西岡と杉田が共にシード選手を破り2回戦進出。日本テニス界にとって歴史的な一日(2018全豪オープン1回戦)

今日から本戦が始まった全豪オープンで、いきなりすごいことが起きました!

西岡がコールシュライバー(第27シード)にファイナルセットで、杉田がソック(第8シード)に4セットで勝利。

同じ日に日本人が2人のシード選手を破る。しかもグランドスラム。
長年、テニスを見てきた人間にとっては衝撃的以外の何物でもありません。
ここ数年は、日本人選手の層が厚くなったと感じる戦績を度々目にするようになりましたが、ついにここまで来たか、と。

これまでは、錦織以外の選手がシード選手に善戦をするだけでもニュースでした。「善戦」と「勝つ」間には高い高い壁があり、負ける度に「シード選手はやっぱり強いなあ」という感想が残りました。

実際、西岡のツイートによると、錦織以外がシード選手に勝ったのは44年ぶりだということです。
(おそらく、全豪ではなくてグランドスラムでという意味だと思われますが、あとで確認します。44年前というと1974年。神和住純さんあたりでしょうか。)

善戦してもなかなか勝てなかったのは、メンタルのせいにされてしまいがちな風潮がありますが、決して一概にそうではないと思います。リードしていたのに自滅した、というパターンではそう言えるかもしれませんが、地力に勝るシード選手が試合終盤で本来の力を発揮して・・・というパターンもよくありました。

今日、2人の選手が堂々とした内容でシード選手を破ったのは、彼らの実力がシード選手相当だったからだと思いました。
それぞれの試合に見るべきところがたくさんありました。

まず西岡の試合は、試合巧者のコールシュライバーとの対戦で、コールシュライバーのバックハンドからの多彩な揺さぶりに西岡が動じなかった点に驚きました。
9ヶ月のブランクは試合勘と試合の中での体力を奪い、その結果自信が持ちにくい状態だったと推測しますが、落ち着いてボールをさばき、良いイメージで戦えているようでした。復帰前と遜色ないプレーだったと思います。

最後の3セットは流れが二転三転するゲームでしたが、セット間の気持ちの切り替えが素晴らしかったです。(第4セットは、コールシュライバーの切り替えも見事だった。)
あきらめない気持ちと、勝つための気力が最後まで持続したと思います。まさに「9ヶ月の悔しさを爆発させた」見事な勝利でした。

第2セットをよくない流れで落としたあとの気持ちの切り替え、第4セットの終盤で体力を温存しファイナルセットに賭ける姿、バスルームブレークでリフレッシュして再び集中する姿は、錦織を彷彿とさせるものでした。日本のお家芸にしちゃいましょうw これができるのはメンタルが強い選手だけです。

杉田の試合は、とにかく杉田の動きとショットのキレが世界レベルだということを強く思いました。

「動いて、いい打点に入り、しっかり構えてしっかり振り抜く」

テニスの基本ですが、それをやりぬくのは難しい。ましてやソックのようなパワフルなプレイヤーに対してあれだけ体勢を崩さずに打ち続けるにはフィジカルの状態も良くなければ無理です。
2ndセットでミスが増える場面がありましたが、追いつかれたところで踏みとどまりタイブレークを取ったのが大きかったと思います。
大きめのコート(Show Court 2)での試合で杉田へのも歓声も大きく、昨年の活躍で完全にATPツアーの一員として杉田が認知されていることを感じて嬉しかったです。

対して西岡の試合は日本人の声援が大きく(コートに入りきらなかったとのこと)、彼の長いリハビリ生活をよく知るファンの熱い気持ちが西岡を後押ししたことは想像に難くありません。

ショックな怪我あったにも関わらず、ポジティブな気持ちを保ち、むしろファンとの交流を増やす機会と見てか、積極的な情報発信を西岡は行いました。
それには自分の気持ちを保つという目的もあったと思いますが、ファンも安心するし、その活動が今日の勝利に繋がったことは間違いないでしょう。
怪我で失った9ヶ月以上の物を、西岡は得たのではないでしょうか。

今日の2人の勝利は錦織にとっても朗報です。
西岡の勝利は、怪我からの復活を後押ししてくれますし、西岡がこれだけやって自分がやらないわけにはいかない、という思いを抱くのではないでしょうか。
昨年からの杉田のプレーは、自身が対戦する時にも脅威になるものであり喜びと同時にライバル心もあると思います。

来週になるか再来週になるか、来月以降になるかまだわかりませんが、錦織の復帰が本当に待ち遠しくなる今日の2人の勝利でした。

115 件のコメント

  • 大坂選手GS3回戦の壁を破りましたね、おめでとう。不調の時は、ピンチになるとどんどん孤独になって自滅して行くような感じだったけど、今は陣営との一体感があり動じないメンタルが良い結果を生んでいるような気がします。良いコーチと巡り合えましたね。
    大物食いなので次も楽しみです。
    それとペコリ挨拶かわいいですね。

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  • 上記コメントの訂正です。
    ×良いコーチと巡り合えましたね。→ ○良いコーチと巡り会えましたね。
      失礼しました  m(__)m

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  • チョンヒョン強かったですね。サーシャの方がスーパーショット多い印象でしたが最後までチョンヒョンは崩れず、一方サーシャは集中が切れてラケットスマッシュ。
    我慢比べでチョンヒョンが勝ったように感じました。

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  • チョン・ヒョン勝ったのか!
    すごいな
    シードダウン多いのかな。

    下団さん,
    無事、WOWOWで見れました!
    なおみちゃんはアップグレードしてますね。

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  • 全豪オープンも、連日の熱戦で、私は日中の計画が捗らなくて困ってしまいます。(笑)
    大坂選手、余裕のベスト16進出。チョン・ヒョン選手の強さはホンモノですね。
    ベスト16が出揃ったら、「当たらない優勝予想⁉」団長さまや、皆さま、楽しみにまっちょりますよ。

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  • ホークアイの故障とやらでフェデラーが救われてますが
    こんなことってあるんですかねぇ…あっていいんですかねぇ

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  • 大坂選手強い! 素晴らしい!!
    快進撃は続きますね。
    次は何とあのハレプ選手ですね。
    (今日5セットマッチ並みの接戦を制していました。)
    大金星あるといいですね。次も頑張って!

