勝負強さ際立つ錦織圭、ハリスを「次は見とけリスト」から抹消!(2021ワシントン準々決勝 vs. ハリス レビュー)

2021 Washington (ATP 500)
Quarterfinal
Kei Nishikori def. Lloyd Harris, 6-3,7-5

今年初の準決勝進出!!
今年初の4連勝!!
今年初の3連続シード撃破!!

と、「今年初」がたくさんならぶ記念すべき試合になりました。

ハリスはそのポテンシャルの高さを存分に発揮し、サービスエース11本を含む26本のウィナーを叩き込んできましたが、勝負強さで錦織が大きく上回りました。
出だしからリターンが合い、フォアも攻撃的に行って4−0。この上ないスタートを切りましたが、4-1から3球目ミス3本とダブルフォルトであっさり落とします。
4-3からのサービスゲームでも少し消極的なプレーが見られ、サーブを入れにいく場面も見られました。
しかし最後は強気サーブからのスマッシュ(叫んだ!)で勢いを付け、次のゲームでも粘りを見せてセットを取りました。

セカンドセットはさらに苦しい場面がありましたが、最終的にすべてキープすると、6-5からの強気の攻撃で試合を終わらせました。

と、書いてしまうとこんな感じだったのですが、実際のプレーはもっと凄みがありました(表現力のなさが恨めしい)。

これだけではよくわからないので両者の試合運びの差を、具体的に対比してみましょう。

1stセット
Game1 (ハリスSv) 30−30からハリス落とす。最後はDF。
Game2 (錦織Sv) 30−30からサーブとリターンミスで錦織取る。
Game3 (ハリスSv) 40−30から錦織ナイスプレー3本でブレイク。
Game4 (錦織Sv) ウィナーで簡単キープ
Game5 (ハリスSv) リターン返し2BPだが好サーブ連発でキープ
Game6 (錦織Sv) 錦織ミス連発でブレイク
Game7 (ハリスSv) ほぼサーブだけでキープ
Game8 (錦織Sv) BP握られたがしのぐ
Game9 (ハリスSv) ハリス40−15からDF絡みで追いつかれる。最後は連続ミスでブレイクされる

2ndセット
Game1 (錦織Sv) ウィナーで楽にキープ
Game2 (ハリスSv) サーブで楽にキープ
Game3 (錦織Sv) サーブ良くキープ
Game4 (ハリスSv) サーブ良くキープ
Game5 (錦織Sv) ミスもらって楽にキープ
Game6 (ハリスSv) 3BPすべて凌いでキープ
Game7 (錦織Sv) BP握られたがウィナーでキープ
Game8 (ハリスSv) BPをサーブで凌いでキープ。最後もエース。
Game9 (錦織Sv) サーブ良くキープ
Game10 (ハリスSv) BPをサーブで凌いでキープ。
Game11 (錦織Sv) BP握られたがキープ
Game12 (ハリスSv) サーブ決められるもウィナー級4ポイントでブレイク

赤の下線が錦織が勝負強さを発揮した、またはハリスが勝負弱かったゲーム。
青の下線がハリスが勝負強さを発揮した、または錦織が勝負弱かったゲームです。
錦織がまずかったゲームは1stセット第7ゲームだけであることがお分かりでしょう。
そして、青線より赤線のほうが多いですよね。
2ndセットはお互いに苦しいサービスゲームが続いたが、最後に我慢比べに錦織が勝った形です。
しかも攻撃で取りました。
素晴らしいの一言です。

錦織はハリスのデュースワイドサーブ(フォア側)に苦労しました。
アドサイドでもセンター(フォア側)のサーブが非常に効いていたのですが、なぜかハリスはワイド中心に来ました。
このあたり少し助かったかもしれません。
ストロークでもハリスは錦織のフォアへのボールを起点とした攻撃が冴えていましたし、基本は錦織のフォア狙いだったはずでしたが。

今大会当たった選手はクエリー、ブブリク、ノリー、ハリスといずれも素晴らしい選手ですが、結構ミスしてくれるし、錦織が攻撃するとちゃんとポイントが取れる感じがしませんか?

