはありません。

ストロークとボレーを同時に打つことはありません。

苦手ショットをなるべく打たずに、得意ショットだけで試合を組み立てることができれば、苦手ショットの影響は小さくなります。

ただし、サービスだけは絶対に2ゲームに1回まわってきますので、最低限の技術は必要でしょう。

またサービスもリターンも苦手だとしたら、いくらストロークやボレーが得意でも試合になりませんから、すぐになんとかする必要があります。

プレイヤーA:ストローク力7&ボレー力3
プレイヤーB:ストローク力5&ボレー力5

こんな2人のプレイヤーがいた場合、どっちが勝つでしょうか?サーブ力とリターン力は互角とします。 スマッシュはボレーに含めて考えてください。

総合力(数字の合計)はともに10ですが、おそらくプレイヤーAが勝つでしょう。

プレイヤーAのストローク vs プレイヤーBのボレー ・・・ 7vs5でAが優勢
プレイヤーAのストローク vs プレイヤーBのストローク ・・・ 7vs5でAが優勢
プレイヤーAのボレー vs プレイヤーBのボレー ・・・ 3vs5でBが優勢
プレイヤーAのボレー vs プレイヤーBのストローク ・・・ 3vs5でBが優勢

となりますが、 Aから見ればストロークをしている限り、相手が何をしようが、優勢を保てるのです。

これが「得意と苦手を同時にすることがない」ことの効果だと思います。

逆にBから見れば、いかにしてAをネットにおびき出すかがカギとなります。Aのストローク力が強いので、きっちりドロップショットや低いスライスなどを使う必要があります。甘くなってしまうと、逆にやられます。

あまりに単純なモデル化ですが、得意ショットを持つということは勝ちパターンを身につけるということに繋がります。

得意ショットを持つ副次的な効果もあります。それはアップセットを演じる(格上に勝つ)可能性が出てくることです。

上手く得意ショットがはまり、上位進出できるとさらに強い相手と試合ができます。その経験は決して下のレベルでは得られないものです。

私もサーブが得意なので、ときどきそういうことがありました。上位ラウンドでは他のショットは全く通用しませんが、サーブがあるおかげでなんとかスコアになって終盤でチャンスが出てきたり、高いレベルのラリーを経験して結果として苦手ショットにも良い影響があったりしました。

ストロークがまったくできないので、全サーブ&ボレー、全チップ&チャージとかやったりしてました。1試合の最長ラリーが、

自分のサーブ → リターン → ボレー → ロブ → スマッシュ

だったこともありました。

今は逆に瞬発力が落ちてネットへ詰めれないし、反応も悪くなったのでストロークもやります。
というかこの10年くらい、ストロークばかり練習してます。多少、成果が出てきました。

真剣な試合になるとやっぱり精神的に落ち着くのはネットプレーになってしまうのですが、試合では得意パターンを繰り返しながらその裏で苦手ショットの克服に長年取り組んできたので、 試合でのオプションは増えて円熟味が出てきたと思っています。

ちょっとイヤなやつかもしれませんが、自分より実力が下の相手とやるときは、あえてストローク戦で勝負したりすることがあります。
苦手ショットは練習でいくら上手くできても、試合になると不安になります。信頼できるようになるには、実戦で使っておくことが必要です。また使わないのなら、練習する意味がありません。

このようにまずは得意パターンを持って、それを利用しつつ苦手部分も経験を積みながら徐々に克服していく、というパターンがおすすめです。

実はこの考え方、仕事の世界でも通用します。

職場では「T型人間」が重宝されます。

つまり、まずは自分の専門を掘り下げて(I型人間)、

その専門を軸に、徐々に他の分野のスキルを広く身につけていく(T型人間)

というものです。

スペシャリスト(I型人間)、ゼネラリスト(広く浅く、何型って言うんでしょうね?)という従来のタイプを融合させた、ハイブリッド型のスキル形成法です。

4 件のコメント

  • 私の得意ショットは・・・特にありませんが
    あえてフォアかなww

      引用  返信

  •  私はフォアが苦手で、シングルスでも、バックを軸に
    ネットに出ることだけを考えていました。(鼻血さんと
    違ってサーブもあまり良くなかったので…)

     私の感覚では、フォアの苦手意識の克服は難しいが、
    バックの苦手意識の克服は、練習量や経験でいつからでも
    カバーできるものだと思っています。

     たとえ他のレベルは今一でも、フォアでガンガン攻め
    られる人が羨ましいです。あれは、先天的なセンスだと
    思います。
     だから、錦織に憧れてしまうんですよね。

      引用  返信

  • あー、わかりますなんとなく。私もフォアが苦手なので。
    フォアの改善については、パワーがないのか、安定性がないのかで変わってくるような気がします。
    私の場合は簡単な球は問題ないけど、ちょっと攻められるとすぐコントロールをなくすこと、高い打点が苦手なこと、ビビるとスピン過多になってしまうことが欠点でしたが、10年以上改善に取り組んで、少し芽が出てきた気がしますよ。
    (しかしネットプレーは弱体化)
    条件がそろえばそれほど悪くない球が行っていたので、なんか改善できるのではないかと思っていました。非常に狭い範囲の条件でしたが・・・。

    それでもまだ信頼できる武器かといえば、そうではありませんねえ・・・。

      引用  返信

  • フォアに悩みがない人は私もうらやましいです。
    錦織のフォアなんて、もう夢のまた夢のまた夢の夢のその先です。

      引用  返信

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。