【試合直前データ分析】ジョコビッチのサーブ打ち分け+気になる手首の状態

2018マドリード1回戦 ジョコビッチ戦を直前に控え、ATP公式サイトのServe & Return Trackerのデータを使ってジョコビッチのサーブのコース打ち分け方を分析したいと思います。

気になる手首の情報

その前に一つ気になる情報が。
GAORA SPORTSのツイートによりますと、練習後に手首を押さえてながらコーチ(と書いてありますが後ろ姿で誰なのか不明。ダンテか中尾トレーナーか。)と話し込んでいたとのことで、実際に下の動画の1分47秒からその様子が確認できます。

右手首の痛みは消えてないことは既に明らかになっているので、通常の痛みの範囲で、その程度について情報共有しているだけであればいいのですが、映像の雰囲気からはちょっと心配になります・・・。

その前のサーブ練習の場面でも表情は険しく、かなりイラついている様子。手首のサポーターもいつもより厚く見えます(サポーターの下にグルグルにテープを巻いているのかも?)

とにかく、心配です。

ジョコビッチのサービスコース打ち分けの分析

それでは分析を始めます。

Serve & Return Trackerのデータソースは2011年〜2017年のマスターズ1000及びATPファイナルです。
錦織 vs. ジョコビッチについても対戦が多く、十分なデータがあると言えます。
あの2014年全米SFが入っていないのは残念ですね。

対象試合

 2016 ATP Finals SF Novak Djokovic 61 61
 2016 Canada F Novak Djokovic 63 75
 2016 Rome SF Novak Djokovic 26 64 76(5)
 2016 Madrid SF Novak Djokovic 63 76(4)
 2016 Miami F Novak Djokovic 63 63
 2015 ATP Finals RR Novak Djokovic 61 61
 2015 Rome QF Novak Djokovic 61 36 61
 2014 ATP Finals SF Novak Djokovic 61 36 60
 2014 Paris SF Novak Djokovic 62 63

条件に当てはまるのは以上9試合ですが、個々の試合毎のスタッツは不明です。
他の選手の分析をしたとき、対象試合があるはずなのにデータが出てこなかったことがありましたので、9試合全部のデータが含まれているかどうかは確認できません。
ただ、総ポイント数が306であることは分かっていますので、データが欠けていたとしても1,2試合分だけでしょう。
サンプル数としては十分です。

1stサーブの分析

1stサーブ、デュースサイド
対 全選手平均 センター 45%、ボディ 6%、ワイド 50%
対 錦織圭 センター 44%、ボディ 6%、ワイド 50%

1stサーブ、アドサイド
対 全選手平均 センター 45%、ボディ 8%、ワイド 48%
対 錦織圭 センター 47%、ボディ 8%、ワイド 45%

考察

  • 多くの選手が錦織のフォアに多めに配球してくるが、ジョコビッチに関しては特に錦織だからといってコースを変えてきていない。
  • ほぼ半々にセンター、ワイドを打ち分けている。ボディ率も低く、コントロールの良さが伺える。

2ndサーブの分析

2ndサーブ、デュースサイド
対 全選手平均 センター 39%、ボディ 25%、ワイド 36%
対 錦織圭 センター 32%、ボディ 24%、ワイド 44%

2ndサーブ、アドサイド
対 全選手平均 センター 34%、ボディ 33%、ワイド 33%
対 錦織圭 センター 49%、ボディ 24%、ワイド 27%

考察

  • 1stサーブでは偏りが無かったが、2ndサーブでは明確にフォアへ多めに配球している。両サイドでフォア側への割合が高くなっている。
  • 特にアドサイドでは半分をセンターに配球してその傾向が顕著。錦織のバックDTLリターンを警戒しているのか。
  • ただ、表には記載していないが、アドサイドで最も得点率が高いのはボディ(62%)。両サイドより15%以上高い。理由は不明。

