錦織圭、難しいコンディション調整をストレート勝利でクリア!(2016全仏1回戦)

錦織 vs. ボレリ

2016 French Open (Grand Slam)
Men’s Singles 1st round
Kei Nishikori[5] def. Simone Bolelli, 6-1,7-5,6-3

3rdセット2−1で中断されたこの試合、本日も雨でスケジュールが遅れ、第1試合も予想外の接戦となり、錦織の試合がスタートしたのは現地時間17時(日本時間24時)ごろとなりました。

難しいコンディション調整を強いられる中、錦織のプレーの感触はあまり良くなかったと思います。
きれいに決まっていたバックハンド・ダウンザラインがアウト、あるいはネットし、ボレリの強打に後手を踏む場面もしばしば。
しかしサービスゲームをしっかりキープしてチャンスを待ちます。

エンジンが暖まらないながらもボレリの強打(結構凄かった・・・)をなんとか凌ぎきり、ミスを誘ってブレイクして5−3。バックのストレートも戻ってきました。
次のサービスゲームでボレリのナイスショットもありブレイクポイント2つを握られますが、ここを慌てず2本ともセーブすると、最後はサービスエースで締める、「トップ選手のテニス」を披露。
結果的に効率的に試合を終えることができました。

ボレリ、故障明けながらもショットが強烈で相変わらず見ていて気持ちの良いテニスでした。
次は完全復調の状態で戦いたいですね。

2回戦の対戦相手はクズネツォフです。
あまり知られていませんが、「次は見とけリスト」にまだ残っている選手です。
2010イーストボーン(芝)で4-6,1-3の時点で錦織のリタイア負けです。
ずいぶん昔の話ですし、リタイア負けなので参考にはなりませんが、とりあえずリストから消しておきたいですね。

ダニエル太郎、大逆転!

嬉しいニュースがもう1つ。
ダニエル太郎が4回目の挑戦でグランドスラム本戦初勝利!

Men’s Singles 1st Round
Taro Daniel def. Martin Klizan, 3-6,4-6,7-5,6-4,3-0, ret.

しかも相手はクレー巧者のクリザンです。
2セットダウンし、3rdセットもリードされた状態から、とにかく粘る、走り、ボールを返すというクレーコートでもっとも大事なことを愚直なまでに実践。
するとクリザンが根負けしミスをする場面が増えていきました。
太郎がとにかくミスしないし、あきらめずに返してくるのでクリザンが「より厳しく」狙って行かざるをえず、プレッシャーになりました。
1発で決めるショットを持つクリザンだけに、決めようとする意識が強すぎてしまったのかもしれません。

3rdセットは粘って取ったものの、4thセットは気を取り直したクリザンのショットがことごとく決まり、あっという間に0−4に。
ここから太郎のミスのなさがすごかった。1本1本を大事に全力でプレーする姿勢に感動すら覚えました。
6ゲーム連取してセットを取った頃にはクリザンは完全に意気消沈、左肩にも異変を感じていたようで、ファイナルセットは太郎の3−0リードとなったところでMTOを取りますが、プレーを続行できずリタイア。深刻でないことを祈ります。
でも間違いなく太郎がそこまでクリザンを追い込んだ試合でした。
4thセットで決まっていたところを、崖っぷちから這い上がってきたのは、日頃から鍛えた精神力と体力の賜です。

そして楽しみな2回戦はワウリンカと。

ワウリンカもロソルを相手にセットカウント1−2のピンチがあり、フルセットで勝ち上がってきました。
ワウリンカも波がある選手なので、太郎ワールドで上手くハメたら何かが起こるかも・・・
確実にフィリップシャトリエかスザンヌランランに試合が入ると思うので、世界にアピールするチャンス。
このまたとないチャンスを活かして欲しいですね。

大坂なおみもシード選手を撃破!

Women’s Sinles 1st Round
Naomi Osaka def. Jelena Ostapenko[32], 6-4,7-5

対戦相手のオスタペンコも大坂と同じ18歳(もうすぐ19歳)。それでシードが付いているので相当な有望株です。
実際、プレーの方も粘っこく、するどいカウンターや甘い球を逃さない嗅覚に非凡なものを感じましたが、大坂がスケールの大きなテニスで振り切りました。
荒削りな部分がかなり残った状態でこの結果はすごいです。どこまでも伸びていきそうです。
試合後のインタビューでナーバスになっている部分があったと語っていましたが、そんなの感じさせないくらい強気ですね。
緩急や細かいプレースメントなどを覚えたらどこまで行っちゃうんだろう。

