左手でサーブを打って女性の気持ちになってみるの巻

サーブが苦手な女性が多い。初心者はまず90%以上、羽子板的打ち方になる。手首を外に折って、ラケットフェイスが開いてしまう。

で、内転とか薄いグリップとか肘を上げるとか、お決まりの教え方をする。結構分かってくれる。でも、構えた途端に無意識にグリップを握りかえる・・・。

ということを何カ月も繰り返す。でも、理解してないのかといえばちゃんと理解してる。教えている最中は一生懸命やってくれて、部分的には良くなってその日の練習を終える。

で、次回また元に戻っているわけなのだが、これは責められない。なぜなら、イメージができないから。

男の子は一度は野球を、いや最低でもキャッチボールをしたことはあるだろう。小学校ではドッヂボールなどもよくやっていたが、今はどうなのだろうか?

とにかく、ボールを投げるという動作は男性にとって特に「非日常」の動作ではない。

でも女性はどうだろうか。おそらく平均的には、男性と比べて圧倒的に「ボールを投げた」経験に乏しいだろう。もともとの体の構造(肩の強さ)などもあるかもしれない。

いや、ボール投げの経験に乏しいから、そもそも肩関節の稼働域が確保できていなかったり、必要な筋肉がついていないのかもしれない。

そう思って、もうずいぶん前になるのだが、女性の気持ちを分かろうとして左でサーブを打ってみたことがある。

当然ながらまともに打てない。ちょっと違うかもしれないが、女性はこういう感じでサーブを打っているのかなー、と思った。

イメージがあって、理屈は分かっているはずの私ですら打てないのだから、初心者、ましてや球技もしたことがない大人の女性が、何回かサーブ練習しただけで入るようになるわけはない。私だって、中学校から初めてまともにサーブが入るようになったのはいつのことだったか。初めて打ったスピンサーブは右90度に飛んでいった。

脳から出た命令が筋肉に正確に伝わるためには、神経回路網が整備されないと不可能。1回、2回と同じ動作を繰り返すことによって、シナプスの結合が強くなっていき、動作が安定していく。

最終的にまともにサーブが打てるようになるのに何百回、何千回打てばいいのか・・・国枝さんは、ショットをものにするまでに3万球必要、と言った。初心者女性がサーブをものにするにはそれ以上必要なのではないか。気が遠くなった。

ただ、私の左手の場合は比較的速く上達した。と言っても確率は低く、そこそこいい当たりができるようになっただけだが。右利き時のイメージがあることと、理屈が分かっているのでフィードバックが強く効いたのだと思う。(ただし、筋肉ができていないので脇のあたりが痛くなった)。

ここから分かることは、「やっぱりちゃんと正しいフォームを教えたら、上達は早くなるはず」ということ。イメージを確立するのはまた別の作業が必要で、目の前で何回も打ってあげること、動画を活用することくらいしかない。そしてやっぱり反復練習で筋肉と神経回路網を発達させる必要がある。なんとか初心者から始めて、「ビッグサーバー」と呼ばれる女性を育成してみたいと思う今日この頃。

1 個のコメント

  • netdashさん、ずいぶん前の記事ですがぜひコメントさせてください。
    女性のことをここまでわかってくださっているなんて感激しました。
    そうなんです。スクールでよくサーブの練習のとき、ボールを投げるようにとか、ピッチャーの動きがよく似ている・・・なんていわれるんですが、ボール遊びなどしたことのない女子はまったくイメージできず。。。さらに???となってしまうんです。
    それでもサーブはひそかに一人で練習することはできますが、スマッシュとなると一人特訓ができないし、スクールでの練習の頻度がもっとも少ない。
    たぶん男性は、高く上がったボールがどれくらいで落下してくるのか予測できるんでしょうね。すぐ上達というか、最初から打てたりして羨ましい。
    な~んて思っていたところ、この記事を読んで思わず「気持ちわかってくれてありがと~」と伝えたくてコメントしちゃいました。
    日々、女子もできないなりに頑張ってます♪

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。