’09全仏オープン男子準決勝展望

いよいよ全仏オープンも佳境に入ってきました。本日は男子準決勝2試合が行われます。

第1試合:フェルナンド・ゴンザレス vs ロビン・ソダーリング
第2試合:ファン・マルティン・デルポトロ vs ロジャー・フェデラー

第1試合は「勢い対決」、第2試合は「新旧対決」ですね。

ゴンザレス vs ソダーリング

ゴンザレスとソダーリングの勢いはすさまじいものがあります。
ゴンザレスはQFでも打ちまくり。マレーの鉄壁の守備を崩しました。

ソダーリングはあのクレーの覇者・ナダルを完璧なプレーで破り、「山王を破ったあとの湘北」状態になるのでは?といった懸念も払拭してQFでダビデンコを完封しました。

プレーの内容からすれば、破壊力抜群ながらもプレースタイル的にミスも避けられない(要するに過剰な強打w)のゴンザレスに対し、高クオリティのショットを最初から最後まで打ち続け、なおかつミスもしないという、ある意味理想的なテニスをしてきたソダーリングの方に分があるように思えます。

しかし、私の最終的な予想はゴンザレス勝利です。

ソダーリングは良くも悪くも20位前後に安定して位置してきた選手。もちろん実力はありますが、今の状態は「確変」である可能性が高いとみています。

加えてこれまで破ってきたナダル、ダビデンコの2人はタイプこそ違うものの、球が安定しているタイプ。
ソダーリングの最近2試合の勝ちパターンは、ラリーの中で早い段階でチャンスを見つけ、自ら強打し、それがことごとくいいところに入るというものです。

ゴンザレスはこの2人と比較すると変則的で、ミスもしてくれますが、いきなりあり得ないところから強打してきたりとコントロールというよりは球の勢いで勝負するタイプです。

例えばダビデンコだったら安定して球が返ってきてくれるのでソダーリングは安定して連続攻撃ができますが、ゴンザレスが相手の場合は強打がさらに凄い強打で返ってきたり、逆にとんでもないミスをしてくれたりとソダーリングの方も調子が狂ってくる可能性があります。

「そこは粘って球を返してよ~。それを気持ち良く決めたいのにぃ~」

というところであっさり馬鹿打ちでミスしたかと思えばスーパーショットで切り返してきたりして、ゴンザレス相手のテニスはかなりやりにくそうです。

ソダーリングはこの微妙なリズムの変化に調子を崩し、「確変」が終了するとみます!・・・大胆な予想です。

まあゴンザレスが自爆で労せずしてソダーリングが決勝進出、というシナリオも大いにあり得ますwww

フェデラー vs デルポトロ

フェデラーは全豪オープンでデルポトロをボコボコにしました。

加えて、心配されたフェデラーの調子もQFのモンフィス戦を見る限り、上昇傾向に見えます。

実績も加味して考えるとフェデラー有利は揺るぎようがないように思えます。

私の予想も最終的にはフェデラー勝利なのですが、内容はかなり競ると予想しています。

理由はデルポトロの成長です。

でかい図体とは裏腹に、デルポトロはかなりシュアで丁寧なテニスをします。したがって下位選手に対する取りこぼしも少ないです。

その反面、「トップ選手には勝てない」という評価ももらってきました。これはさきほど述べた全豪の惨敗の印象が強いこともあるでしょうが、今年はナダルにも勝っていますし、特に「下に強くて、上に弱い」ということはないと思います。
というか、すでに上に4人しかいませんwww

4強は4強同士ですごいバトルを繰り広げてきましたから4強が抜けて強いような印象を持ってしまいがちですが、テニスの内容を見たらデルポトロも遜色がないところまで来ていると思います。

昨年夏、4大会連続優勝した時も「裏街道」だったため、上昇したランキング並みの評価を当初は受けることができませんでした。

しかしその後、USオープンベスト8、マスターズカップ出場を果たすなど着実に実績を積み、出場する大会はほぼすべて上位進出していつのまにか5位にランクイン、そしてこの全仏でも初のGSベスト4ととにかく順調に成長しています。

プレー内容もストロークの安定感にますます磨きがかかり、隙を与えてくれません。加えてサービスエースを多く取れるようになってきました。
(以前はスピードや身長の高さの割にはエースが取れていなかったと思います)