77 件のコメント

  • @Vivaさん

    以前にも似たような記事が有りました。確かにテニスはヨーロッパ発祥で、多分にもれず「こちらが本家」意識はあるでしょうね。でもそれはテニスに限らない話かな、と。それに間違いなくフランス人あたりは気位が高いw。錦織君は良い意味で鈍感で、ある意味日本人臭いのかなと思ってます。不利な判定の原因を外に求めるのがキリ坊なら、錦織君は自分を責めますよね。「だったら文句言わせないウィナー取れば良い」的な。微妙な判定が結果に影響する事を否定はしませんけど、それも含めて戦っていると思ってます。でももうTOP10選手として定着した今、「錦織の球ならライン際にかかって入ってる」的な恩恵も受けているような気がします。

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  • @としぼう さん、

    100%同感です。
    ちょっと思ったのですが、フランス人でも黒人の場合はどうなんでしょうね。私は特に蔑視の様な雰囲気は感じませんが・・・
    話変わりますが、日本のお家芸の”柔道”これの規則?規定?は彼らに(欧米人)に有利になるようどんどんかわってきちゃって、日本のお家芸じゃなくなってきちゃってませんかねぇ。本当に悔しい!!!

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  • マレー対ステパネクはやっぱり最後はマレーが勝ったんですね
    苦しみながらも勝つのはさすがトップ選手
    それはワウにも言えますね
    しかしステパネク残念でしたー
    彼の老獪なプレーは好きなので 最後はマレーかなと思いつつもちょっぴり番狂わせを期待してたんですが‥
    しかし こうゆう試合があるからテニス観戦は面白くてやめられません!!
    今から楽しみに録画を観まーす

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  • @vivaさん
    僕は正直この記事自体もちょっと先入観を植え付ける要素があるのかなと思います。
    特にキリオスの事を引き合いに出して、キリオスにアジア人のルーツがあって偏見を受ける側だから
    アジア人の錦織に対しては紳士的だという下りが気になりました。
    そもそもキリオスは審判以外に噛み付く事はあまりありませんし、インタビューとか読むと割と誰にでも紳士的で、錦織に対して特別ということもありません(もちろん例外はあります)
    それにキリオスの言うバイアスも優等生なナダルやジョコと悪いイメージのある自分とでジャッジに差があるということに近く、人種による偏見を指してるというのは違うと思います。
    もちろん、多かれ少なかれ人種による偏見はありますし、キリオスもその経験はあると思いますが、この記事は少し恣意的だと思いました。

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  • @halhal さん、

    なるほど。

    ただ、こういう記事がまだ出ていること事態、日本人自体もアジア人であるという劣等感(?)みたいなものを払拭しきれてないことの象徴でしょうか。

    わたしも実際ヨーロッパに住んでいて、移り住んだ当初とは大分空気も変わりましたけど、そういう意識はいつもどこかにありますね。

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  • 相沢光一という方は、スポーツ専門ライターではありません。また、テニスへの造詣が深いとは言えず、特にATPツアーへの知識がかなり欠ける方です。

    http://diamond.jp/articles/-/70793?page=2

    この記事では、グラスコートでATP250ツアーが開催されていることすら認識していませんでした。個人的にはテニスライターとしてはあまり評価していません。

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  • @ふりすく さん、

    なるほど!ライターの分析まで恐れ入りました・・・
    しかし、”東洋からの小柄な・・”はないですよね。スペインのフェレール選手なんてもっと小さいんですから!
    きっとこのライター自身がアジア人というしがらみの中でもがき続けているんでしょうかね。

    奈良選手始まりましたね!

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  • @vivaさん
    自信のなさみたいなのはどうしてももあるのかなと思います。
    ヨーロッパに住んでたら分からないかも知れませんが、日本でcool japanについての番組があるんですが、正直その番組を見ると、外国人に何がcoolかを決めてもらわなくても良いのにって思ってしまいます。
    それと同時にこういう風に感じる自分も少し卑屈かなとも思っちゃいますね。

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  • 皆様、沢山の記事のご紹介、ありがとうございました。1つ1つ勉強になりました。マレー選手、辛勝でしたね。それから土居選手、残念でした。奈良選手も頑張って!
    圭君の試合は明日でしょうか?しっかりケアして頭もリセットして良い試合を期待しています。

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  • 話が逸れるかも知れませんが、日本人の劣等感みたいなもの、
    土居選手の試合で感じました。
    私なんか、TVの前で、がんばれ~、ドンマイ、これから!
    なんて、思わず声が出ちゃうけれど、
    応援席の多くの日本人の方々は信じられないくらい静か。
    劣勢に追い込まれてベンチに戻ってきても、
    ベンチのすぐ後ろの日本人は新聞を広げてる。

    応援すると堅くなるから? 土居選手は、日本人の応援を嫌う?
    ど素人の私には窺い知れない事情があるのでしょうか?

