間違いだらけのラケット選び

私のバイブルの一つ、「Technical Tennis」より、ラケットを選ぶときにありがちなミステイク、について抜粋します。

ちなみにこの本はフォームやメンタルについては教えてくれませんが、ラケット、ストリング、ボール、コートサーフェスがどのような特性を持ち、ボールがどのように飛び、どのようにバウンドするかについて科学的データに基づいて教えてくれる素晴らしい本です。

この本の前身である「The Physics and Technology of Tennis」があまりにもマニアックすぎて、読者が限定されてしまったという反省からできた本なので、英語ではありますが、内容の割にはかなり読みやすく書かれています。

それに何より素晴らしいのが、この内容の本がたったの1000円ちょい!(1,091円)

信じられません。日本ではこれだけ詳しく書かれた本はありませんし、あっても3,000円はしてしまうのではないでしょうか。翻訳されるのを待つという手もありますが、興味がある方は絶対買いです。英語分からないところあれば、聞いてもらえれば教えますw

0972275932 Technical Tennis: Racquets, Strings, Balls, Courts, Spin, And Bounce
Usrsa 2005-09-28

by G-Tools

話がそれましたが、そういうわけでこの本に書いてある “Mystakes when buying a racket” (ラケットを買うときの間違い)を紹介します。以下のような理由でラケットを買ってはいけない、とあります。

  1. テニス雑誌で見た広告が気に入ったから、あるいはそこに書かれた新しいテクノロジーに惹かれたから
  2. テニスショップで振ってみてよさげだったから
  3. お気に入りのプロや、友人が使っているから
  4. すごく安いから、あるいはすごく高いから

なぜこれらの理由がいけないか、それは個人によって合うラケットは違ってくるからに尽きます。

また、ボールを打たずに振ってみても、ラケットの良し悪しは分かりません。それはラケットの重量(と重量配分)が気に入っているかに過ぎません。もう一つの重要なファクターである、「ラケットの剛性」は打ってみないと分かりません。

高いラケットだから性能が良いとは限りません。高いラケットとは通常、最新のテクノロジーを搭載した新製品のことです。そのNewテクノロジーが、あなたにとって最適であるとは限りません。

ラケットの性能というのは、突き詰めていくと「重量とその配分」「フレームとストリングの剛性」これらでほとんどが説明することが可能である、と著者であるCross教授は述べています。私もこの意見に賛成です。

さまざまなテクノロジーは、それはそれで意味のあることなのでしょうが、劇的にラケットの性能を変えてくれるものではありません。
たとえば「軽くてパワーのあるラケット」。これは誰もが欲しい究極のラケットだと思いますが、軽いとラケット自体のパワーは小さくなります。
その代わりスイングスピードは出せるので速いボールは打てますが、これはラケットのパワーとは異なります。同じスイングスピードであれば、重いラケットの方がボールスピードは増しますし、面の安定性も高くなります。

ではどのようにラケットを選べばよいのか?これは「打ち比べ」しかないと思います。

同じ日に複数のラケットを試すことができれば最高です。日が異なると、気象条件が異なりますし、自分のコンディションも異なります。

ラケットを探している方は、メーカーやショップ主催の試打会があれば積極的に参加すると良いでしょう。

ただし、打球はフレームだけでなくストリングの影響も大きいので、どういったストリングをどんなテンションで張っているか、張ってからどのくらい時間が経過しているかはチェックしておいた方がいいと思います。

そう考えると、理想のラケットなんてなかなか見つからないし、そもそもあるかどうかも分かりません。
適当なところで妥協して、「信頼すること」が大事だと思います。

そんなにラケット選びを外してなければ、手の方がラケットになじむことの方が多いですからね。

私は、実はあんまりラケットに対するこだわりはありません。人間が感じる打球感は音や見た目、振動などに大きく左右されることを知っているので、重量(とその配分)、そしてフレームの剛性が大体自分の好きな範囲に入っていれば、なんでもいい感じです。

7 件のコメント

  • いかにも鼻血さんが好きそうな本ですね^^;;

    あああ><
    僕はお気に入りの選手が使ってたからという理由で買っちゃいました><

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  • 普通の人は、好きな選手が使ってるからという理由で買うと思いますけど。

