ツアーレベル復帰戦でランキング2桁台の選手に(以下涙で画面見えず)(2023アトランタ1回戦 vs. トンプソン レビュー)

2023 Atlanta (ATP 250)
Kei Nishikori def. Jordan Thompson, 7-6(5),7-6(5)

クドラ、そしてミケルソンにファイナルセットに失速するという形で敗戦を喫し、ツアーレベルの試合に不安を残していた錦織圭。
(ミケルセンはその後も快進撃を続け、シカゴCH優勝後にニューポート決勝まで進出。多くの有名プレイヤーを破りました。)

ただこれまでの数回の復帰過程において、急に良くなったり修正してきたり、相手が強くなると自分が強くなるといった現象を見てきたりしてきたので期待もありました。
対戦相手がトンプソンというのもランキング的にもちょうど良いし(高過ぎず低過ぎず)、ラリーをしてくれるという点が錦織にとってありがたいし、逆に粘りがあるプレイヤーなので錦織にもそれを打ち破る攻撃力や粘りが要求されるという点で、ツアー復帰戦として最適に近い対戦相手だったと思います。

「1ゲーム目から(これまでとは)レベルが違うと感じた」と錦織が語った通り、1ゲーム目からピンチを迎えてしまいましたが、ここをなんとか凌いだのが非常に大きかった。
シカゴCHでのインタビューで、競った場面での心の持ち方を教えてくれた錦織圭。

「最悪を想定する。ブレイクされても慌てないように」(という趣旨の発言)
「なるべく淡々とプレーする」

錦織のメンタルの強さの秘密を教えてもらった気持ちになりましたが、そういう目線で見るとまさに今日の試合は淡々と、集中を切らさず、ミスをしても腐らず、相手がいいプレーをしてきても慌てない、そういう心の持ち方を見て取ることができました。

息が詰まるようなキープ合戦。トンプソンのサーブをなかなか返せません。でもなぜかやってくれそうな雰囲気を保ち続けていました。
タイブレークではリターンを返球。そしてネットに来るトンプソンの足元を狙う冷静さ。セットを取ります。

トンプソンも安定して、粘りが強い選手。ファーストセットを取られてもプレーのレベルが落ちません。それどころかますますサーブが冴えて、錦織がサーブでピンチを迎える場面が増えます。

3-3で錦織が3連続ミスをして15-40。ここを凌いだのが、ファーストゲームと並んで試合のキーポイントだったかもしれません。
(ファーストゲーム取られていればツアーのレベルに気後れする可能性もあった。)

5-5でラブゲームキープ。これは、トンプソンペースかな?と思う流れを5分に引き寄せる効果があったと思います。
今日の感じだと錦織は最後まで崩れないんじゃないか、タイブレークでまた集中力を発揮してくれるのではないか、そういう期待がどんどん高まりました。

ピンチになると良いプレーを続ける錦織ですが、極め付けはタイブレーク5-5での変態ドロップでしょう。
このポイントは攻める錦織に守るトンプソンの展開。何回も錦織が攻めますが決まらず。シカゴやミシガンのチャレンジャーでの錦織であれば、ミスしていたと思います。
とにかく土壇場でも、ピンチでも、冷静さを貫いたことに私は驚きました。

トンプソンの良さも出た素晴らしい試合でした。
これまでの対戦と同じく、サーブのコースの工夫が光りました。フォア狙いとバック狙いが半々。またセカンドではフォア狙いを多くして、とにかく錦織に的を絞らせない。そして非常に跳ねるスピンサーブ。錦織は、コースの読みは悪くなかったと思いますが、リターン返球率を高めることができませんでした。

一方で「さあここだ!」という場面でミスもしてくれました。お互いに被ブレイクゼロのもどかしい我慢比べ。内容はほぼ互角でしたが、勝負強さの差が結果に結びついたでしょうか。

とにかく、シカゴチャレンジャーからの修正がすごいし、ツアーレベルでも勝ったということは非常に大きい。これからに本人もファンも希望が持てたと思います。
これからの道も平坦ではなく、良くない敗戦もあることもあると思います。
でもいつも言っているように「ATPは勝ったり負けたりが基本」。
むしろ勝ったり負けたりでいいのです。その中で、ごくたまに条件が整って優勝とか準優勝する。まずはその状態まで戻したいですね。
そうなれば100位はすぐです。

100位のポイントは600ちょっとです。6月復帰ですので、年内100位のためには年間1200ポイントペースで取らないといけないということですね。
これは35位に相当するペースですので、現実としては来年のトップ100入りを目指す感じで良いのではないかと。

次の対戦相手はシェルトンまたは中国のシャン。どちらが来ても左利き。シードのシェルトンが来る可能性が高いとして、シャルトンのパワーとバネに吹っ飛ばされるか、それとも錦織のカウンターが炸裂するか。厳しい相手だとは思いますが、また一段とレベルの高い対戦相手を前にして錦織が昔のテニスを思い出していくという展開を期待したいと思います。

今日は遅い時間までみなさん応援おつかれさまでした!
そして良かったですね、嬉しいですね。私も体調も良くなって全力で応援して(全力で叫んで)楽しかったです。
今からお酒飲みます。

66 件のコメント

  • タイブレ4-1、何というディフェンス!
    頑張れーー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾

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  • 96マイルでエース取れるお方。第1セットより1マイル速かったですねw

    TB

    サービスエース!2セットで締めました~。
    途中の超絶ディフェンスも見られた!
    錦織君、TBになるとやっぱり集中力違うね。

    とても蒸し暑い中勝ってくれてありがとう。

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  • やったあああああ!!!!!
    サービスエース締め!!!
    ストレートでよく勝ちきった!!!
    タイブレ強すぎやろーーー!!!!!

