テニスは後ろから前に打てば良い

テニスの技術的アドバイスは数多くあれど、「後ろから前に打てばよい」というのが真理だと思う今日この頃。

テニスコートの寸法の記事でも示しましたように、テニスコートは縦長。クロスに打つと言っても角度にして高々20度前後です。

そしてアマチュアの選手のほとんどは、実はスピンをかけなければコートに収まらないほどのスピードボールなど打っていないという事実があります。

コート内にボールを収める手段の一つとしてスピンの有効性が高いことは否定するつもりはありませんが、スピンをかけるということは「誤差の許容範囲を広げる」行為であり、一つの方向性にすぎないという認識がベターだと思います。

もう一つの方向性、「精度を上げる」という方向性も同時に追求するのが良いと思います。

コントロールの誤差としては左右方向、上下方向がありますが、両方の誤差を減らす簡単な方法が

「スイングを後ろから前へ力強く」

です。

コートにボールを収めたくなるとどうしてもスイングが小さく、スイングスピードは遅くしたくなります。

しかしそこは思い切って前に向かって力強く振るのです。

ただ単に力一杯振るのとは違います。力任せに振ると、スイングスピードを上げるためにどうしてもラケットが小さい半径で弧を描いてしまいます。いわゆる「手打ち」の状態です。

フィギュアスケートを想像してください。

手を広げてスピン → 体の回転 遅い
手を挙げてスピン → 体の回転 速い

高速スピンで有名な村主章枝選手は、両手を挙げてスピンしていますよね。

つまり回転半径が小さくなれば、回転速度が上がるのです。

同じ原理で、テニスでも速いボールを打ちたいとき、無意識に回転半径の小さいスイングをしてしまいます。

回転半径の小さいスイングはインパクト付近で面の向きが急に変わりますので、誤差が大きくなります。

これが手打ちが良くないとされる原因です。

話を戻しますと、「力一杯振る」ではなくて「力強く振る」というイメージで、前後に長く振ってみてください。

すでに述べたように、速すぎてコート内に収まらないスピードのボールなんて打てませんから、打ち出し角度が正しければ必ずボールはコートに入ります。

「スイングの前後成分」だけを増やすことができれば、インパクト付近での面の向きの変化が小さくなるので、少々タイミングを間違えても角度誤差が小さくなります。

コツは「無責任に打つこと」です。はい、意味わかりませんね。解説します。

ボールの落下地点で調整するのではなくて、ネット上の通過地点で調整します。

大体50cm~1mくらい上でしょうか。案外、上の方を通してもコート内に入ります。

そのターゲットエリア上を通過しさえすれば、ボールがコート内に収まろうがどうでもよい、そんな気持ちで無責任に打ってみてください。

ターゲットエリアを通過する球は、かなり力一杯打ったとしてもコートに入ってくれることが実感できると思います。

ただし、打点の高さはある程度確保してください。

足元からこの方法で打つと、「打ち上げ」になっしまいますので、スピンをかけるか、ボールのスピードを落とすか、ネットぎりぎりを狙うかする必要があります。

ひざ以上の高さだったら大体大丈夫だと思います。

ベースライン同士のラリーよりも、ボレーvsストロークでストロークをやるときの方がコントロールをつけやすいと思ったことがありませんか?

その理由の一つが、この「ターゲット効果」です。的があると狙いやすいということです。

この「後ろから前に力強く(長く)打てばいい」という考えはサーブなど、他のショットにも応用できますので、いろいろと研究してみてください。

世の中何でも研究です。研究心を持つと人生楽しいです。

6 件のコメント

  • 最近のテニス談義楽しく読ませてもらっています。久し振りのコメントですが、”テニスは後ろから前に打てばいい”は私も大賛成です。大学でテニスを始め、当初はフォアを腕力にものを言わせてグリグリスピンをかけてましたが、試合に勝つためにじょじょにフォームを変え、最終的にはテイクバックを下に引いて意識としてはボールの後ろから前に振り抜く形に行きつきました。これだと多少遅れてもボールを点ではなく、線でとらえられるし、膝~腰から上であればけっこうしっかり振り切れば自然に順回転もかかるので、ネット越えてからちゃんとコートに入りますよね。出来るものならニシコリフォアをまねしたいですが。テニス談義、勉強になるので、ニシコリクン復帰してからもお願いしますね。

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  • お久しぶりです。
    こういう現実的技術論はいいですね~~
    特に、「ロブ魔人のススメ」「チャンスボールをミスする原因とその対策」などの身近な戦略上の技術論というか、分析と対策はかなり面白く読ませていただきました。
    また、「ミニラリーの効用」も身につまされました。

    と言っておきながらなのですが、フォアハンドが薄いイースタンでフラット・ドライブしか打てない私にとって、「膝から上のボールをフルスイングしても、ネット上1m以内を通過すればコートに収まる」・・ということはなく、フェンスを直撃してしまいます。
    従って、ラリーで50cm以内、ネットダッシュする時のアプローチや、逆の場合の突き球は強く打つため30cm以内でなければフカしてしまうのです。
    ちなみに私は、柔道をやっていたせいか腕力はあるほうなんです。