では彼らのプレーがそこまでまずかったのでしょうか? 確かにどの選手にも波がありますし、絶好調と言える選手はいなかったかもしれません。
ですが、4人が4人とも不調であったとも思えません。

錦織の3球目ミスの多さ、入れに行く1stサーブなどの課題が解決されてきて、プレーそのものが良くなっているということも要因ですが、基本的には最近負けた選手たち、トンプソン、ジョコビッチ、ズベレフ(3回)、ナダル、チチパス・・・。彼らが全員、しつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいしつこいプレーをする選手たちだったからでしょう(しつこくて申し訳ありません)。

そのイメージがあり、錦織が根負けする、錦織が体力切れするイメージがどうしても植え付けられてしまいましたが、こうやって中期的に一連の試合を見ていき、相対的な評価をしていくことが大事かなと思います。

勝負強さの発揮のために必要なことは、結局は普段のポイント率を高めることだと思います。
普段のプレーのクオリティがあがり、自信が付くことで勝負どころで取れるようになるのだと思います。
やっぱり錦織、自信を付けています。
あとは疲れとの戦い。
次の対戦相手のマクドナルドは、2018ダラスチャレンジャーの決勝で当たって以来。
故障からの復帰直後でフォアが入らない中、バックハンドだけでもぎ取った優勝でした。思い出深い試合です。

マクドナルドも苦労していて、故障により昨年は200位台まで下がり、そこからチャレンジャーなどでポイントを積み重ねてここまで戻ってきました。

どちらも応援したい気持ちになりますが、ここは錦織に道を譲ってもらいましょう。
タイプとしては実直ストローカーなので本来、錦織の得意とするタイプだと思いますが、最近錦織はむしろショートラリーで取る傾向があり、長いラリーで先にミスをする場面もちょくちょく見られます。体力の心配もあるので、攻撃力はあるがディフェンス力は高くないクドラの方がやりやすかった可能性もあります。
しかし今の錦織は、どちらが来ても関係ないくらい、調子が良いと思います。明日も勝って、久々の決勝進出で幸せな3連休としたいですね!

15 件のコメント

  • ここまで来たら2019ブリスベン以来の優勝を期待しますね。しかし、準決勝ですらテレビでのライブ放送がないのは寂し過ぎます。もし決勝までいったらWOWOWさんには英断を期待。

      引用  返信

  • 団長さん、嬉しい錦織準決勝進出を決めた試合レビュー、ありがとうございました😊
    ゆうたさんが紹介してくださった会見動画の中で、準決勝進出の感想を聞かれ、団長さんが書いているように、「久々に続けて4つ勝てたことは嬉しい。ここのところ3ついい試合をしてもその後阻まれることが多かったので。」と言っていました。1ゲームの中でいいプレーを継続するから始まって、次は1セット、1試合、大会を通して…と団長さんがコメントしていたことはつい最近のことのように記憶していますが、もう大会を通しての好調さが続いているのですから、ほんとに嬉しい驚きです。錦織独特の感覚が研ぎ澄まされてきているのが、本人の言葉からも、試合を見ている私たちの目からもハッキリしてきました!あとは、きっちり形として残したいところでしょう。あと二ついいプレーを続けて結果に結びつけられるのか!錦織は相当気合が入っていると踏んでいます。見届けるぞ!

      引用  返信

  • きっついけれども
    マスターズでベスト4(360pt)をとるよりも
    このワシントン500で優勝する方がコスパがいい
    というようなことは本人も思っているようです。
    応援側もその気で頑張りましょう!
    マクドナルドは6:00から開いてる!
    朝マック食べて応援します!

      引用  返信

  • 赤線、青線分かりやすいっすぅ

    何度も何度もチャンスがあって取れなくて…
    チャンスが行ったり来たり…
    当たり前だけどそれでも諦めない!
    偉い!どんなメンタルなんだか…

    4回とも「相手よわっ」ではないけど勝つ感じ、年単位で懐かしいんですけど?!
    ここ数年では負けてたようなポイントの流れだと思ったけど身体と頭が合ってきたのかな

    明日も楽しみです🎶

      引用  返信

  • 本当に強いです。
    強い錦織圭が帰って来ました。
    アケビさんも仰っってますが、まさに感覚が研ぎ澄まされているという感じ。
    連戦連勝が嬉しい。
    この調子をあと2試合維持できれば最高ですね。
    ともあれ、明日の試合も期待しています。

      引用  返信

  • はい、休日の早起きを頑張って、圭の優勝✨🥇🏆✨を見届けます❣️💪💪💪♥♥♥
    ホントに、何て幸せな週末なんだ❣️やったぁあ😆♥♥♥
    こんなに早くやって来てくれるなんて❣️( *^艸^)♥

      引用  返信

  • 団長さん、レビューをありがとうございます。
    うれしいですね!久々の準決勝進出っていうのもそうだけれど、このワシントンでのこれまでの試合の中身がどれも素晴らしくて、毎回感動の連続です。

    見ていて楽しいのは、ラリーの組立てに工夫があること、ラリーで攻める時に、力が抜けていい感じで打てていて、しかもしなやかで力がみなぎっている感じがするところです。「攻撃するとちゃんとポイントが取れる感じ」「普段のプレーのクオリティがあがり、」と団長さんが言われているのは、そこなんでしょうか?
    本人もインタビューで、今は考えなくても球が入ると言っていましたね。(多少のミスは気にしていないと思う)
    オリンピック前に相当いい練習を積んだんでしょうね?

