遅れてきた2017全豪2回戦レビュー(vs. シャルディ)

2017 Australian Open (Grand Slam)
2nd Round
Kei Nishikori[5] def. Jeremy Chardy, 6-3,6-3,6-3

 眠いし明日も早くてやばいのですが、勢いで今日(正確には昨日、今日で)3つめの記事書いちゃいます。
 2回戦シャルディ戦、全部ではないですが見ました。

 感想は、「1回戦より大分良い!」です。
 むしろ好調と言っていいかもしれません。

 ミスはありました。ブレイクも沢山されましたが、動きやラケットの振り抜きを見ての判断です。
 1回戦よりもかなり早いタイミングで打てていました。
 同じ打ち方でも、1回戦では「足が止まっている」印象だったのが、2回戦では「打点に早く入れている」という印象に変わりました。
 深い球が来ても慌てず腰を落としてラケットフェイスの真ん中に当てることができていました(↓こんな感じで)。

 ミスの内容も、焦ってというより上位ラウンドを意識して、あるいはエネルギー消耗を抑えることを意識しての、「トライ」によるエラーに見えました。

 サーブはスピードこそ抑えめでしたが、打点が高くて良かったと思います。回転をかけていました。これでいいんです。連続して1stが入らないところを攻められてブレイクされるのが負けパターンの一つです。この試合は、厳しいところを狙ってのミスでブレイクされました。全体的にはラリーで押していたのであまり心配ではありませんでした。1回戦を切り抜けたことで落ち着いたと思います。

 シャルディはフォアが強力でしたね。特に逆クロスはライン一杯に、スピンがかかって落ちてきます。振り遅れのように見えてきっちり入ってきます。これは彼の「天然の」ショットですね。なかなか真似できるものではありません。このショット以外はほぼ、シャットダウンしましたね。決してシャルディがまずいプレーをしたわけではないと思います。

 シャルディと言えばジュニア時代に歯が立たなくて、プロになってからも痛い敗戦を喫した相手。元々錦織に対して苦手意識を持っていなかったと思いますが、ここ数年は力関係が逆転。素晴らしいですね。これからも油断はなりませんが、彼に対する勝ちパターンは見えてきたのではないかなと思います。でも、72位にいるような選手ではありませんね(本来の力はもっと上のはず)。

 1回戦のフルセットによる体力的な影響は感じませんでしたね。そしてこの2回戦をストレートで勝利することができ、2週目に向けて視界良好だと思います。
4回戦でベルディヒが来てもフェデラーが来ても、今の力関係、ランキングからすると勝ちが求められてしまいますが、ここをなんとか切り抜け、マレー戦へ。

 マレー戦で、どれだけベストに近いテニスができるか

 これこそが、今大会の最大のポイントであり、極端な話、QFに上がりさえすれば内容はどんなものでも良いです。
 もちろん省エネが望ましいし、締まった内容の試合の方がいいです。でも理想の勝ち上がり方をしても、マレー戦で力を出せなければその価値は半減してしまう。
 全米ではできました。できたが、そこで力を使い果たしました。じゃあ今回は余力を残して・・・なんてことをマレーが許すわけはないので、燃え尽きでいいです。あとは気力でなんとかしましょう!
 そのためにも3回戦です。理想はストレートですが、同時に「どんな調子でも勝つ」、このマインドが重要だと考えます。
 ですので、1回戦は内容はアレだったとしても、勝ったのだから大・大・合格なのです。反省は大会が終わった後にすればよろしい、と思います。

 

 

10 件のコメント

  • まさに天然物ですね、
    フェデラーとシャルディのインサイドアウトは見ていて「あーこれはとれないな」と思うことが多々あります
    ラオニッチもそうなんですが、身長を活かした感じなので。。。

    フェデラーは見ていてまだギアを上げきっていないというか、このままだともしかするとベルディッチに負けないかなーとか思ってますが、おそらく上がってくるんでしょうか。。。ついにGSでの対決実現ですね( ´∀`)

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  • 錦織選手のフォアハンドが改善されていて、エラーが少なくなっていましたね。団長も指摘されていましたが、細かいステップで移動する良いときのフットワークが見られました。リターンゲームで、1stサーブをしっかりとリターンできていたという印象です。シャルディ選手はサーブが得意ですが、それを打ち砕くだけのリターンをしていたように思います。レシーブの位置を上下に変えてゆさぶり、リターンポイントを狙うのかラリーに持ち込むのかを、状況に応じて試していたように思います。作戦というよりも、「試す」という表現の方が合っていると思いました。着々と第2週への準備が進んでいるように見えました。

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  • ラオニッチ選手は具合があまり良くなかったそうですね。

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  • お早うございます。
    団長さま、こちらのスレ立ても有難うございます。

    シャルディ戦プレビュー・スレで、散発的にご紹介させて頂いた関連記事、こちらにまとめて再度貼っておきますね。

    シャルディ戦、ATPサイト他各海外メディアの抄訳記事です。
    <錦織、全豪2回戦は快勝 海外メディアも速報「今回はケイにドラマなし」>
    https://the-ans.jp/news/2530/

    TENNIS DAILYさんから、山口奈緒美さんの現地レポートです。
    <錦織は「ブレークされ過ぎ」と反省も、リターンゲームで集中力発揮>
    http://www.thetennisdaily.jp/news_detail.asp?idx=121277