    フェデラー好きな人多いから、k-61やn-61は結構使ってる人いるしナダルのバボラもかなり売れてるし・・・

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  • ・・・さん

    とっかかりとして、好きな選手の使用しているラケットを試してみる。それはいいんじゃないですかね。
    それに好きな選手のラケットを持つことが目的なら、それはそれででいいと思いますよ。
    本人がそれでいいならそれでいいと思いますね。
    私も錦織ラケットを2本持ってますし。試合では使いませんが。
    自分の好きな選手のラケットで、かつ自分にも合ったラケットだったら最高なんじゃないでしょうか?
    もっとも、実際に選手の使っているラケットは一般販売用のスペックとは違う場合が多いですし、逆に同じスペックのラケットを売られても、使いこなせないことが多いと思いますのが。

    しかし性能や自分に合ったラケットを求めるなら、やはりお気に入り選手が使っているという「だけで」選ぶのは、Cross教授の言うように「Mistake」だと私も思います。

    「人気のある選手のラケットが無条件に売れている」現実があるからこそ、今一度よく考えてほしい、とこのようなことをCross教授は言っているのではないでしょうか。

    もし性能の良いラケットや、自分にあったラケットをを求めるなら、しっかり打ち比べてから買った方がいいということを、Cross教授も言いたいのではないか、という解釈で、この記事を書きました。

    もっとも、試打してから買う人の方が多いとは思うので、この記事は余計なお世話だったかもしれません。

    それとこれはお願いなのですが、コメントを記入するときは固有の、匿名性の低いハンドルネームでお願いします。
    「・・・」というのは言葉ではありませんので、呼ぶときに大変不便です。
    「このブログの利用上の注意」にも書いてあることですので、恐れ入りますがよろしくお願いします。

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  • こんばんは。初めまして。
    私はショップで何本かラケットを借りて試打して決めています。なのではずれはないのですが、困ることはしばらくして同じのをまた購入しようとするともう販売停止で新バージョンになってしまっていることです。この新バージョンが曲者で試打してみるとなんか違うんですよね。
    ストリングも最近は豊富で何がなにやらわかりません。少し前にストリンガーの方と一緒にテニスをして私のプレースタイルにあったものを薦めてもらいましたが商品に詳しい人と知り合いになるのも必要ですね。

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  • falsteloさん、コメントありがとうございます。

    そうですね、その悩みは多くの人が持っていると思います。
    一部の定番モデルを除いて、とにかく新製品のサイクルを短くして、消費者を刺激しないと売上が立ちませんので、メーカーも苦労しているようです。

    同じモデルでも結構違いますよね。定番のピュアドライブでも2つ前から1つ前のモデルに変わったときの変化は小さかったですが、現行モデルは少し違うようです(まだ試打してませんが)。

    友人でこだわりのある人は、ヤフオクを常にチェックしていて出品されるたびに同じラケットを買っているようですよ。

    記事中にあるように、重量と重量配分、フレームの剛性が同じくらいだったら、ボールの飛び方は似たようなものになるので、感覚の違いは振動や音といった「フィーリング」の部分になるかと思います。

    そして人によっては、それが一番重要だったりしますのでやっかいですね。

    思い切って、最初に4,5本買うという手もありますが10万円コースになりますし、難しいです。

    お勧めは、新モデルが出るときに半額になる、旧モデルのまとめ買いです。
    私も今のピュアドラが出るときに旧ピュアドラを3本買いました。5万円ちょいでした。

    ストリングも最近は豊富ですね。私の印象では、素材の違いを除いたら、ゲージの太さが最も飛びに影響がある気がします。
    (フィーリングは当然、ストリングごとに違います)

    細いストリングは耐久性が低いですが、弾力性が高いので私は好きです。
    ここでいう弾力性とは、「追加の力に対して、どれだけストリングが追加で伸びるか」のことでして、ナチュラルガットなどはこの弾力性の高さが、性能の良さとしてプレイヤーに認識されるから評価が高いとの解説がされています(「テニスの法則」より)。

    私のお気に入りはバボラのBRIOの1.25mmです。
    マルチフィラメントタイプで、打った感じがソフトで、細めなので弾力性が高いです。これを50~55ポンドの間で、季節やコンディションに応じて変えています。大体が53か55ですけど。

    いろいろ変えるのもいいですが、同じラケット、同じストリング、同じショップ(ストリンガー)で長いこと張っていると、かなりコンディションに対して敏感になれます。

    そろそろ暑くなってきたのでテンション上げとこうか、とか明日の朝に試合なので、いきなりだと硬すぎる可能性があるので緩めに張っておこうとか、調整することができます。

    というわけで、選択肢がありすぎるのでまずは基準となるストリングで複数回試してみて、より弾力性があるもの、ないもの、とか調整していくと良いと思います。

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  • 私はプアドラロデ+にトルネードを53です。
    試打するとすぐに欲しくなる性格なので、
    よほどのことが無い限り試打はしませんww

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。