内容はともかく、とにかく復帰した。それが大事（2025シンシナティ1回戦）

2025 Cincinnati (Masters 1000)
1st Round
Camilo Ugo Carabelli def. Kei Nishikori, 7-5,6-3

　3ヶ月前にはリアイアとなりながらもハチャノフ（先週のトロント準優勝）を圧倒するほどのプレーを見せていた錦織。今日の出来はそのプレーからは残念ながら、かけ離れたものでした。序盤のミスは、久しぶりの試合ということで仕方なかったかもしれませんが、徐々に調子を上げていきながらも、上げきれずにミスが出てしまうといった内容でした。
　特にフォアハンドのミスと、セカンドサーブに対するリターンミスが目立ちました。

　しかしそれらの課題よりも、まずはもっと走れないとトップ選手に対抗できないのではないかと思います。フォア側に振られた時にすぐアウトになっていましたし、回り込んでストレートに打つ時は体が左に流れていました。

　それでもこれまでは、試合途中で立て直して行けました。試合後半になればなるほど強くなるので、最終的に敗戦となったとしても期待を持って見ることができていたのですが、今日はむしろ、まだスコアは離されていないのにその後の展開が不安になるような試合運びでした。
　
　相手のウーゴ・カラベリは後ろに下がってプレーしていましたので、錦織にとって脅威はありませんでした。ウィナーも取ることはできましたが、後ろから打ちすぎてミスになってしまったのが悔やまれます。もっと無理なく振ってから前に入ってオープンに打ち込むプレーが見たかったところです。ウーゴ・カラベリもよく走って返していましたが、特別なプレーをしてきたわけではなく、本来の錦織であれば勝てる相手だったと思います。

　ただ、この先が心配になるような負け方ではありましたが、1試合だけで判断するのも早計でしょう。色々ありましたが、まずは復帰しました。非常に喜ばしいことです。
　試合に出られないより、試合に出て負ける方が何倍も良いです。とにかく試合に出続けることが重要です（これまで繰り返し述べている通りです）。冒頭に書いたように、3ヶ月前にはあれほどのプレーをしていたのですから、これから練習と実践を繰り返し、復調していけると信じています。来週のチャレンジャー125にもエントリーしているはずですので、まずは来週の経過を見たいと思います。