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  • さ、さすがタイブレの帝王
    ラリーに打ち勝ち 最後はサービスエースで締めたあー👏

    ☝️確かに100マイル以下でサービスエースは偉い(笑)
    第1セットに113マイルのナイスサーブがあって、なんだ、やればできるじゃん、と思った

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  • 勝ちました!
    ベスト8進出ですね。
    よかった!!

    明日も応援できる幸せ。

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  • おめでとう錦織選手ベスト8
    若手の挑戦を跳ね返し、格の違いを見せてくれたようです
    次戦フリッツ戦楽しみ〜

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  • センター、サービスエース!
    タイブレ強者再び、勝ちましたぁ*\(^o^)/*
    ベスト8進出おめでとう👏👏
    膝の心配は尽きないけど、ストレートで終わって良かった。
    次はNo.1シード相手。気負い無く、無理なくのびのびとプレーを楽しんで欲しいです。

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  • インタビュー時、ライトの関係かもしれないけど、目の下のクマが目立つ。
    文字通り、錦織選手、身体をはって頑張っている。
    錦織テニス脳はフル稼働中。あとは、身体、なんとかもってくれー

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  • 次はいよいよトップ10プレーヤー。
    24時間無いけど、出来るだけ体回復させて、ケガなく一つでも多く良いプレーが出ますように。
    願わくば、何かを掴む良いきっかけとなりますように。

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  • 数字のひらめっこ、ライスコ応援は一層ドキドキでした。
    ストレート勝利でホントによかったあ!
    いよいよ、というか、早くもトップ10選手と対戦かあ。
    いろいろ確認できそうですね。
    フリッツも中国選手に6-4 7-6
    なんか対等に戦えそう (違)

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  • ストレート勝利、素晴らしいですね!タイブレほんとに強いなあ!
    まったく試合を見られず、結果だけを知りました。夜、録画を観るのが楽しみです!

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  • 勝って良かった〜 おめでとうございます♪

    次はフリッツ君ですか〜 彼、いつの間に強くなったの!?

    メンフィスでの印象が強すぎて、、ベーグル焼かれそうを挽回した記憶がありますが❓

    明日も頑張って欲しいです ‼︎

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  • aoiですさん、ありがとうございます。おかげさまで生放送で応援できました。最後はエースで決めましたね。
    ずっと前に錦織選手が「最後はエースで終わるのがセオリーでしょ」とか言ってましが、かっこ良かった!!
    あとは、膝が凄く心配ですね、どうか治りますように!

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  • またもストレート勝ちおめでとう🎉🎊
    18歳の新鋭相手でちょっと心配していましたが、すごい👍
    チャレンジャーから確実にレベルアップしたんですね❗️
    録画を見るのが楽しみです😊

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  • 次回、フリッツ選手との試合は、まさに錦織選手の現在位置を確かめるものになると理解しています。
    もちろん、錦織選手自身も、現在の自分の復帰途上の現実を冷静に自覚しつつ試合に臨むと思います。
    ただ、錦織選手のあの負けず嫌いの性格上、絶対に勝ちにいくと思います。
    ここで無理はしてほしくないですが、どうなるでしょうか。
    ブックメーカーの賭け率は当然フリッツ選手有利のようですが。

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  • 録画見終わりました。勝ったことを知って見たせいか、とても面白かった。タイブレークの中身が濃すぎて(ラリーが面白すぎる!)ちょっとクラクラしましたが。攻めてくる相手に振られても食らいつき、攻撃をかわされてもまた攻め、よく走って粘り強く返し続けて、最後にはポイントをもぎ取る、そういうラリーが幾つもあって、録画で何回も見直すのが楽しかった。戦い方がシブすぎます。
    そして、MPではなんとサービスエースですかっ!あれはS&Vに出ようとしていた⁈…勝利を決めた直後に陣営を振り返った笑顔は、”S&Vのつもりだったが、エースになっちまったぜ!”とちょっと苦笑混じりの、”でも一瞬でMP取り切ったぜ!どんなもんだい”っていう笑顔ですかね。
    その後、ジュンチャンと握手してニッコリ笑みを交わした場面、兄と弟みたいで微笑ましかったです。

    対戦相手は予選から勝ち上がってきた若手で、純ちゃんと呼びたくなるあどけない顔でしたが、互角で打ち合えるし鋭いウィナーも取れるし油断できない選手でした。腿にテーピングがあり途中でMTOも取っていて相当疲れていたみたいなのに、最後までファイトしていていい選手だと思いました。
    錦織も左膝にテーピングをしていて、第1セットの初め頃に薬を飲んでいたのは心配ですね。休む間もなくすぐに次の試合があって、相手はトップ10選手だし。無理しないでと言いたいが、持ち前の負けじ魂が燃えたぎるだろうし。

    ほぼ2年ぶりのツアー復帰戦で、ベスト8、しかもストレート勝利での勝ち上がり。どんどん行ける才能もあり意欲もある選手だけに、どうか体に大きなダメージが来ないようにお守りください!と祈る気持ちです。

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。