【考察追記】 圭はどうしてインドアに強いのか?

 
 昨年のジャパンOP決勝当日、ウルトラビッグサーバーのRaonic相手に、天気の回復と共に
有明の屋根が開くことを祈るように切望していた方は、私を含め、沢山いらっしゃったのでは
ないでしょうか?
 結果は、多くの日本人ファンの期待通りに試合前に屋根が開き、圭がほぼ完璧なテニスで
勝利しました。
 
 しかし、少なくともデータで見る限り、実は圭はインドアの方が強いという傾向が出ています。
 
http://www.atpworldtour.com/Tennis/Players/Top-Players/Kei-Nishikori.aspx?t=mr
 
 上記アドレスのATPのデータ(上段のツアーレベルの方)を見てください。
 表中程のEnvironmentのIndoorとOutdoorの勝率を比較してみると、今シーズンでは0.8>0.622、
キャリア全体でも0.675>0.581と、明らかにIndoorの方が成績が良くなっています。
 
 Indoorは圭の得意なハードコートが多いからなのでは?
 私も当初はそう思ったのですが、今シーズンでは0.8>0.667、キャリア全体でも0.675>0.611と、
Indoorでの勝率はHard全体での勝率をも大きく上回っているのです。
  
  ※インドアキャリア勝率0.675は現役選手中9位(Nadalは10位)
  
 これはもう「たまたま」とは言い難く、「傾向」のレベルだと思います。
 そこで、この記事では、その理由について真面目に考えてみることにしました。
 
 (以下、考察追記
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 読者の方々からいただいた見解を乱暴に整理すると、圭がインドアに強い感覚的な理由としては、
以下の2つの考え方に集約されると思います。
 
サーブが安定するため、サービスゲームのキープ率が上がる。また、サービスゲームが
 楽にキープできることにより、リターンゲームでリスクを取る精神的な余裕が生まれる。
 
主にストロークの精度が上がるため、ミスが減ると共に、ウィナー級のショット(コース)が
 狙いやすくなる。(イメージ通りの攻めのテニスができる)
 
 これらを検証するために、今回は今シーズンの勝ち試合(以下の計24試合)を対象に、そのStats
データを調べてみました。(デ杯マッチを除く)
 
・インドア試合 :勝利した全8試合(全てハードコート)
・アウトドア試合:ハードコートで勝利した全16試合
 
 その結果得られた、それぞれの平均値は以下の通りです。
 
サービスゲーム関係
・インドア試合 :1stサーブ確率58.6% ⇒ サービスPt(取得)確率68.1%
・アウトドア試合:1stサーブ確率62.0% ⇒ サービスPt(取得)確率65.5%

リターンゲーム関係
・インドア試合 :リターンPt(取得)確率45.8%
・アウトドア試合:リターンPt(取得)確率45.6%
 
 
 まず理由について考えてみると、サービスPt確率が向上し、リターンPt確率も同等以上になって
いることから、流れとしては当てはまっていると思います。
 しかし、それらの起点になっているはずの1stサーブ確率がむしろ下がっているので、必ずしも
「サーブが安定する」からということではなさそうです。

 次に理由についてですが、この理由であれば、
1stサーブ確率が上がっていないのにサービスPt確率が3%近くも上がっている。
サーバーが有利になるはずのインドアで、アウトドアと同等以上のリターンPt確率を維持している。
 の2つを同時に説明できるような気がします。
 
 コメント欄でオリョパッピさんも仰っていましたが、圭はストロークに関しては天才肌で、どこから
でもエースを狙えるイメージを持っていて、調子の良い時にはこれがミスにならずに面白いように
決まるのでしょう。
 しかし、僅かな外乱や違和感(風、太陽光、ガット張力等)があると、普通の選手ならそんなに気に
ならない程度であっても、その物理的および精神的な影響が圭のパフォーマンスには大きく出てしまう
ということなのだと思います。
 