このプレー内容の充実と、最近のフェデラーに見られる危うさを加味したら結構いい勝負をしそうな気がします。

ここを逃したらいつ勝つんだ?とフェデラー自身も思っていることでしょうから、フェデラーも気合いを入れて試合に臨むでしょう。熱い戦いが期待できます。

女子の方もちょっとコメントしてみるか・・・

女子はサフィーナとクズネツォワで決勝が争われることになりました。サフィーナはGS優勝のないNo.1としてプレッシャーを抱えながらも立派に勝ち上がってきました。

途中、危ない場面もありましたが彼女も成長していますね。

クズネツォワはいつも素晴らしいテニスをするのですが何となく勝ち切れない印象があります。実力は互角だと思うのですが、今回も最後の殻を破れなそうな気がしてしまいます。

というわけでサフィーナ優勝予想。優勝すれば兄弟でグランドスラム制覇ですか・・・すごいですね。

今大会、女子は新しい力が台頭してきて楽しめました。

「女ナダル」と異名を取るくらいとにかくよく走るシブルコワと体幹の全くぶれないフォアハンドのシルステアは特に印象に残りました。

ダブルスの名手ストーサーの活躍にも驚かされましたが、彼女の筋骨隆々な体にはもっと驚かされました。ナブラチロワ以上じゃないでしょうか?しかしまだ25歳だったんですね。ずいぶん長い間活躍しているような印象があります。

ダブルスプレーヤーだけあってボレーが絶品で、見ていて惚れぼれしました。アプローチの良し悪しでポイントの行方が分かってしまうようなネットへの出方ではなくて、五分五分の状態からパッシングとボレーの間のコースの読み合い、反応し合いなど堪能できました。やっぱりネットプレーでのポイントの最後のシメはストーサーのようにきっちりやってくれないと見ていてストレスがたまってしまいます!ストーサーグッジョブъ(゜д゜)

過去にレイモンドのシングルスも同じようにネットプレーが楽しめて、女子の試合なのに(失礼!)見ていてエキサイティングだった覚えがあります。

(すいません、私ATP至上主義なもので、どうしても女子の評価は辛くなります。)

7 件のコメント

  • どうも今年の全仏はコートがやたら速いとか・・・
    ソダーリンの確変もそのあたりと関係あるのでしょうか。
    それはさておき、私の希望としては
    ファイナルはフェデVSソダというカード。
    ソダーリンがあのボルグと同じスウェーデンというのも
    何か因縁めいたものを感じるのです。
    ナダルが全仏のボルグの連覇記録に並ぶのを阻止し、
    さらにそのボルグに並ぶ全英5連覇の記録を持つフェデ
    のキャリアGSを阻止するのか?
    極めてワイドショー的シナリオですが・・

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  • 順調に予想が当たりつつありますね!ww

    ライスコ観戦ですが、ソダーリンの確変は終わったっぽいですね。

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  • 私もびっくりです。
    ついにゴンザレスまで破ってしまったソダーリン。。。
    スウェーデンの室内で、圭くんとやったんでしたよねー、
    そればかりが思い出されますが、まさか決勝までくるとは!!
    しかも、そこに本来いるはずだったナダルを倒して!!!
    (これにはホントに更に驚き!)

    いやぁ~、ほんとにびっくり。。

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  • ソダーリン勝っちゃいましたねー。途中、netdashさんの予想通り確変終了かと思ったら、持ちこたえましたねー。ライスコしか見れなかったのが残念。

    フェデラーは予想通りでしたねー。大苦戦。

    デルポ強すぎです。怖い存在ですね。モンフィスといいデルポと言い、手足がめちゃくちゃ長いです。ひょっとしてフェデラーのサービスエースゼロだったのでは?

    今年の終わりにはジョコと4強が入れ替わってるかもしれませんねー。

    錦織選手はちょっとデルポに差をつけられちゃった感じがありますが、早く復活して若手を引っ張る存在になってほしいですねー。

    決勝でソダーリンが無駄に覚醒しませんように!!!

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  • フェデ勝利を当てた団長、偉い!と思います。
    ソダーリン、どうなっとんじゃ?

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  • 曽田さんは最後の最後で盛り返しました。大したものです。
    ファイナルセット、ゴンちゃんに勝利がほぼ転がりかけてましたが。

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。