    でも、追い込まれてからも、必死でプレーしている姿に、思わず声が出てもいいのでは?
    応援しに行きたくても行けない身には、
    多くの日本人観戦者からガンバレの声ひとつ出なかったのは、
    なんとも哀しく感じました。

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  • 明日から2回戦ですか?
    残念ですが、結局あれから棄権者は出ず西岡選手にはLLは回ってきませんでしたね。気を取り直して先に進んで欲しいと思います。
    実力でDAを勝ち取ればいいんです!

    奈良選手5-7で1セット目落としてしまいました。挽回だ!!

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  • @おばっち さん、

    ですよねー。
    私はまだテニスの大会は見に行ったことはありませんが、
    私は声出す派です。
    地元で競歩大会があった時に日本人の選手に”活”入れました!
    しつこいくらい!(笑
    一緒に行ったもう一人は全然でした・・・・

    スペイン人の旦那に言わせると
    テニスの大会では個人の応援は行儀悪い・・・と言いますが、皆やってますよね!

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  • @halhal さん、

    見たことあります!
    私の場合、あれを見ることにより自信が付きます。
    日本人で良かったと再認識します!

    とかく欧米では日本・中国と同じくくりにされ易いので・・・

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  • @Viva さん、

    ですよねぇ~、一人で頑張っている姿に感動したら、
    素直に声出しても、いいと思うんですがね・・・

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  • @halhalさま、@VIvaさま

    私も海外在住時にはcool japanの番組見てましたよー!しかも英語で!!
    海外在住日本人にとっては日本の良さ再発見番組ですよ!
    帰国して日本語での放送を見てなんか不思議な感覚になりました。

    わたしも大声応援派です!!

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  • くるみちゃん、2セット目取れました!
    がんばれ~♪

    圭くん、明日、コート1、第一試合、決まったようです。

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  • 奈良選手2セット目とりましたね。
    対戦相手のAllertova選手MCOでしょうか?

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  • ん?くるみちゃん、Retire?
    ずっと見てましたが全く状況が飲み込めないです。
    最後は相手の方がきつそうでしたが・・・
    審判の方に歩いて行ったのも相手の方だし・・・
    WOWOWは何も触れてないし、ツイでも今のところ上がってない?

    追記
    今ツイに上がってました。やはりスコアの方が間違ってたようです。おかしいと思った。

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  • 圭くんの2回戦は、明日の第1試合なんですね。
    現地11時開始(日本時間18時開始)

    今日は、マレーステパネク、面白かったです。
    ステパネク、カッコいい37歳だ!
    アンディ、いいように遊ばれてましたね…(^^;;
    1回戦からフルセット、QFまでもつのかしら・・。4Rでビッグサーバーに敗退した全米の苦い記憶がww

    トップハーフは、ジョコさん、ナダルさん、ベルディヒさんも安定のストレート勝利。
    やっぱり、ボトムが断然チャンスありますね!

    leiさん
    遅レスですが、圭くんの忘却力は、一つの才能ですよね。相手選手に失礼かもですが、全く悪気はないんですよね〜。
    過去をリセットして、目の前の試合のみに集中する。そんな圭くんが大好きです😊

    クズネツォフ戦も全力応援*\(^o^)/*

      引用  返信

  • 相手直前にMTO取ってたし、審判に言いに行ってたのも相手だし、最後は全く打ててなかったし、(Scoreは)おかしいと思った・・・
    相手のRetireではありますが、まずはくるみちゃんおめでとうございます。美咲ちゃんの分まで頑張って下さい
    m(_ _)m

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  •  相沢某さんの記事については私も読みました。
     この記事については、あぁ、そうなのかなぁ、くらいで良いと思われます。

     というのは、一つ言えそうなこととして、この方はキリオスの直接・間接のコメントを取って(採って)いない、或いは、それを根拠にしていないように思われるからです。
     例えば、キリオスがそんな思想的な発言を本当にしたのか否かが分からないわけです。

     ご自分の価値観に合わせた既存の(過去の)情報の収集により記事を組み立てているのではないかと思われるのです。
     つまり、最初にご自分の価値観ありきで、それに都合の良いと考えられる情報を集めて書いたのではないかと思われます。
     但し、肝心のキリオス自身の発言や行動に関する根拠情報が欠落しているようです。
     ひょっとしたら、こんな趣旨の記事を書いて欲しいと依頼されたのかもしれませんが。。。

     どんな事実に基づくご意見か読者自身で識別するよう心掛けると良いかもしれません。

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  • @アリス さん、

    スコアでしか見ていなかったので、分かりませんでした。
    情報、ありがとうございました。

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  • クズネツォフ、ゴファンの様な 光るテニス IQセンス タイプ。将来性有り。大物喰いも出来る。タフ ロシアン # one。スカウト情報必須。3-1で 錦織。”リラックス” 🎾 くずね蕎麦/くずね豆腐!

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。