 
 今回の考察で圭のテニスに対する理解をある程度深めることができたので、今後の観戦では
 
そんな際どいところを狙わなくてもいいのに~ もっと大事に行こうよ~ とか
風があるんだから、もっと風を使うことを考えようよ~ とか
ラケットは悪くないよ~
 
 なんてことはゆめゆめ思わないようにしていきたいと思いますw 
 

9 件のコメント

  • 実は、現時点では私も理由が良く分かっていません。
    圭の試合のStatsでも調べながら、これから考えてみたいと思っています。

    読者の方のご見解があれば、是非披露していただければと思います。

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  • メンフィス大会のときに、
    インドアはサーブが安定しやすい→全技術の中で比較的ウィークポイントである錦織選手のサーブにムラが無くなる→ほぼ弱点が無くなり、サービスゲームが安定、リターンでリスクを冒せるため錦織選手本来の持ち味であるリターン能力が存分に発揮できる→結果、サービスゲーム安定からの攻撃的リターンゲームの連続で試合循環が良くなる。
    みたいなことを考えていました。ビッグサーバーにとって長所を生かせるインドアが、錦織選手には短所を補う働きになっているとか?(あのサーブも休日プレーヤーの自分からしたら絶対返せない威力ですが..)
    サーブの調子とリターンの調子って連動してるのかな?とか、こういう考察するのは楽しいですね。

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  • 先日まさに友人と話をしていたネタでしたのでお邪魔します。
    インドアに強いというより風が無い時に強い、と感じています。このデータは流石にありませんが。。。その理由も傾向もフェデラーに似ていると思います。いつも試合開始直後のチェックポイントは錦織選手の体調が良さそうかどうかと、風があまり吹いていないことを期待して見ています。間違っているかもしれませんが、確かオリンピックのフェレール戦も雨の中断後、最後は屋根が閉じたセンターコートでしたよね?あの時はこれで勝った、と思って見ていました。(フェデラー対マレーのウィンブルドンの決勝も同じ心境でした) 天才肌には超微妙な感覚やリズムを狂わせる自然現象はパフォーマンスが落ちる要素だと思います。(皆落ちると思いますが、その落ちっぷりが大きい?)

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  • 天才肌の圭君にプラス打球音は如何でしょう? 根拠を問われると説明出来なくてごめんなさい。  インドアやマドリードのメルツァー戦やトロイツキ戦のコートは狭くて打球音が響いて〔集音マイクのせい?〕TV観戦している私も気持ちよかったので。 能楽堂で鼓や太鼓が心地よく身体を包むようなリズムが出来てくるのかしらと以前から考えていました。

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  • ちなみに、Raonicのインドアキャリア勝率は圭を大きく上回る0.75(現役選手中3位)、
    昨年のジャパンOP決勝で屋根が開くことを切望したのは正解だったようです。

    現役選手で断トツの勝率トップ(0.797)はあのFedererです。オリョパッピさんが仰るように、
    必ずしもビッグサーバーの部類ではないFedererが強いという辺りに答えのヒントがあり
    そうですね。

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  • サーブを打つ時の太陽の眩しさってのもあるのかも、自分が苦手なので・・・^_^;

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  •  肝心の理由の考察が遅れており、すみません。
     本日中には本文に追記する予定です。

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  • 皆様の意見と同感ですが、少しだけ。。。。
    主観的なイメージですが、圭君の特にフォアは、打点を線ではなく点でとらえるイメージがあります。インドアになると、点でとらえる時の打球音の反響で気持ちよくプレーできるし、風のありなしの影響を大きく受けるような気がします。
    圭君の風の強い日の試合は、相手よりもタイミング崩してミスも多くて、風を嫌がってる様に拝見していました。
    しかしながら、テニスの試合は、いろんな条件・状況下で、どれだけ我慢してプレーできるか。。。という戦いでもありますよね!

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  • 2011年10月28日付け公式ブログのコメントがおもしろいです!
    上海でベスト4の大活躍の後、バーゼルに向かうフライトの直前。「あまり好きでないインドア・・・。克服してきます。」と書かれています。当時はインドアに苦手意識があったようですね。
    しかしながら、バーゼルではベルディヒ、ジョコビッチを破って決勝進出。あっと言う間の克服でした。

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