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  • いやーズべレフは本当に固まりましたね全身が。

    ウエイトのコーチがマレー、ベルディヒと一緒だから絶対ダメになると思ってたんですが、やっぱり早かった

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  • 今日は。
    ズベレフ弟選手とチョン・ヒョン選手の次世代対決は、凄絶なフルセットでしたね。
    ズベレフ弟選手はGS限定の1週目敗退グセ克服、チョン・ヒョン選手は第1回ミラノFチャンピオンの意地、それぞれの思惑が見え隠れする壮絶な1戦だったと思います。
    彼らに関する記事、情報です。

    まずはズベレフ弟選手。彼のコメント抄訳記事です。
    <全豪3回戦敗退のズベレフ、壁を破りきれない理由は「自分でもわからない」>
    http://www.afpbb.com/articles/-/3159320?cx_part=top_category&cx_position=2
    やはりGS限定のお悩みを。
    またこの記事では、チョンヒョン選手へのコメントが多少上から目線(もしあれが・・・の部分)に感じられますが、実際には「第4セットまでは非常に高いレベルの試合だった。彼は最高のプレーをした」ともコメント、チョン・ヒョン選手のプレイを絶賛しています。(ATP公式記事参照)

    フェデラー選手が彼にエールを。練習仲間ですものね。Ubitennisより。
    https://twitter.com/Ubitennis/status/954704720081440768
    「辛抱強くなるように、落ち込むなとサーシャに言ったんだ。冷静に、自分で自分を苦しめないようにってね。だって相当外側から圧受けてるはずだから。ちょっとでも早くこの敗戦を乗り越えられるように。辛いだろうけど、悪いほうに考え過ぎても何の意味もないし」
    彼は他にも、自分がGSのQFを始めて乗り越えたのはサーシャ(の年齢)よりも遅かった、サーシャには時間がまだ十分過ぎるほどある、とプレカンで激擁護。恐らく20歳前後の自分と重ね合わせているのだと思います。

    長くなりましたので、チョン・ヒョン選手については次で。非常に興味深いので。

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  • 連続投稿失礼致します。

    チョン・ヒョン選手についてはAO公式インタビュー記事の一部を超意訳で。その中に非常に興味深いコメントが。これ、全翻訳アップされないかなあ。
    <Hyeon Chung 20-01-18 interview>
    https://ausopen.com/articles/interviews/hyeon-chung-20-01-18-interview

    ズベレフ弟選手、第4セットの終盤で「(コートが)暗すぎる」と審判にクレームつけたそうで(苦笑) でもチョン・ヒョン選手は意に介さなかったようですが。また、GFについてのしつこい質問に対しては全て「No」でスルー(笑)

    で、興味深いのがこの後。
    Q:RLAであなたが勝利したとほぼ同時に、MCAでナオミが勝ったが。
    A:彼女も一緒に4Rに進出できて嬉しい。僕たちは仲良しの友達なんだ。
      ここで止まっちゃいけない。前に進むのさ。
    (そうだったのですね!)

    Q:ニシコリとの違いは? 同じ? ぜんぜん違う?
    (そうそう、これこれ! 彼がどう思っているか!)
    A:少し違うね。彼とは昨年RGでプレイしたけれど、彼はベースライン付近で、でも僕はベースラインよりずっと後ろにいた。だからプレイ・スタイルは違うと思うよ。
    (これ、差し込まれたってことですよね)

    Q:ミラノの後、今年の準備は?
    A:タイのバンコクで調整した。ニシオカとかバシラシビリとかと。メルボルンみたいに暑かったよ。
    (そうだったのか! 西岡選手もSNSでバンコクでの調整を呟いていましたが、IMGのかつてのルームメイト、仲良し2人組はバンコクでランデヴーだった!(笑) ならば西岡選手、この結果でまた一念発起してくれることでしょう)

    後は、家族みんながメルボルンに来ていることや、韓国料理はヘビー過ぎて食べていないこと等々。

    ってことでインタビューの内容、何気に大坂選手や西岡選手に繋がりましたので、団長さまの記事に関連したコメントということでご容赦を。

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  • 今日は。
    3連続になり申し訳ありません。
    チョン・ヒョン選手、先ほどダブルスをW/Oしました。ジョコビッチ選手との1戦に対する意気込み、でしょうか。

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  • \(^o^)/  マクラクラン選手組、勝利おめでとうございます。今日も相手は強敵だったのに素晴らしい。期待が膨らみます。

    大坂選手も、がんばって!!

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  • なんと!なおみちゃんの試合、大雪のため見られないじゃないさー

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  • あ、なおみちゃん、残念!たったのね。みたかったあ。でも大健闘でしたね!

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     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。