    WOWOWさんから大会レポートです。よくよく見るとフリーライターの武田さん。
    <―大会レポート― 第3日 出てきた余裕! 錦織は貫禄のストレート勝ちで前進>
    http://www.wowow.co.jp/sports/tennis/news/detail_170118_02.html

    ドット朝日さんから、記者さんのシャルディ戦記事です。
    <これが“本来の力”だ! 錦織圭、全豪2回戦は快勝…1回戦の苦戦で「目が覚めた」>
    https://dot.asahi.com/dot/2017011800184.html

    Web Sportivaより、フリーライター神仁司さんのシャルディ戦コラムです。
    <「圭はサーブがよくないが…」。敗れたシャルディが語る錦織の強み>
    https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/otherballgame/tennis/2017/01/19/___split_1/

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  • おはようございます。

    あいかわらず全くついていけていないAO・・・
    昨日のジョコビッチの試合、ファイナルセットだけ録画で確認しました。
    どうしたんでしょう、ジョコビッチ。いつもは憎いけど負けて元気ない彼を見ると、心配になる。
    強い選手のしょんぽりしたとこを見ると、なんというか切ないです。「がんばって」といいたくなる。
    いつかのマレー選手の話ではないけど・・・涙を流しきってまたリセットされて強くなるのかな。
    勝手ながらにいつも思うのですが、イメージがどうも「冷たいブルー」昨日の試合は更に「冷めきった薄いブルー」でした。

    さて今日の圭の試合、絶対定時に帰って生TV観戦します。絶対に・・!
    シャーデーの試合途中まで録画で見たのですが、1回戦よりずっと良かったですね
    ただこのブログのテニスに精通した方のご意見ではまだ気になる部分があるようで、心配もしておりますがまずなによりも臀部の痛みも今のところ無さそうでよかったです。

    あとどなたかもし手が空いている方がおられたら、教えてください
    コートについてです。
    名称はわかります、マーガレットとか。
    圭が好きなハイセンスとか
    ただグレード?がわかりません。ハイセンス>マーガレットなのか・・
    調べればわかるのでしょうが簡単でいいです教えてください。
    以前のコメントで「ランク5位でハイセンス三日連続はありえない」というのを見て
    全くそれがどういう意味なのかわからず、多忙に付確認することも出来ませんでした。

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  • 団長、怒涛の連続記事アップ、ありがとうございます😆💕✨⤴❤
    体調には、十分お気をつけくださいませ❗😌🌸💓⤴

    昨夜、ようやくシャルディ戦の録画を見終わりました~😢⤵シャルディの鋭いサービスやフォアへの対応が出来ていたので、安心しました❗😌🌸💓⤴
    何と言っても、あの“キュッ、キュッ”っというシューズ音の復活が、心地よかったです~❗😍😍😍💪💪⤴⤴❤

    @クイーンさん
    コートの格付けは、ロッドレーバー>マーガレット>ハイセンスですm(__)m❤

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  • 圭大好き!さま

    ありがとうございます!いつも愛のあるコメント拝見しています。

    相性などもありますが今回マーガレットということはグレードアップしたコートになるんですね。

    4回戦はロッドレーバーになる可能性があるというコメントもありましたね!それがフェデラーなら濃厚という事で・・
    スッキリしました

    ありがとうございました

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  • 今晩は。
    Yahoo!ニュースに内田暁さん現地レポートPart2掲載です。
    <全豪OP2回戦:大坂なおみ 世界9位の巧妙さに破れるも、相手から学んだ“自分が一番欲しい物”>
    http://bylines.news.yahoo.co.jp/akatsukiuchida/20170120-00066789/
    なるほど~。試合巧者コンタ選手の実に巧妙な作戦が紐解かれます。

    また、錦織選手の地元島根県の地方紙、山陰中央新報に、テニスライター秋山英宏さんがAO現地レポートを掲載されていました。短いリポートですが。
    1/18リポートです。クズネツォフ戦について。
    <秋山英宏の全豪リポート 苦手な「一発」ある選手>
    http://www.sanin-chuo.co.jp/sports/modules/news/article.php?storyid=563288141
    最後に「メルボルンから随時リポートする」とありました。楽しみです。
    1/20リポートです。シャルディ戦について。
    <秋山英宏の全豪リポート かつての好敵手一蹴>
    http://www.sanin-chuo.co.jp/sports/modules/news/article.php?storyid=563323141
    多分、ジョコビッチ選手敗退前の原稿ですね。

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  • 実はフェデラーが勝ちあがれるか心配。何気にベルディヒはフェデラーにだけはまぁまぁ勝ててる(と言っても随分負け越してるんだけど)。比較的かみ合うんだろうな。

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    ABOUTこの記事をかいた人

     テニスを愛する理系人間。よく理屈っぽいと言われる。  プレースタイルはサーブアンドボレー、というよりサーブ。ストロークは弱い。  2008年2月15日に本ブログを開設。その数日後に錦織圭はあのデルレイビーチ優勝を成し遂げる。  錦織圭の存在を知ったのは2004年。その後2006年全仏ジュニアベスト8で再注目。2007年のプロデビュー(AIGオープン)で錦織の試合を初観戦。その後の活躍を確信し、今に至る。