7 件のコメント

  • 部長も団長と同じくサーブ解析やってます(笑)。

    【ジョコビッチのサーヴ解析】
    ATPのSv&Ret Trackerのデータを基にナダルのサーヴの傾向を調査。ハードとクレー別。対戦相手の、全選手、右利き(大半の試合が右利きなので全選手データと大差ない)、左利き別(だいぶ様子が変わる)、対錦織戦も調査したまとめのプロットはこちらにあります。観戦のお供にどーぞ。これまでの他の選手(チリッチ、ズヴェレフ弟、ナダル、(ナダルと間違えて解析したフェデラー))のまとめは、こちらにあります。

    考察は団長と同じなので詳しくは割愛しますが、付記すると、

    【ジョコビッチのサーヴ】
    ◯ ジョコビッチは、(他の選手同様)基本的にハードとクレーでサーブ・パターンは変わらない。
    ◯ 1stサーブは、Tとワイドに均等に打ち分けている。
    ◯ 2ndサーブは、デュース・サイドがTセンター(BH)が多い。次いでワイド(FH)。ミドル(ボディ)もある。 アド・サイドでは、ワイド(BH)、ミドル(ボディ)、Tセンター(FH)の順に割と均等に散らしてくる。

    【錦織戦のジョコビッチのサーヴ】(特にクレーは試合数は多くないので有意性には注意が必要)
    ◯ ハードでのパターンは、2ndのFH側が少し増える程度で他の選手相手とほぼ同じ。
    ◯ クレーでは、デュースの2ndのワイド(FH)が多く、ミドル(ボディ)も狙ってくる。2ndのアドはTセンター(FH)が多い。

    【ジョコビッチのポイント獲得率】
    ◯ T、ミドル、ワイドと満遍なくポイントを取っていて素晴らしい。実際ジョコビッチ全盛期だったので、1stは7割以上、2ndは6割とハイレベルの数字が並んでいる(それ以上をいくあり得ない数字を叩き出しているのが現在のナダルのクレーなんですが)。
    ◯ 錦織の1stリターンは、他の選手相手のスタッツに比べて良くない。特にハードで8割取られている(他の選手は7割)。
    ◯ 2ndは錦織のリターン良く、ハードではデュースではミドル、アドではT、クレーでは特にアドのワイドとミドルで錦織がポイントを稼いでいる(スタッツは少ないので過大解釈注意)。

    なので注目は、ジョコビッチの1stサーブ・リターン対策と、2nd特にアドサイドでアタック(してブレーク)できるか、でしょうか。

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  • 手首に関しては、マドリード入りしてから右手(故障箇所の手首ではなく上腕)にテーピングしていますが、モンテ・カルロでは「(クレーはハードと違うので右手首に)少し痛みはある」と言っていたので、状態と相談しながらだと思います。再度故障したら次は手術と昨年本人も言ってたので、少しでも違和感があればバルセロナの時のようにリタイヤすると思うので、絶対にムリはしないと思います。ガオラの映像はCETで午前中の投稿なので、今日のククシュキン相手の練習風景ではあり得ないですね。今日の試合前練習(現地時間午後)では、普通に打っているので大丈夫かと思います。

      引用  返信

  • 今晩は。
    団長さま、詳細なサーブ分析記事ありがとうございます。私なんかはただフムフムと、読んでなるほど~と感心するばかりです。

    Nunber Webに今田望未氏がコラム掲載。この方はMCにおける錦織選手のFHに注目されています。団長さまのデータ分析とともに読まれるのもご一興ではないでしょうか。
    <データで見えた錦織圭の完全復活! 鬼の勝負強さでマスターズ準優勝>
    http://number.bunshun.jp/articles/-/830700

      引用  返信

  • 今日のククシュキンとの練習はしっかり行ったようですので、まずは試合出場は大丈夫なのかなと思います。

      引用  返信

  • 今晩は。
    団長さま、ククシュキン選手との演習情報ありがとうございます。
    しっかり練習できていたのなら安心です。あとは応援あるのみ!

      引用  返信

  • 団長さま。
    レビュー記事だけでなく、
    micchiさまの応援フード、
    更に団長さまの分析記事に、
    部長さまの分析まで!!
    なんと贅沢な✴️

    観戦のお供が沢山で、ワクワク感が止まらないです❤️
    あとは圭くんの登場を待つだけ。

    Come on,Kei(o^-‘)b !

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。