    ・・しかし、ひょっとして『「力一杯振る」ではなくて「力強く振る」というイメージ』と言われているので、「力強く打つ(ひっぱたく)」と言うよりも「力強く押す」という感覚を言っておられるのでしょうか?
    それなら、最近脱却しようとしているのでよく分かります。
    これならフカすこともなく、安定しますよね。
    でも、リターン専用のつもりだったこの感覚が全てのフォアハンドでクセになってしまい威力がなくなってしまった私は、現在ラケットの遠心力を感じて如何に速くスイングできるか模索中なんです。
    先日も、50代男性2人、40代女性1人と73歳の男性(ベテラン・ジョッパー)の4人でダブルスをやったのですが、明確に一番速いストロークで相手を押していたのは73歳の爺さんでした。
    そのうち、是非ともあのコツを盗んでやろうと思っています。

    ちなみに「ダブルスで」なのですが、私が団長風に考察していただきたい項目は・・・
    ・ネットに出るか、ステイ・バックを続けるかを判断する条件。
    ・ネットに出てきた相手並行陣の実戦的破壊法。
    ・セカンド・サービスとしてのトップ・スライス・サーブを、威力を付けて安定して打つコツは?
    ・なぜ打点は遅れるのか?
    ・人は生まれながらにしてストローカーとボレーヤーに分かれているのか?
    ・筋肉質なのに、足が遅いやつはなぜ遅い?
    ・片手バックハンドのフラット・ドライブ(またはトップ・スピン)をあきらめ、スライスに生きる決意をすべき瞬間とは?(笑)

    等々ですが、できればダブルスで万年草トー2回戦負けの私のためにご考察くださいませ。

    最後になりましたが、圭君にはJOに出て欲しいような徹底的に休んでいて欲しいような複雑な気分です。(でも、後者かな・・)
    昨年のケンドリック、ガルシアロペス戦を何回も見ています。
    長文、誠に失礼しました。

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  • あっぱれな若者さん

    ありがとうございます^^
    錦織関連のネタが枯渇している中、読者の方々が何を求めているかが全くわからない中、しかたなく自分の脳みその中にあるものをひたすらアウトプットしている状況なのですが、楽しみに読んでくださる方がいて大変うれしいです。

    島さん

    ネタの提供ありがとうございます。
    どれも興味深いものばかりですね。正直、マニアックすぎです!

    相当レベルの高いお題ばかりで、お題の時点で目からウロコ状態なのですが、がんばって考察してみたいと思います。

    さて「力強く」のココロは、おっしゃるとおり「押す感覚」です。
    実際の物理現象としては、押したところでボールとラケットの接触時間が長くなるわけでもなく、したがって押したからと言ってボールが速くなるわけではないのですが、本文にもありますように面の向きの変化がゆるやかになるので、コントロールが上がる効果があります。

    そしてコントロールが上がれば安心感が出てきて、より力を入れても大丈夫になる(=結果としてパワーもあがる)という好循環が出てくるのです。

    ボールのスピードは用具の影響を除けば、基本的にスイングスピードで決定されますので島さんのトライしている遠心力を利用するという方法は、スピードを上げる王道だと思います。

    スイング軌道がきちんとインサイドアウトになっていれば、遠心力を利用してもインパクト付近での面の変化はゆるやかになると思います。

    ネット上でボールを通す適正な高さは、おっしゃるとおりグリップによっと結構変わってきます。私の想定はセミウエスタンくらいのグリップでしたので、フルウエスタンでスピンがかかった球だと1.5mくらいでも大丈夫かもしれませんし、どフラットだと50cmかもしれません。

    この当たりはまた、計算して結果を披露したいところです(いつになるやら・・・)

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  • 追伸;
    上に書いた団長に考察していただきたい項目の第一に挙げた
    「ネットに出るか、ステイ・バックを続けるかを判断する条件。」
    の頭に、「ボレーが苦手のストローカーが」を付けたいと思います。
    もちろん、私のことです。細かくて、すいません(笑)

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  • 追々伸;
    お~~、まるでチャットのようなすばやいお返事、実にありがとうございます。
    上の「追伸」を書いているときは分からず、失礼しました。
    やはり、「押す」という感覚で合っていましたか、よかったです。
    それにしても、テニスとは実に奥深いですね~
    最初に書いたほかにも「テニスの不思議」はいっぱいあります。

    ・なぜ人は、ボールを凝視していても力が入るとラケットの芯(スイート・スポット)を外すのか?
    ・なぜ、ファースト・サーブはどうでもいいときは入って、必要な時に入らなくなるのか?
    (緊張と疲労のせいだと分かっているのに治らない時の対策方法はあるのか?)
    ・なぜ、同じボール(例えばショート・クロスやドロップ・ショット)を打つのに、1回目よりも2回目のほうが難しいのか?
    ・なぜ、ゆるいボールしか打たない(女子連の)オバアチャンに勝てないのか?

    最初に書いた項目の大部分を含め、これらのいくつかはテニスのレッスン・サイトや参考本に書いてあります。
    しかし、納得できて身に付いた答えというものに出合ったことは、ほとんどありません。
    もちろん、団長を便利なコーチと思っているわけではなく、皆さんと共に「実戦的経験的私見」を論じられたら、と思っています。

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  • 思考回路が一緒でワロたw
    自分も「入る面で入る加減で打てば入る」
    「回転はカケルものではなくカカルもの」
    的な発想の持ち主でっす♪♪
    ラケットは400gにしてあるので
    重みで楽に飛ばせますし、かえって力はいりません。
    長時間使いまわすのは疲れると思いますが、
    もうイイ歳のおっチャンなんで続けて2時間以上は
    コートに居ませんからwww平気ですYO.
    今度いつか「重いラケット」vs「軽いラケット」etc
    みたいな座談会形式(勿論荒れないコトが前提)も
    面白いかもねw

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。