    マクドナルドは早い展開で堅実なラリーをする選手ですよね。ディフェンスもよく、サーブ&ボレーやドロップ&ロブも使ってきて、ダラスのチャレンジャーでもいいラリーが多かったと思います。怪我からの復帰を経てまた一段と成長しているとか。錦織もあの時よりはるかにいいテニスをしているし。負けないぞ!
    明日の準決勝、楽しみです。

      引用  返信

  • 団長さま、レビューありがとうございます。
    寝坊して最初の4ゲームを見逃したのですが、赤線青線で書かれているととてもわかりやすいです。
    第二セット中盤から終盤まで赤青拮抗、手に汗握る展開でしたが、この時のプレーが良くなってきたこと、ウクレリアンさんが言われているように、力が抜けていい感じで打てていたことが勝ちにつながった気がします。団長さまご指摘の、普段のプレーのクオリティがあがった、というか戻ってきたんだと思います。自分が無理せず徐々に相手に無理をさせ、自分のペースに引き込むことがハリス相手にできたのだから、本当にすばらしいです。
    少しずつ戻ればいいとは思うものの、このシティオープンはすでにベスト4。どんな事が起きるにせよ、今の自信が深まる方向に行ってくれればいいと思います。
    あしたもケガなく戦えますように。

      引用  返信

  • トロント2021 錦織の仮想対戦相手

    R1 ケツマノビッチ
    R2 フルカッツ[7]
    R3 デ・ミノール[12]/バシラシビリ
    QF メドヴェデフ[1]/シナー[16]
    SF ルブレフ[4]/シャポヴァロフ[5]
    F  ナダル[2]/チチパス[3]/ルード[6]

    入りたくなかったメドヴェデフ山ですが、ケツマノビッチ、フルカッツを二人まとめて「次はみとけ」リストから解消するチャンスです。ワシントンで優勝して、トロントではQFまでは進出したいですね。

      引用  返信

  • さん
    情報ありがとうございます。
    FBのライストでドローセレモニーを祈る気持ちで見ていましたが、感想としては「優勝を狙うにはキツいドロー」の反面「ptを加算してランクを上げるには悪くはないドロー」かなぁと。

    後は錦織選手自身が自らの体調と相談してどの様な決断を出すのか・・・スキップしても全然良いとは思っているんですよねぇ〜🤔

      引用  返信

  • 禮さん、いつもいち早くドローを教えてくださってありがとうございます😊
    私もゆうたさんと同じかなあ( ̄∀ ̄) どうぞチームとよく相談して決めてください!っていう気持ちですね。ドローも誰であっても(できればトップ10以外😅) 錦織次第な感じがしてきました。強気です笑 フルドローも禮さんのTwitterで見せていただいたけど、誰もがみんな大変ねーって思ってしまう。力が拮抗しているからですかね?それにしても、初戦でナダルvsハリスというのは………。これはテニスの神様🎾が、ナダルに「早よリベンジせい!」と言っているのかしら。ジョコだったらボコボコ(O_O)にしちゃうシチュエーションだけど笑 ナダルもそういう人でしたか?今頃燃えに燃えて🔥練習しているでしょうね。

    今勉ペアが勝ちましたよ!勉選手もオリンピック以降最高👍決勝進出です!

      引用  返信

  • ハリス戦フォアの威力のなさが気になりました。個人的に体力落ちてきてるときか手首の調子が悪い時のフォアに見えて1人で心配してます。ただマクドナルドには勝ってほしい、勝たなきゃいけない相手だと思ってます。ほぼ気力なような気がしますが、せめて優勝とは行かなくとも、準優勝で300ポイントはほしい。ネガティブですいません😅

      引用  返信

  • 故郷での活躍を経て
    強い錦織が戻りましたねー

    BIG4(他数人)以外には負けない昔のイメージと重なりつつあります。
    「競っても最後は錦織が勝っている」

    後は「優勝」という確かな結果と強敵(トップ10レベル)に対して連勝ですね。
    フェデラー ナダルとの試合もどこかで実現してほしいものです。

    今日明日は体力が持つか 心配はその1点です。

      引用  返信

  • あれ?団長さん起きてますかあ⁉️
    始まりますよー🎵
    シナー戦2セット目が早かったあ😲

      引用  返信

  • 雨の中ソーセージエッグマフィンセットをお持ち帰りして準備完了です。

      引用  返信

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。

    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。